四勇者が冒険者ギルドに行くようです
【登場人物紹介】
( ^ω^)【戦士】:レスラー体型の勇者。バッファローモッツァレラマルゲリータピザにホットソースをビシャがけする猛者。
( ’A`)【魔法使い】:ヒョロガリ勇者。半熟卵を乗せたドリアに、半熟卵を乗せた青豆サラダとハンバーグステーキを合わせる猛者。
(゜、゜*)【盗賊】:スタイルグンバツ勇者。カプレーゼとエスカルゴのオーブン焼き&ミニフィセルで赤マグナムを空ける猛者。
( ・∀・)【道化師】:イケメンハイスペ勇者。異常小エビカクテル愛者。
( ФωФ)【修道女】:勇者を導く僕っ娘。聖アガメマス教は清貧を旨とする。ただ、羊肉の串焼きを頬張り修道院ビールで流し込むのも清貧の範疇である。
17 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/02(日) 09:00:00.00 ID:1399336
【西ゼリヤ王国 アロスティ城】
(王・ハ・)「朕が西ゼリヤ王国、ミラノフ=ウリアードである」
(王・ハ・)「よくぞ参られたぞ勇者殿とその仲間……え?あ、みんな勇者なの?あ、君だけ違うんだ……」
(王・ハ・)「そう……四大天使様が……はぇ~それはそれは」
(王・ハ・)「まぁ、そうだの。別に多い分には困らないし、勇者が4人いてもいいと思う」
(王・ハ・)「あ、だけど。あの~勇者殿が来た時用にね?いくらか費用を支給する用意があって、その予算は組んであるんだけど。それは1人分しかないから、ゴメンね」
(王・ハ・)「うん。言いたいことは分かる。分かるんだけど、もう今年の予算は決まっちゃってるしね。女神様も負けちゃったから防衛費も余計かかるし……カツカツなの。それは分かってくれる?」
(王・ハ・)「まぁね。勇者殿も異世界から遥々ね、大変だとは思うんだけど……うん、でも、それは朕が決めたことじゃないし」
(王・ハ・)「それに、勇者殿がすぐに魔王を倒せる力があるかっていうと、そうでは無いわけでしょ?……うん、そうだよね。大丈夫、それは理解してる」
(王・ハ・)「代わりと言ってはなんだけど、勇者特権……あ、ダメダメ、よそ様の家に勝手に入っちゃダメだよ。異世界ってそうなの?」
(王・ハ・)「まぁ特権って、他の国にも行ける自由交通権とか、不逮捕特権とかだけど、詳しいことは担当の職員さんに聞いてね。朕は把握してないから」
(王;・ハ・)「いや、だから他人の家のタンスから盗っちゃダメだって!たしかに逮捕はされないけどさ、常識じゃん!というか、何回も犯罪繰り返すと特権剥奪するよ?」
(王;・ハ・)「困るのは後から来る勇者なんだからさ……」
(王・ハ・)「あ、あとね。自分たちが勇者っていうのは、あんまり口外しないように。魔王の手下に襲われるのは嫌だろうし、王国側にも負担かかるしさ。コレ、一番の重要事項ね」
(王・ハ・)「うん、そこら辺の処理はこっちでやっておくんで、はい、そうそう。そちらはそちらの仕事に集中してもらって……」
(王・ハ・)「うん……うん。分かったよー、はーい、それじゃあ、はいはいー」
(王・ハ・)「ん?あー、それはいいよ、いい、いいって……うん、じゃあ、はーい。それじゃあ」
(王・ハ・)「はーい、うん、よろしくぅー、はーい…………ぁーい」
18 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/02(日) 09:00:00.00 ID:1399336
【西ゼリヤ王国 アロスティ城下町】
(’A` )「なんか王様さいご誰かと電話してなかった?」
( ・∀・)「いや、普通に俺達と会話してたと思うけど」
(’A` )「気のせいかぁ……かなりグダってたと思うんだけどな」
(;ФωФ)「うーん、王様から渡された心付だけだと、心もとないですね……修道院から貰ったお金も、すぐに尽いちゃうでしょうし」
(^ω^ )「ならさ、俺達自身で金を稼ぎゃいいじゃん」
(゜、゜*)「道化師っ!出番よっ!」
(;・∀・)「えっ!?いきなり大道芸はキツイって!」
( ^ω^)「まぁ道化師はそれでもいいけど。俺達って結局ヨイノマ森でも戦闘経験つめなかったし……」
(*^ω^)「ここはさ、"冒険者ギルド"的なトコロで討伐系クエスト受注して、それで稼ごうぜ!」
(’A`*)「おおっ!いいなそれ!」
(゜、゜*)「"冒険者ギルド"ってなに?」
( ФωФ)「冒険者ギルドですか……う~ん、正直僕は殆ど関わったことがないので、よく分からないのですが」
( ФωФ)「いま行って、すぐにお金を稼げるようになるのでしょうか?」
( ^ω^)「とりあえずダメ元で行ってみて、話だけでも聞いてみようぜ」
( ^ω^)「ダメだったら別の方法を考えればいいし」
(゜、゜*)「ねぇ、ちょっと。聞いてる?」
(’A` )「よし!それじゃあ決まりだ!この街の冒険者ギルドはどこだ?」
(゜、゜*)「……」
(゜、゜*)「"冒険者ギルド"って……なんなの?」
( ・∀・)「分からない。俺達は雰囲気で"冒険者ギルド"という呼称を使っている」
19 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/02(日) 09:00:00.00 ID:1399336
【アロスティ城下町 冒険者ギルド・ランクエス】
ξ;゜⊿゜)ξ「ホントですの?クエスト受注してくれるんですの?」
ξ*゜⊿゜)ξ「ありがたいですわ!できることなら今すぐにでもクエスト行ってほしいですわ!」
(^ω^ )「おっ?ホントに?冒険者登録とか要らない?」
ξ;゜⊿゜)ξ「……あ」
ξ;゜⊿゜)ξ「冒険者登録は必要ですわ!申請書に記載をお願いしますですわ!」
(’A` )「住所とか無いけどいい?」
ξ ゜⊿゜)ξ「いいですわ!冒険者なんて大抵は学のない腕自慢、自分の名前が書ければ合格ですわ!登録したての冒険者はF級ですわ!」
(・∀・;)「まさかのボーダーフリー!」
(ФωФ )「しかし、受付嬢さん……この冒険者ギルド、王都だというのに、冒険者さんがあまりいませんね?」
(ФωФ )「冒険者ギルドというと、冒険者が酒を飲んでたむろしているイメージがあるのですが……」
ξ;゜⊿゜)ξ「魔王が女神様に勝ってから、腕利きの冒険者は戦場に近い地方へ行ってしまいましたの!あっちの方がクエスト報酬が高いんですの!戦時特需ですわ!」
(゜、゜*)「へぇ、よく分からないけど、ギルドって戦争屋みたいもの?」
ξ ゜⊿゜)ξ「違いますわ!冒険者ギルドは、モンスターやダンジョン絡みの依頼の受注を管理して、冒険者へ発注するのが仕事ですの!要はモンスター専門家派遣業ですわ!」
ξ ゜⊿゜)ξ「魔王というモンスターの王みたいな存在が戦争相手だから、冒険者にも白羽の矢が立ってるんですわ!人間同士の戦争はノータッチ!ここ、間違えないで欲しいですわ!」
(゜、゜*)「なるほど。道化師の説明の1足す100倍分かりやすかったわ」
( ^ω^)「お前なんて説明したの?」
(・∀・ )「ロマン」
(’A` )「お前、それは言葉足らずだわ。俺は分かるけど」
( ^ω^)「たしかに。盗賊姉さんは異世界経験が無い……異世界ヴァージンなんだから」
(’A` )「なんで言い直した?」
(゜、゜*)「それ言ったらアンタらも異世界童貞でしょ。マンガとかゲームでしか知らないんだから」
(゜、゜*)「あ……初めてだから、この世界来てずっと興奮してるのね」
( ^ω^)「どんな視点から理解してんだ」
20 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/02(日) 09:00:00.00 ID:1399336
【アロスティ城下町 冒険者ギルド・ランクエス】
( ^ω^)「という訳で晴れてFラン冒険者になったワケですが」
( ^ω^)「クエストは何があるかなぁ~……」
『【E級以上】ウッソー原生林 魔蟲駆除 短期契約用』
『【経験者限定】ウッソー原生林 魔蟲駆除 長期契約用』
『【E級以上】ウッソー原生林 ゴブリン駆除』
『【ゴブリン駆除経験者限定】ウッソー原生林 ゴブリンの巣駆除』
『【D級以上】カッカ山 岩ネズミ駆除』
・・・
『【資格保持者限定】薬品納品クエスト 回復薬』
『【資格保持者限定】薬品納品クエスト 解毒薬』
『【資格保持者限定】錬金素材納品クエスト 魔工石』
・・・
『【未経験OK・面談有】パラッハ草原 哨戒・調査補助』
(’A` )「ま~、大体のクエストはそれなりに経験積まないとダメっぽいな」
(ФωФ )「そうですね。討伐系はE級以上しかないようです……」
(゜、゜*)「あ、でも一つあるわよ。私達でも受けられる仕事」
『【未経験OK・面談有】パラッハ草原 哨戒・調査補助』
(゜、゜*)「どう?面談は必要だけど」
( ФωФ)「いいんじゃないでしょうか」
( ^ω^)「よし、じゃあコレにしようぜ!」
(^ω^ )「すみませーん受付嬢さーん……」
(・∀・ )「……」
( ’A`)「ん、どうした?」
(・∀・ )「なんか、タイミーもこんな感じなのかなって」
(;’A`)「……止めろ。ロマンが崩れる」