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勇者達は極北イテーツク山脈を目指すようです その①

201 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/21(月)18:00:00.00 ID:1399336



【マルク帝国 帝都ドナド】



从∀゜*从「ようやく戻ってきたか。アタシはここでお別れだな」



( ФωФ)「長い間お世話になりました!」



(・∀・ )「実際2ヶ月くらいだけどね」



 (’A` )「いや2ヶ月って長ぇだろ」



( ^ω^)「でも正月から3月1日までのスピードって爆速じゃない?」



 (’A` )「んなこと言ったら10月1日から12月1日って徐行区間じゃん。『あれ?まだ年越しまで1ヶ月もあんの?』ってなるじゃん」



( ^ω^)「たしかに。あれ、なんだろうね?」



 ( ’A`)「あれ……ヤバくね?」



(・∀・ )「どうでもいい」



(゜、゜*)「それじゃあ私達はもう行くけど、船長さんはどこへ?」



从∀゜*从「とりあえずアタシは仲間を集めないといけないからな。今度の航海は魔界の海を走るから"速さ"が大事になる。魔導推進力増幅装置を常に動かせるだけの仲間が要るんだ」



从∀ー*从「それと、魔界の港を使えるようにする為の仲介人も雇わないとな」



 ( ’A`)「仲介人?魔王側の奴らと交渉なんてできるのか?」



从∀゜*从「別に魔界の奴ら全員が魔王に忠誠を誓ってる訳じゃねぇ。袖の下を通しゃ目をつぶってくれる優しい(・・・)奴ら、話せば分かる奴らも居る」



从∀゜*从「そいつらと折衝してくれるのが仲介人だ。獣人が多いかな」



从∀゜*从「あとは水先案内人に、医者も欲しいな……」



( ^ω^)「なんか聞いてるとめちゃくちゃ金かかりそうだな」



从∀゜*从「ああ、めちゃくちゃ金がかかるし、そもそも金を出しても集まらねぇなんてこともある」



( ФωФ)「集まらないのは困ります!」



从∀゜*从「へへっ、そこで役に立つのが"火山島の秘宝"よ!こいつぁアタシの船長としての実力を示してくれる。往路復路と嵐を突破し、絶海の孤島から宝を持って帰れるだけの実力があるってことをな!」



从∀゜*从「これがあれば人が集まらねぇ、なんてことは起こらねぇ!」



( ・∀・)「まぁそれは分かるけど……お金は?」



从∀゜*从「……報酬は全額後払いってことで誤魔化そうと思うんだが、いけるかな?」



(゜、゜*)「無理だと思う」





202 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/21(月)18:00:00.00 ID:1399336



【マルク帝国 帝都ドナド】



 船長と別れた勇者達は、今度は北へ向かう為の旅支度を整えた。



 (’A`;)「……いくら北が寒いって言っても、こんなに厚手の服が何着も必要なのか?」



(^ω^ )「今は別に半袖でもいいくらいの気温だけどな」



( ФωФ)「もちろん!"イテーツク山脈"は北極圏にある極寒の霊峰ですからね!一年中、雪と氷に閉ざされている永久凍土でできた山々です。山頂なんて、呼吸するだけで痛いとか」



 (’A` )「普通に行くのやめない?」



(;^ω^)「お前、自分だけ先に力を手に入れたからってよぉ」



(゜、゜*)「まぁ、これだけしっかり準備すれば、寒さもいくらか楽になるでしょ」



(・∀・ )「いざとなれば魔法使いの炎魔法で暖をとればいいし」



( ФωФ)「山登りの最中の炎魔法には気をつけてくださいね。むやみに使うと地表の氷が溶けて、雪崩を起こす危険があるので」



 (’A`;)「大丈夫かな」



(・∀・ )「そう言えば山登りの道具は買わなくてよかったの?」



( ФωФ)「ここで買っても嵩張ってしまうので、麓近くの街で揃えようと思います」



( ・∀・)「おっけー、なら問題なさそうかな」



(゜、゜*)「なんか修道女ちゃん、やけに詳しいわね」



( ФωФ)「むかし"イテーツク山脈"の麓に住んでいたので!」



 (’A` )「!」



(゜、゜*)「なるほどね。それじゃ」



( ^ω^)「つーか北極圏って遠くない?それも馬車で行くの?」



( ・∀・)「あぁいや。意外とそこまで遠くはないよ。そもそも帝都ドナドが、そこそこ北に位置してるんだ」



(^ω^ )「そうなの?こんなに温かいのに?」



( ・∀・)「海流と気流の影響だね。南の海で暖められた海水や空気が、ここまで流れてくるんだ。西のラクシズ方面や、南のリドルグ方面には、特別高い山もなく平野が広がっていて、遮るものもない」



(^ω^ )「つまり?」



( ・∀・)「天然のエアコンで、年中暖められてるって訳だ」



 (’A` )「……どこでそんな話を知るんだ?」



( ・∀・)「酒場で飲んでると結構な頻度で他の冒険者とか町の人の飲み会と合流するじゃん。そこで」



(^ω^ )「飲んでる時にするには中身が詰まりすぎてんだろ」



 (’A`;)「俺はそういうの全く覚えてねぇな」



(゜、゜*)「アンタそういう話好きだものね」



( ・∀・)「歴史の資料集とか読み込むタイプなんで」



( ・∀・)「ともかく、言いたいことは、ここドナドから"イテーツク山脈"までは案外近いってこと。馬車で1ヶ月も走れば着くよ」



(^ω^;)「遠いじゃねぇか!"マグダ・マリマ"の時と同じじゃん!」



( ・∀・)「馬車の速度を考えれば早いほうだよ」



 (’A`;)「……ちょっと待て。ということはだ、1ヶ月間俺達は馬車乗りっぱなしってこと?」



( ・∀・)「なにか?」



 (’A`;)「腰と尻がぶっ壊れること必至じゃねぇか!」



 (’A`;)「俺は西ゼリヤからラクシズまでの距離でさえ痔になりかけたんだぞ!」



( ・∀・)「リスクは皆同じだ。耐えよ」



(゜、゜*)「厚手の服たくさん買ったんだから、それを座布団代わりにしたら?」



(^ω^;)「気休めだろうなぁ……たしかに俺も前の馬車ん時は、腰がキツかった覚えがある」



(;ФωФ)「揺れの少ない馬車もあるにはありますが……あれはレンタルでも高級品ですからねぇ」



 (’A` )「勇者特権で借りられない?」



( ФωФ)「それじゃあまずは誰でもよいので貴族様と仲良くなる必要がありますね」



 (’A` )「終わったわ」



(^ω^ )「道化師、酒場で貴族と仲良くなったりしてない?」



( ・∀・)「そもそも貴族は酒場に来ねんだ」



(゜、゜*)「困ったわねぇ……」



 勇者達が出発を前にグダグダ抜かしているその時だった。通りがかった豪勢な飾りの付いた馬車が、彼らの前でぴたりと止まったのである。





203 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/21(月)18:00:00.00 ID:1399336



ξ ゜⊿゜)ξ「アナタ達、こんな天下の往来で何をしてますの?轢き殺されますわよ?」



(^ω^ )「え?」



(・∀・ )「え?」



(ФωФ )「え?」



 (’A` )「え?」



(゜、゜*)「あら、ご機嫌よう」




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