勇者達は大冒険を前にお金が足りないようです
142 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/08(火) 18:00:00.00 ID:1399336
( ФωФ)「さて、るるぶによると"絶海の火山島マグダ・マリマ"に行くには、まず帝国南の港街リドルグから船を出す必要があるようですね」
(’A` )「まだるるぶに頼ってんのか」
( ФωФ)「大丈夫です!今度はちゃんと最新号を買いました!」
(゜、゜*)「えらいわ」
(・∀・ )「姐さん修道女に甘くない?」
(゜、゜*)「うん」
( ФωФ)「そして港街リドルグまでは、蒸気機関と定期馬車を乗り継いで行けそうですね……そして旅費が……宿代がざっと……馬と餌代が日割りで……」
(゜、゜*)「だってこの子、旅の計画と金勘定をやってくれてるのよ?」
(・∀・ )「すみませんでした」
(^ω^ )「若いのに偉いなぁ……お駄賃あげたい」
(’A` )「俺が代わるとは決して言わない所にクズを感じる」
(;ФωФ)「……あ、ダメです!」
(゜、゜*)「どうしたの?」
(;ФωФ)「お金が足りません!」
(;ФωФ)「武器と防具にお金を使いすぎました!」
143 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/08(火) 18:00:00.00 ID:1399336
【帝都ドナド 冒険者ギルド・ランクエス】
( ^ω^)「金に困ったら冒険者ギルドでクエスト受注。常識だね?」
(’A`;)「しっかし大冒険に出る為の金稼ぎに冒険かぁ、初っ端から躓いてんなぁ……」
( ・∀・)「お金が無いから仕方ないよ」
(゜、゜*)「なるべく短期間で高報酬なのが良いわね」
( ・∀・)「そういうクエストは掲示板に貼り出されて秒で受注されそう」
(’A` )「そうそう都合のいい話はないよな」
( ФωФ)「まぁダメ元で受付に訊ねてみましょうか」
(ФωФ )「すみませーん!」
ξ*゜⊿゜)ξ「らっしゃっせーッ!ですわーーッ!!」
ξ;゜⊿゜)ξ「ってアレ!?アナタ達はッッッ!?」
(^ω^;)「西ゼリヤの受付嬢さん、なんでここにいんの?」
ξ;゜⊿゜)ξ「こっちのセリフですわ!ラクシズで活動してるんじゃ無かったんですの!?」
(・∀・ )「実はカクカクシカジカでね」
ξ*゜⊿゜)ξ「はぇーー四大天使様の神殿にお参りに!それはまた途方もないことを考えますわね!」
(^ω^ )「それで受付嬢さんはなにゆえ?」
ξ*゜⊿゜)ξ「実はアナタ達がラクシズに向かった後、急に異動が決まったのですわ」
(・∀・ )「冒険者ギルドにも異動ってあるんだ」
ξ*゜⊿゜)ξ「西ゼリヤ王国の冒険者ギルドは利用者が少なくなったから、他の事務員で対応可能と判断されたらしいですわ」
(゜、゜*)「人件費削減ね」
ξ*T⊿T)ξ「世知辛いですわ……あっちは仕事も少なくて楽だったのに。帝都は経済の中心で冒険者も沢山集まるから毎日激務ですわ。もうサボれませんわ」
(’A` )「サボんな」
ξ*゜⊿゜)ξ「まっ受付嬢としての仕事はちゃんとやりますわ!」
ξ*゜⊿゜)ξ「アナタ達の話を聞く限り、"火山島マグダ・マリマ"までの旅費を稼ぎたい、とのことでしたわね!?」
(ФωФ )「はい!」
ξ*゜⊿゜)ξ「でしたら発注されたてほやほやの良いクエストがありますわーっ!」
ξ*゜⊿゜)ξ「なんと!クエストを受けてくれたら"火山島マグダ・マリマ"までの旅費は全額依頼者さんが負担してくれますわーっ!!」
(ФωФ;)「えっ!?」
(’A` )「都合が良すぎんだろ」
(゜、゜*)「裏しかないわね」
ξ*゜⊿゜)ξ「依頼者さん、いらっしゃーいッ!!」
从*゜∀从「おっ早かったね!アンタらかい?アタシと一緒に"火山島の秘宝"を探してくれる奴らは!」
ξ*゜⊿゜)ξ「海賊船"ジョリー号"の女船長さんですわ!」
(’A`;)「海賊船っ!?」
(^ω^;)「海賊ってクエストで討伐対象になる側じゃないの?」
ξ*゜⊿゜)ξ「最初に言いましたわ!冒険者ギルドはいわば"モンスター専門家派遣業"!人間の海賊は対象外ですわ!」
(’A`;)「ま、まぁそう言わると、そうなのか?」
(゜、゜*)「そもそも海賊の取り締まりなんて国がやることよね」
(・∀・ )「たしかに……!」
从*゜∀从「はっはっは。それにアタシの船はマルク帝国から認可を受けた私掠船!合法海賊だよ!」
(ФωФ )「合法なら問題ありませんね!」
(^ω^ )「いうほど問題ないか?」
(’A` )「合法って単語に、もはや合法感ないよな」
144 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/08(火) 18:00:00.00 ID:1399336
【魔城パンデモニウム 第13会議室】
(゜-゜川「間者からの情報によると……勇者共は"絶海の火山島マグダ・マリマ"の【炎の天使神殿】に向かうそうだ」
( ゜∀゜)「天使神殿?参拝でもするのか?信心深いな」
(゜-゜川「いや、なんでも大天使に力をもらいに行くとかなんとか」
(;゜∀゜)「はぁ?なんだそりゃ、そんなの預言書のどこにも書いてねぇぞ?」
(´<_` )「くくく……古い預言書の記述でも頼ったか」
(゜-゜川「古い預言書?」
(´<_` )「現在の聖アガメマス教会による"正統な編纂"が行われる前に書かれた預言書や古文書の類だ。中身の真偽は保証されていないが……もしかしたら、とんでもない掘り出し物があるかもな」
( ゜∀゜)「へぇ~なるほどね。勇者は一山当てようとしてるわけか。嫌いじゃないな」
(゜-゜川「しかし真偽不明とは言え、むざむざと勇者に力を得るチャンスを与えるほど我々は傲慢ではない」
(゜-゜川「ここは先んじて"マグダ・マリマ"に赴き、勇者達を討つ!」
从*゜ワ゜从「はいはーい!その作戦、私に任せてもらっていーい!?」
(゜-゜川「ガッデム……部下の失敗の尻拭いか?」
从*゜ワ゜从「違ーう!勇者達はラクシズで親衛隊を倒したでしょ!?」
(゜-゜川「ああ。無様にな」
从*゜ワ゜从「ということは、アイツら絶対に親衛隊のことも私のことも『あれ?これくらいの強さなら、今の俺等でも倒せるんじゃね?』って思ってるはず!」
从*゜ワ゜从「その油断の隙を叩くッ!!!」
( ゜∀゜)「……かっかっか!プライドの問題とか、つまらねぇことを言うかと思えば!さすがは獣王、獣の理を知ってやがる!」
(゜-゜川「良いだろう、獣王ガッデム。刺し違えてでも殺して来い」
从*゜ワ゜从「おっけー。ちなみになんだけど、ひとつ質問いい?」
(゜-゜川「なんだ?」
从*゜ワ゜从「なんで今頃になって勇者の動向を把握しだしたの?遅くない?」
(´<_` )「くくく……"ヨイノマの巫女"の縁切りの法術と言えば、お前も分かるだろう?」
从*゜-゜从「!!」
从*゜ワ゜从「……ふーん。あのババァ、まだ生きてたんだ……」