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勇者達は火山島で獣王と再戦するようです

184 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/18(金)18:00:00.00 ID:1399336



从;゜ワ゜从「はぁ、はぁっ!」



从;゜ワ゜从「やっぱり神殿の扉が開いてる!私達がどうやっても開かなかったのに!」



ミ;◎Д◎彡「ガッデム様、ホントに勇者達を倒しに行くんですか?」



ミ;◎Д◎彡「まだ先程の戦いの傷が癒えていないのでは?」



从*゜ワ゜从「ふん……あの原住民の実力が並外れてただけよ。勇者達自身は大して強くないわ!」



从*゜ワ゜从 「アンタはいつも通り、離れて魔法で援護しなさい」



ミ ◎Д◎彡「……了解」



 二人はすぐさま分かれ、ガッデムは爪を立て神殿へと突入する。しかし、既に勇者達の迎撃準備は整っていた。



(^ω^#)「ブルボンゴ君の仇ィィッ!」



从#゜ワ゜从 「雑魚が言っていいセリフじゃないのよ!」





185 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/18(金)18:00:00.00 ID:1399336



【炎の天使神殿】



 物陰からの戦士の強襲を、しかしガッデムは軽く()なして、お返しに首を斬りつける。



(^ω^;)「ぐふっ!?」



从゜ワ゜#从 「次ッ!」



( ・∀・)「えっ?」



 彼女はそのままの勢いで身体を反転させ、戦士と同じく奇襲の為に物陰に隠れていた道化師の首の根に噛みついた。



(;・∀・)「がっ……」



 しかして、わずか数秒の内に勇者の半分が戦闘不能に陥った。



从*゜ワ゜从 「ぺっ!不味い肉……飲み込みたくもないわ」



 噛みちぎった道化師の皮肉を吐き捨てるガッデム。その時、彼女の頭部に衝撃が走った。盗賊によるライフル銃での狙撃である。



从;゜ワ゜从 「っつぅッ!銃使いの女か!」



(゜、゜;)「……当然のように生きてるの止めてくれない?」



 だが、これもガッデムの命には届かなかった。床に転がった弾頭の先はまるで鉄壁に衝突したみたいに潰れ、そして凍りついていた。



从#゜ワ゜从 「いちいち鬱陶しいだよ!」



 よほど銃弾が忌まわしいのだろう、頭に血が上った彼女は、弾丸が来た方向、神殿の奥へ攻め込んだ。



 そしてそれが、勝負の決め手となった。



 (’A` )「『炎の壁(ファイアウォール)』」



从;゜ワ゜从 「ッ!?」



 突如として、ガッデムを囲うように火炎の柱が噴出する!



从;゜ワ゜从 (魔法陣ッ!?いや違う!そんな単純な仕掛け(トラップ)なら、アイツ(・・・)が無効化してくれるハズ)



从;゜ワ゜从 (なら私の速度(スピード)に合わせて……いや、それよりも素早く、正確に防護魔法(カベ)を放ったというの!?)



从;゜ワ゜从 (そんなの、アイツにも無理なのに……)



 (’A` )「……対抗魔法は使わないか。まぁ人狼(オオカミ)なら並の魔法はその足で避けられるし、覚えなくてもいいか」



从*゜ワ゜从「はっ、これで私を閉じ込めたつもり?」



 ガッデムは燃え盛る炎に手を近づける。"炎の壁"魔法は、動物は炎が苦手だという勝手なイメージから戦場でよく経験した。ただ、たしかにダメージはあるが所詮は炎、現実にはそこに"壁"が存在するわけではない。数秒間耐えれば突破は容易だ。彼女レベルになると、ダメージも毛先がチリチリする程度で済む。



从;゜ワ゜从「いや熱っ無理だコレ」



 しかし彼女の予想は大きく外れた。炎の温度が高すぎる。よく見るとなんか青白い。



 (’A` )「そりゃ炎だし」



从;゜ワ゜从「んー……降参するから、これ解除してくんない?」



 ( ’A`)「どうしやすかアネゴ」



(゜、゜*)「誰がアネゴよ」



(゜、゜*)「あと解除は無理。アンタが燃えるか脱水で死ぬまでは絶対に解除しないわ」



从;゜ワ゜从「なんにもしないって誓うよ?」



(゜、゜*)「残念。人間は契約を結ぶにも信頼ってのが必要なの」



从*゜ワ゜从「……あっそ。やっぱ人間共とは相容れないわ」





186 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/18(金)18:00:00.00 ID:1399336



【炎の天使神殿】



( ФωФ)「はい!回復しました!」



(^ω^ )「ふぅ、死ぬかと思った」



(・∀・;)「俺なんもしてないうちにやられちゃったよ」



 ( ’A`)「しゃーねぇよ、アイツめちゃくちゃ早かったし」



从;ー∀从「アタシなんて隅から見てたけど、何が起きたか全然分かんなかったよ……」



从*゜ワ゜从「アオーン……」



从*゜ワ゜从「な~、その回復魔法ってズルくね?」



(゜、゜*)「あら、そうなの?」



(ФωФ )「回復魔法は聖アガメマス教会の専売特許ですからね!異教徒には使えませんし効果もありません!」



从*゜ワ゜从「はんっ!だから嫌いよアンタら教会!上から目線でガメついし!」



(ФωФ#)「な、なにを言うんですか!アナタ達こそ……!」



(・∀・ )「修道女落ち着いて。たぶん水掛け論にしかならないから」



从*゜ワ゜从「それで周りの炎消えたりしない?」



 (’A` )「そういう炎じゃないからなぁ」



(・∀・ )「というかガッデムだっけ?減らず口ばっかりで全然死なないね」



从*゜ワ゜从「アオーン……そりゃ腐っても四天王よ?まだまだイケるね」



(・∀・ )「そうなんだ。ねぇ、いくつか訊いていいかい?」



从*゜ワ゜从「嘘つくかもね」



(・∀・ )「それでもいいよ。ログマジア・ファミリーを使って魔王は人間の職人を集めてたよね。それってやっぱり彼らを"魔道士(ソーサラー)"……兵隊として使うため?」



从*゜ワ゜从「あー……あったね。そんなのも」



从*゜ワ゜从「でもゴメンねー、私詳しいこと知らないんだぁ。ブルシットからの依頼を横流ししただけだし」



(・∀・ )「……ブルシット?」



(^ω^ )「ブルボンゴ君の友達?」



从*゜ワ゜从「ぷっ……まぁ、たしかにアイツらお似合いかも」



(ФωФ )「ブルシット……!」



(ФωФ )「それってもしかして……四天王の『鉄王』でしょうか?」



从*゜ワ゜从「うん、それ。厚化粧の鉄面皮オバサン」



从*゜ワ゜从「アイツ心がないから頭がよく回るんだよ。でも私みたいに皆に好かれてないからさ。アイツが作戦立てて、私が実行することが多いんだ。でもアイツの目的とか興味ないしぃ?私は強い奴と戦えればそれでいいかなーって」



从*゜ワ゜从「でもラクシズの作戦ってさ、人拐ったり市政の邪魔したりで戦闘とかなさそうだし、マジで興味なくてさ。丁度ログマジア・ファミリーのボスが私のファンだったからさ、丸投げだよね。ポイって」



 (’A` )「ファン?」



从*゜ワ゜从「最初に言ったでしょ?"みんなのアイドル"だって」



 (’A` )「あれマジだったのかよ」



(^ω^ )「四天王って副業ありなん?」



从*゜ワ゜从「私の場合、四天王が副業って感じでぇ」



 (’A` )「嘘つくなや」



从*゜ワ゜从「いやガチマジ大ガチ。私嘘つかない」



从*゜ワ゜从「アンタらだっていっぱい戦ったじゃん。私の親衛隊と」



 (’A`;)「アレそっちの意味の親衛隊かい」



从*゜ワ゜从「そうそう。親衛隊会員だって数百人いるんだよ~~?」



(・∀・ )「……なんか、すごい喋ってくれるね?」



从*゜ワ゜从「アイドルたるものトーク力って必要じゃん?」



(・∀・ )「たしかに」



( ・∀・)「魔法使い」



 (’A` )「ん?」



(・∀・ )「悪い予感がする、壁を狭めて」



(・∀・ )「焼き殺そう」



从;゜ワ゜从「え、ちょガチで?嘘でしょ?」



(・∀・ )「ガチマジ大ガチ。俺嘘つかない」



(^ω^ )「心の友ブルボンゴ君の仇よ。地獄でブルボンゴ君によろしくな」



从*゜ワ゜从「心の友を地獄に落とすな」



从*゜ワ゜从「つかアイツ死んでねぇし、逃げられたし!」



(^ω^ )「じゃあ地獄でブルボンゴ君を待っててくれぃ!」



从*゜ワ゜从「お前もはやブルボンゴ君のこと嫌いだろ」



(ФωФ )「問答無用!業火に焼かれてしまいなさい!」



 (’A`;)「それじゃ……『炎の壁(ファイアウォール)』。範囲を狭めろ」



从;゜ワ゜从「うわっ……お前らガチか!なんの権利があってこんな所業ォ熱っ!」



(・∀・ )「ホンマごめん。正義と大義」



从#゜ワ゜从「クソアガメマスの狂信者共がよぉ!」



从;゜ワ゜从「きゃぁぁぁぁぁぁッ!!」



 やがて炎の柱はひとつになり、神殿にガッデムの断末魔がこだました……。




187 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/18(金)18:00:00.00 ID:1399336



【炎の天使神殿 外縁】



从*゜ワ゜从「……な~んてね。炎の壁の弱点は"壁の向こう"が見えないこと。強くなろうが基本がなってないね」



ミ◎Д◎;彡「ぜぇ、ぜぇ!!焦ったぁ……久しぶりにあんな長い穴掘りましたよ」



从゜ワ゜*从「いやいや、ナイスフォロー!なんか魔法でチャチャッと助けてくれると思ったけど、想像以上に物理だったね」



ミ;◎Д◎彡「空間転移なんて使えるワケないでしょ!自分の身体を強化する方が数万倍速いです!」



从゜ワ゜*从「いや遅かったよ?犬系獣人としての自覚が足りないんじゃない?」



ミ◎Д◎;彡「まぁ、これを機に鍛えますかね」



从゜ワ゜*从「……ありがとね」



ミ◎Д◎ 彡「とりあえず、一度撤退しましょう。あのレベルの魔法に対処できる親衛隊はいません」



从゜ワ゜;从「はぁ……嫌だなぁ、鉄面皮オバサンに小言を言われるの」






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