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勇者達は火山島で獣王と戦うようです

【登場人物紹介】


( ^ω^)【戦士(ウォリアー)】:レスラー体型の勇者。


 ( ’A`)【魔法使い(ウィザード)】:ヒョロガリ勇者。


(゜、゜*)【盗賊(シーフ)】:スタイルグンバツ勇者。


( ・∀・)【道化師(クラウン)】:イケメンハイスペ勇者。


( ФωФ)【修道女】:勇者を導く僕っ娘。


从*゜∀从【船長】:海賊船ジョリー号の女船長。


从*゜ワ゜从【獣王ガッデム】:魔王四天王の人狼アイドル。


168 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/14(月)18:00:00.00 ID:1399336



【火山島マグダ・マリマ】



从゜ワ゜#从「……遅いっ!!」



从゜ワ゜#从「遅すぎるわ勇者ども!いったいどこをほっつき歩いてるのよ!?」



ミ ◎Д◎彡「ガッデム様、勇者がリドルグの港を出航したのは25日ほど前です。通常の航海でも、それくらいはかかるかと……」



从゜ワ゜*从「私達が早く到着しすぎたってコト?」



ミ ◎Д◎彡「悪いことではないかと。島の地形を把握すれば戦闘に有利ですし」



从゜ワ゜*从「私は別に把握してないけど」



ミ ◎Д◎彡「まぁ別に期待してないです」



从゜ワ゜*从「ひどくない?」



ミ ◎Д◎彡「あとブルシット殿から島の土壌とか植物の採集を依頼されてますので、親衛隊はそっちの仕事をしてます」



从゜ワ゜*从「私それ聞いてないんだけど」



ミ ◎Д◎彡「言ってないんで」



从゜ワ゜*从「なんで」



ミ ◎Д◎彡「言ったとて」



从゜ワ゜*从「アンタさ親衛隊歴長いからって調子乗ってない?」



ミ ◎Д◎彡「あ、水平線の上に船が!きっと勇者ですよ!」



从*゜ワ゜从「はぁ?そんな調子のいい……」



从;゜ワ゜从「マジだッッ!!」





169 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/14(月)18:00:00.00 ID:1399336



【火山島マグダ・マリマ 海岸】



从*゜∀从「よし、ここから上陸するぞ」



(ФωФ;)「うわぁ~これまた木々が鬱蒼と……まさにジャングルですね」



 (’A` )「実は俺ジャングルって始めてなんだよ」



( ^ω^)「大抵の日本人は未経験じゃねぇかな」





170 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/14(月)18:00:00.00 ID:1399336



从゜ワ゜*从「間違いない、あれが勇者達だね」



从゜ワ゜*从「最初に出てきたあの女は手配書に無かったけど?」



ミ◎Д◎ 彡「雇った船員でしょう。勇者が航海技術を持っているとは考えにくい」



从゜ワ゜*从「ふぅん。じゃあ警戒なんてしなくても良さそうだね」



从゜ワ゜*从「……っていうか誰もこっちに気づいてないじゃん。ちょっと拍子抜けかも」



ミ◎Д◎ 彡「彼奴らとは数キロ離れていますからね。並の人間はそこまで感覚に優れていません」



从゜ワ゜*从「ラクシズに派遣した子たちは、どうしてあの程度の人間に遅れを取ったんだろ」



ミ ◎Д◎彡「近接戦闘に長けていたとか?」



从゜ワ゜*从「ふふん、だとしたら私達の勝ちは揺るがないわね!」



从゜ワ゜*从「人間如きの白兵戦力が私に敵うハズがないから!」



ミ ◎Д◎彡「仰る通りで」



从゜ワ゜*从「という訳で、今すぐ親衛隊を全員召集なさい!」



ミ ◎Д◎彡「え?作戦会議は?」



从゜ワ゜*从「いらない!私にはもうとっておきの作戦があるのよ!」



ミ ◎Д◎彡「……不安すぎる」





171 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/14(月)18:00:00.00 ID:1399336



【火山島マグダ・マリマ ジャングル】



(ФωФ;)「暑いですね……汗で服がベタベタです……」



( ^ω^)「服脱いだら?」



(ФωФ;)「それはちょっと……」



(・∀・ )「毒を持った虫とか植物も多いから、できるだけ脱がない方がいいよ?」



( ^ω^)「あ、そうなの?」



 (’A` )「つーか女の子に服脱げって普通にセクハラだぞ」



( ^ω^)「あ、そうなの?」



从∀゜*从「とぼけているのか何も知らねぇのか……」



(゜、゜*)「あれは何も考えてない顔よ」



(ФωФ;)「何も知らないのと同じでは?」



(゜、゜*)「微妙に違うのよ」



(゜、゜*)「……!」



(゜、゜*)「みんな、周囲を警戒して!魔法使いは魔法を放てる態勢を!」



 (’A`;)「なんだ?虎でも出たか?」



(゜、゜;)「……いや、数十で囲まれてる。数も動き(・・)も、野生動物のそれじゃないわね」



(ФωФ;)「となると魔王の手下でしょうか?」



从∀゜;从「まさか、ここは絶海の無人島だぞ?魔物だって野生種しか住んでないハズだ」



(・∀・;)「情報が漏れていて……先回りされた?」



(゜、゜*)「そう考えていいわね」



( ^ω^)「……この感じ。敵はあれだ、人狼(オオカミ)だな」



 (’A`;)「えっ分かんのか?」



( ^ω^)「いちど剣を交えりゃあな」



(゜、゜*)「なるほど。九麗城寨で戦った奴らと同じね」



(゜、゜*)「それなら、プランBで対応よ」



(;^ω^)「プ……プランBだと!?」



(゜、゜*)「ええ。そりゃもう大盤振る舞いよ」



 盗賊はそう言って、いつも手に提げているアタッシュケースから2丁の自動小銃を取り出した。



(゜、゜*)「だってコレ、一度ぶっ放してみたかったのよ」



(*^ω^)「わかるぅぅぅぅっ!!」



(・∀・*)「全男子の夢じゃん!」



(ФωФ;)「アタッシュケースのどこに自動小銃2丁が入るスペースが……?」



(’A`*)「俺にもひとつ貸してよ!」



(゜、゜*)「ダメよ。誤射されたらたまんないし。魔法使いはさっさとバリアの準備をしてちょうだい」



(’A` )「ちぇ」



从*゜∀从「ところでプランBってなんだ?アタシ聞いてないが」



(゜、゜*)「それはね……」



 盗賊が口を開いたその時、彼らの周囲の木々が一斉に揺れた。





172 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/14(月)18:00:00.00 ID:1399336



 それはまさに、一瞬の内の出来事であった。



彡#゜Д゜ミ「うぉぉォッ!!」ミ#゜Д゜彡

彡#゜□゜ミ「うぉぉォッ!!」ミ#゜W゜ミ

Ξ#゜Д゜Ξ「うぉぉォッ!!」ミ#゜∩゜彡

ミ#゜A゜彡「うぉぉォッ!!」ミ#゜皿゜彡



 空に蓋する高木、叢林の奥、草叢の隙間、四方八方あらゆる方向あらゆる角度から突然現れる無数の人狼(オオカミ)、さながらショットガンから放たれた散弾の如く!



 大軍を以て寡兵を包囲し、ただただ質量で押し潰す!素晴らしく短絡的で、清々しいほど直線的で、これ以上なく圧倒的な攻撃である!



从*゜ワ゜从「やっておしまい!」



 しかし獣王ガッデムの"作戦"……いや作戦?作戦ではないか。"奇襲"は失敗に終わる。盗賊のプランBによって。



 "作戦"プランB。それは……



(゜ヮ゜*)「アハハハハハッ!」



 四方八方から敵が飛びかかってくるのなら、こちらも制圧的連続射撃(マシンガン)を四方八方にぶちかましてやればいいッ!!こんなん作戦じゃねぇや。



彡;゜Д゜ミ「あべまぁッ!!」ミ;゜Д゜彡

彡;゜□゜ミ「ぺこらぅッ!!」ミ;゜W゜ミ

Ξ;゜Д゜Ξ「じゃぱゃッ!!」ミ;゜∩゜彡

ミ;゜A゜彡「ぽからぃッ!!」ミ;゜皿゜彡



(’A`;)「『防護魔法:嚮壁虚造(キョウヘキキョゾウ)』!」



 ひとしきり銃弾の雨をばら撒いたら、すぐさまバリアを展開!追撃を防ぐ!



从;゜ワ゜从「ちぃ!銃なんて隠してやがったのね!」



ミ ◎Д◎彡「バリアも、このままでは破れませんな」



ミ ◎Д◎彡「不安が的中しましたね」



从゜ワ゜*从「なによ不安って。私の作戦を信用してなかったワケ?」



ミ ◎Д◎彡「はい」



从゜ワ゜#从「キィィィィィィッ!!」



 奇襲が失敗した獣王とその側近は、勇者たちを前に口論を始めてしまった。



(’A`;)「……なんだコイツら?何発も銃弾を浴びといて余裕かよ」



(ФωФ;)「獣人自体、身体は頑丈ですけれどね」



(・∀・;)「頑丈とかいうレベルじゃないでしょ。ラクシズの奴らよりよっぽどだよ」



(^ω^;)「ってコトはよ、もしかしてコイツら二人のどっちかが四天王だったり?」



从*゜ワ゜从「!そこのオジサン、せいか~い!」



从*゜ワ゜从「なにを隠そう私が四天王のひとり!『獣王』"みんなのアイドル"ガッデムで~~す!」



(^ω^ )「は?みんなのアイドル?」



 (’A` )「誰が?」



(・∀・ )「あ、もしかして自分のこと言ってる?」



ミ◎Д◎ 彡「共感性羞恥(きち)ィ~」



从*゜ワ゜从「ぶち殺すぞゴミめら」



(ФωФ;)「!みなさん、あまり刺激しないで下さい!」



(ФωФ;)「この二人……ふざけてるようで、すっごく強いですよ!」



 (’A` )「ふん、でもバリアを壊せないんじゃあ俺達は殺せないぜ!?」



ミ ◎Д◎彡「おやおや……なに言ってるんですか?もうアナタ達は"詰み"ですよ。そんな所に籠城した時点でね」



 (’A` )「なにっ?」



从∀゜;从「お、おい……魔法使い」



从;゜∀从「たしかにアイツの言う通りかもしれねぇ……」



 船長が周囲をぐるりと見回す。すると、しこたま銃弾を浴びた獣人達が、何事もなかったかのように再び立ち上がり、バリアを取り囲んでいた!



彡#゜Д゜ミ「テメェらよくもやってくれたな!」

ミ#゜Д゜彡「ぶち殺してやるから出てこい!」



 (’A`;)「クソが、タフ過ぎんだろうがよ……」



从*゜ワ゜从「ふっふ~ん。たしかに銃弾は痛くて嫌いだけど、別に致命的じゃないわ!」



从*゜ワ゜从「レゴ踏んだ時くらいのダメージよ!」



(・∀・ )「激痛じゃん」



从*゜ワ゜从「言うて銃よ?」



ミ ◎Д◎彡「ガッデム様。おしゃべりはそれくらいで」



ミ ◎Д◎彡「さてさて、籠城もいいですが、いつまで籠もっているつもりでしょうか?猛暑で体力も削られますし、食糧もさほどないでしょう?」



 (’A`;)「ぐぬぅ」



ミ ◎Д◎彡「さりとてバリアを解除すれば、激痛に怒り狂う"ガッデム親衛隊"がアナタ達を八つ裂きにするでしょう。銃弾の痛みも来ると分かれば耐えられます」



(゜、゜*)「あら野蛮。アイドルならファンを躾けてちょうだい?」



从*゜ワ゜从「あはは!この子達はみんな、私の為なら命すら捨てるように調教済み!それで十分でしょう!」



从゜ワ゜*从「ね!」



ミ ◎Д◎彡「は?」



从゜ワ゜*从「だから殺すぞって」



ミ ◎Д◎彡「さぁ勇者共、どうします!?そのままジリジリと死んでいくか、今すぐ我々に殺されるか!」



从*゜ワ゜从「それ私のセリフ!」



(゜、゜*)「ん~……それじゃあね」



(゜、゜*)「"アナタ達が倒される"はどうかしら?」



从*゜ワ゜从「!……ぷっ」



从*゜ワ゜从「ぷあっはっは!この状況でどうやって私達を倒すっていうの!?」



(゜、゜*)「違うわよ」



(゜、゜*)「私達が倒すんじゃないの。"アナタ達が倒される"の」



从*゜ワ゜从「はんっ!同じじゃない!」



(゜、゜*)「微妙に違うのよ」



──その時、周囲の木々が一斉に揺れ、



──"咆哮"が島に響き、"あの男"が姿を表した。




173 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/14(月)18:00:00.00 ID:1399336



(゜ω゜ 彡「ワレ、トモノテキ、コロス」



从;゜ワ゜从「いや誰っ!?」



(^ω^ )「チャリス島のドドゴンボンゴ族のブルボンゴ君だ!!」



从;゜ワ゜从「何の何の何!?」



(^ω^ )「チャリス島とシャゴモ島でオタクォの年に行われる伝統、ンピリュクォ祭りの花形スングレリでシャゴモ島のウルバルスカ・ギュパンを破り、見事マグダ・マリマにウギョホックをジャワヌィする名誉を勝ち取ったドドゴンボンゴ族のバルスカ、ブルボンゴ君だ!」



从#゜ワ゜从「うるせぇっ!!」



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