表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/137

勇者達が帝都を訪れたようです

134 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/06(日) 18:00:00.00 ID:1399336



【帝都ドナド 玉座の間】



(,゜∀゜)「おおっ!勇者達よ!よくぞ参られた!」



(,゜∀゜)「我はマルク帝国の第13代マルク皇帝である!」



 新しい国を訪れたら長に謁見。これは勇者の作法である。



(,゜∀゜)「諸君の活躍には期待しているぞ!」



(,゜∀゜)「さぁ、皆の者!音楽と共に勇者の来訪を祝おうではないか!」



(,゜∀゜)「帝国楽団よ、国家斉奏!」



(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*

(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*

(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*

(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*

(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*

(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*(゜ー゜*



 世界最大の帝国皇帝が勇者来訪を祝して呼び出したオーケストラは、総勢200名のマンモス楽団!



(*゜ー゜)つ/



 鶴の一声で玉座の前に整然と並んだ楽団員達は、満を持して登壇した指揮者の合図で、帝国国家の合奏を始めた。



タッタラララ♪タッタラララ♪タッタラララ♪タンタータラララン♪


ラタッタラララ♪ラタッタラララ♪タッタラララ♪タンタータラララン♪タララララララン♪


タッタラララ♪タッタラララ♪タッタラララ♪タンタータラララン♪タンターンタンターンタンターンタラララン♪タンターンラタンタンターン♪


タンターンタンターンタンターンタンターン↑♪タラランターラーンタターン♪



 それはなんとも清々しく、夏の終わりのように涼しげで、そして万人にノスタルジーを抱かせる名曲であった。





(^ω^;)(Esc(雑学ショート動画)ort(で流れてる奴)……ッ!)



 (’A`;)(始めてフルで聴いたぜ……ッ!)



(・∀・;)(俺達以外にも転移者が来てんのか……!?)



(-、-*)(改めて聴くといい曲ね)





135 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/06(日) 18:00:00.00 ID:1399336



【聖アガメマス教会 ドナド総本山】



(ФωФ )「お久しぶりです、祭司様!」



| ´ω`|「おおっ(かすがい)ではないか。いやはや、ドナドまで来るとは」



| ´ω`|「そちらが、四勇者様ですかな」



(^ω^ )「どもども」



 (’A` )「あ、これお土産です。ラクシズ銘菓の大学芋スティック」



| ´ω`|「おお、ありがとう。これはお茶が欲しくなるね」



 (’A` )「冷めて固くなってパッキパキになってます」



( ^ω^)「おいおい。冷めた芋は美味しくないってフライドポテトが証明してんだろ」



( ^ω^)「こんなモンはお土産にふさわしくないんじゃないか?」



 (’A` )「いや、冷めても美味しいって店員さん言ってたし」



( ^ω^)「ホントか?」



(^ω^ )「すみません、一口頂きますね」



| ´ω`|「え?あ、はい」



(^ω^ )「どれどれ……」



(^ω^ )「ッ!!?」



(^ω^ )「芋けんぴだコレッ!!」



(^ω^ )「芋けんぴと大学芋って何が違ぇんだよッ!!」



| ´ω`|「なにやってんの?」



(・∀・ )「茶番です」



(゜、゜*)「彼が、修道女ちゃんの言っていた"高弟様"?」



(ФωФ )「あ、いえ!高弟様は教会の長老で、いちばん預言書に詳しいお方です」



| ´ω`|「高弟様に会いに来たのか。なにか指針を得たいことでも?」



(ФωФ;)「はい。それがですね……」



 修道女は勇者達がより強くなりたいと願っていること、そして四大天使に会うことで力が授けられるのでないかという推察を話した。



| ´ω`|「ふむ。四勇者様が向上心に満ちているのは良きかな」



|;´ω`|「しかし四大天使様ですか……たしかに、あの方々は強大な力を持ってはおりますが、果たして話を聞いてくれるかどうか」



(・∀・ )「やっぱり土産(いけにえ)とか必要ですか?」



| ´ω`|「ああいや。というのも四大天使様は女神様の侍従であって、私達人間の守護者ではないのです」



| ´ω`|「ですから四大天使様に人間が祈ったり願ったりしたところで、加護や恩恵などは受けられないというのが教会の一般的な考えです」



(^ω^ )「@道化師、分かりやすくして」



(・∀・ )「てめぇで考えろ」



(ФωФ;)「やはり、大天使様を頼るのは無理ですか」



 (’A` )「でも一般的ってコトは違う考え方もあるんだろ?」



|;´ω`|「えぇ、まぁ」



(ФωФ )「!」



|;´ω`|「……ですが、それはギリギリ異端ではないくらいの学説。私が勇者様に説いて良いものではありません」



(^ω^ )「いいじゃん、減るもんじゃないし」



(・∀・ )「異端が増えたら困るんだよね」



| ´ω`|「なので、ここは高弟様に判断して頂く」



 (’A` )「結局、その高弟様って人に会うのか」



|´ω` |「ついて来なさい。高弟様は奥の神殿で祈祷中だ」



(・∀・ )「ついに長老とご対面か……」



(゜、゜*)「いったい、どういう人なのかしら」





136 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/06(日) 18:00:00.00 ID:1399336



【ドナド総本山 神殿】



(.゜∀゜)「ここまでご足労でした勇者様。聖アガメマス教会"高弟"のドナドと申します」



(゜、゜*)「あれ?あなたどこかで……」



(^ω^;)「っていうか皇帝(・・)じゃね?」



(・∀・;)「あ、そうだ皇帝じゃん!」



 (’A` )「どうして皇帝がここに?」



(.゜∀゜)「はっはっは。皇帝マルクは私の双子(・・)の兄ですぞ。驚きましたかな?」



(^ω^ )「はぇ~~双子かぁ。そりゃ同じ顔なワケだ」



| ´ω`|「ちなみに泣きぼくろが丸い方が高弟様です」



(゜、゜*)「兄が皇帝で、弟が教会のトップ……ロイヤルねぇ」



(・∀・ )「帝国体制は盤石ですねぇ」



(.゜∀゜)「ははは。私は王宮から逃げてきただけですよ。権謀術数なんてのはゴメンでしてね」



(.゜∀゜)「さて、話は祭司から聞きました。大天使様のお力添えを頂く方法はないか、とのことでしたな」



(ФωФ )「はい!」



(.゜∀゜)「……古い預言書にいくつか記述されているのみですが、たしかに『天使様の神殿に直接参詣し、その加護を授かった』という伝説があります」



(^ω^ )「お参りするだけで?楽勝じゃん!」



(.゜∀゜)「それが、そうでもないんですよ」



(.゜∀゜)「天使神殿があるのは全て深山幽谷、天涯地角の彼方というべき場所にありましてですね」



(^ω^ )「@道化師、深山幽谷 意味教えて」



(・∀・ )「めっちゃ遠い」



(^ω^ )「なんでそんな所に神殿建てちゃったの?」



(.゜∀゜)「預言書には次のように理由が記されています」



(.゜∀゜)「『女神は、その御身から側仕えとなる四大天使を生んだ。ワンオペがキツかったからである』」



 (’A` )「女神様もワンオペって辛いんだな」



(・∀・ )「作業員を増やす(物理)」



(.゜∀゜)「『幾ばくかの試用期間の後、四大天使がリモートワークを望んだのもあり、女神は彼らに御祝儀として住居兼事務所として神殿を与えることとした』」



(゜、゜*)「女神様太っ腹ね」



(.゜∀゜)「『女神は訊ねた―希望する地はあるか?―と』」



(.゜∀゜)「『天使曰く―なるべく閑静な場所に住みたい―と』」



(^ω^ )「閑静すぎんだろ」



(.゜∀゜)「そして四大天使それぞれに神殿が建てられました」



(ФωФ;)「そ、その神殿は何処にあるのでしょう?」



(.゜∀゜)「ふむ。場所を訊くということは、やはり神殿に向かうつもりですか。しかし……」



(.゜∀゜)「それは大変な旅になるでしょう。そのご覚悟はおありですか?」



(ФωФ )「はい!」



(.゜∀゜)「ならば、良いでしょう」



(ФωФ*)「ありがとうございます!」



|´ω`;|「皇帝様、許可しても良いのですか?古い預言書に関しては教義として認めるか否か、議論中でございます」



(.゜∀゜)「構わん。頭の固い神学者に任せて、彼らはいったい何年議論を交わし続けるつもりだ?ここはいっそ、勇者様にその目で真偽を確かめてもらった方が良いだろう」



|´ω` |「なるほど。勇者様に実証して頂くと。それはよい考えですな」



(.゜∀゜)「それに古い預言書が認められれば……ゴニョゴニョ」



|´ω` |「ふむ。たしかにフィオレ学派は盤石に……ゴニョゴニョ」




(^ω^ )「なんか俺等の知らん話も進んでるし」



(゜、゜*)「結局、権謀術数の中に身を置いてるのよ」



(.゜∀゜)「……さて、勇者様!そして(かすがい)の修道女よ!」



(.゜∀゜)「貴方がたの向かう四つの天使神殿は、次の通り!」



(.゜∀゜)「ひとつ!【炎の天使神殿】が存在するのは、サイクロン群生地!南海洋を越えた先、"絶海の火山島マグダ・マリマ"!」



(.゜∀゜)「ふたつ!【風の天使神殿】を訪れるには、極寒極北!天に届かんとする巨壁"イテーツク山脈"を登頂せねばなるまい!」



(.゜∀゜)「みっつ!【水の天使神殿】の扉は東の海の奥深く、"マラック海溝"の海底遺跡の謎を攻略せねば開かぬと聞く!」



(.゜∀゜)「そして最後に【土の天使神殿】!西方の大樹海"ウッソー原生林"の最奥に根付く大樹の梢に建っている!」



(.゜∀゜)「どこも先ほど言ったように、深山幽谷の果ての果て……人外魔境の最奥にある!神殿に辿り着くだけでも困難ゆえ、最高の修業とも言えよう!」



(.゜∀゜)「さぁ、いざ征かん!」



 (’A` )「……あれ、俺達の意思表示は?」



( ^ω^)「行く流れだけど『行く』とは言ってないよな」



(ФωФ*)「僕が立て替えておきました!」



(・∀・ )「善意の人権弾圧」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ