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救済ッ!九麗城寨 その④

127 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/03(木) 18:00:00.00 ID:1399336



九麗(クーライ)城寨(じょうさい) 最上階】



(,,゜┏゜)ちぃぃーーーーんッッッ!



(・∀・;)「まさか敵のボスが戦う前に殺されるとは……」



( 十AФ)「なにかやっちゃったか?」



(^ω^ )「やっちゃったというか殺ったというか」



 (’A` )「中途加入のお助けキャラってかなりステータス高いからな」



(ФωФ;)「どうやってここまで来たんですか?」



( 十AФ)「壁を登った」



(・∀・;)「俺達の苦労はなんだったんだ……」



( 十AФ)「いや、君達やスラムの協力者達がコイツの部下やガッデム親衛隊を引き付けてくれたおかげで、アジトが手薄になったんだ」



( 十AФ)「無駄なことは一つもなかった。全てが勝利に必要だったんだ」



(・∀・;)「そうかもしれないけどさ」



(゜、゜*)「いいじゃない。どんな方法だって勝てばいいのよ」



 どこから手に入れたのか謎の資料を読みながら、盗賊が道化師を宥める。



 (’A` )「そうそう。なにはともあれ、これでログマジア・ファミリーは壊滅。市長からの依頼は達成だな」



(゜、゜*)「……いや、それは違うわね」



(;^ω^)「なんかあったか?」



(゜、゜*)「こういうのは"敵"を潰しただけじゃ駄目なの。"膿"も取り除かないと」



(゜、゜*)「という訳で、私はちょっと抜けるわ。こっちの後始末は頼んだわね」



(;ФωФ)「え、どこに?」



(゜、゜*)「お掃除よ」





128 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/03(木) 18:00:00.00 ID:1399336



九麗(クーライ)城寨(じょうさい) 最上階】



( ^ω^)「姐さん行っちゃったよ」



( 十AФ)「まぁ、彼女なりの考えがあってのことだろう」



 (’A` )「つーか後始末って、ここで何か他にすることあったっけ?」



( ФωФ)「職人さんですよ!騙されてログマジア・ファミリーに入ってしまった職人さんを救出しないと、コボルトさん達が故郷に戻れません!」



 (’A`;)「あ、そうだった。敵を倒せば全部解決だと思ってたわ」



( ^ω^)「つっても、ここに来るまで敵しか見てないけどな」



(・∀・ )「どこかに幽閉されてたり、いつぞやみたいに強制労働させられてたり、するんじゃない?」



( 十AФ)「うむ。そう考えて、仲間のコボルト達に職人の捜索を手伝ってもらっている」



( ^ω^)「じゃあ俺達も探しに行くか」



(,, ┏ )「……ふふっ……くふふふ」



(,,゜┏゜)「愚かな者達ですよ……職人など居るはずがないでしょう」



(ФωФ;)「わぁっ!し、死体が!」



(十AФ;)「……っ!違う、コイツはまだ生きている!」



(,,゜┏゜)「ふふ、私はガッデム様に力の一部を授けられた者……生命力には自身がありましてね……首を跳ねられても死にません」



(・∀・ )「へぇ。それより職人がいないってどういうこと?」



 (;’A`)「適応力やべぇなお前」



(,,゜┏゜)「職人達は既に魔王城へと移送しました。こちらで抱えていても仕方ありませんしね」



(ФωФ;)「魔王城!」



( ^ω^)「やっぱ魔王って城に住んでんだな」



 ( ’A`)「いつも雷雨が降ってんだろうな」



(・∀・ )「職人たちを集めているのは魔王の指図?」



(,,゜┏゜)「さぁ?我々はガッデム様からお願いされたに過ぎません」



(,,゜┏゜)「ま、知っていても話しませんが」



(・∀・ )「じゃあガッデムから、どうして職人を集めてるか理由は聞いた?」



(,,゜┏゜)「さぁ?知っていても話しませんが」



(・∀・ )「なにも話す気ないなら最初から喋り出すなやクソが」



 (;’A`)「いきなりキレんな」



(^ω^ )「まぁまぁ。こういうのは話を聞き出すテクニックがあんだよ」



(^ω^ )「っつー訳で今から右手小指の爪から順に剥いでいくから、話す気になったら、いつでも話してね?」



 ( ’A`)「どこで覚えたんだよ」



(^ω^ )「え?日本」



 ( ’A`)「……」



(,,゜┏゜)「ふふふ、そんなチャチな拷問など効きませんよ。それに私が今、喋っているのは、あなた達に情報を渡す為ではありません」



(十AФ )「それはどういう……」



 赤毛の戦士は眉をひそめた。なぜ目の前の男は、時間稼ぎのような真似をしているのだろうか。奇襲を狙っている?いや、手足の骨と頚椎を粉砕した。まともに動くことはできまい。



 (’A` )「……」



 (’A`;)「っ!」



 異変に気がついたのは魔法使いだった。理由は単純、アジト内に存在する魔力の不自然な流れを読めたのが、魔法を専門とする彼だけだったからである。



 (’A`;)「皆っ!そいつから離れろッ!!」



( ・∀・)「!!」(^ω^ )



( 十AФ)「!!」(ФωФ )



 (’A`;)「こいつ、"自爆"する気だッ!!」



(^ω^;)「なにぃッ!?」



(,, ┏ )「ふふふ」



 (’A`;)「"脳裏の納屋に棲む父よ、原風景を織る母よ……"」



 魔法使いの呪文詠唱。それは敵への攻撃ではないッ!強固な防壁により、爆発威力を軽減するためッ!



(,,゜┏゜)「全て道連れにしてやりますよ!」



 鋭い光が首領の身体を覆い潰し、溢れていく。それは彼を爆心地とする、強大なエネルギーの拡散の前触れ。



(,,゜┏゜)「ガッデム様に栄光あれぇぇッッ!」



 (’A`;)「"……壁立せよ"!『防護魔法:嚮壁虚造(キョウヘキキョゾウ)』ッ!!」



 閃光、衝撃、轟音……連続する波が九麗(クーライ)城寨(じょうさい)を襲うッ!!




(゜Д♯;)「……ハッ!今の爆発はッ!」



(^Д♯)「きっと我らが勇者様が大技を繰り出し、"心の敵"を滅したのだッ!」



(゜Д♯)「流石、勇者様ァァッ!この戦い、最早我らの勝利ッ!!」



(゜Д♯)「という訳で皆、城寨(じょうさい)から逃げ出せッ!崩壊するぞッ!」



「うぉぉぉぉぉッ!」「動けぬ者は担いでやれッ!」「うわぁぁ!上から鉄骨がッ!」

「それくらい砕けッ!」「ここは俺に任せて先に行けぇぇッ!」「おらぁぁ!」

「ログマジアの奴らはどうします?」「助けるに決まっておろうがッ!」

「勇者様万歳ィィィィッ!」「女神様万歳ィィィィッ!」

(゜Д♯*(゜Д♯*(゜Д♯*(゜Д♯*(゜Д♯*(゜Д♯*





129 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/03(木) 18:00:00.00 ID:1399336



九麗(クーライ)城寨(じょうさい)(崩壊)】



 「…………」



 「……………………」



 (’A`;)「ぷはっ!あー……やっと外に出られた」



(^ω^;)「クソっ、なんだアイツ、いきなり自爆しやがって!」



(^ω^;)「される側の気持ち考えろよ!」



( ・∀・)「考えるワケないんだよね」



 瓦礫の間から顔を出す勇者達。すんでのところで魔法使いが"自爆する敵の周囲に"バリアを張り、爆発の衝撃を抑えたのであった。それでも九麗(クーライ)城寨(じょうさい)の半分以上が瓦礫と化してしまったのだが。



(;ФωФ)「しかし……僕達を道連れに自爆とは、恐ろしいですね」



( ・∀・)「ああ。最後にガッデムの名前も叫んでいたし、正気とは思えないな」



(^ω^ )「あーいうのを狂信者って言うのかね」



( ・∀・)「怖い怖い」



 (’A` )「お前らが言うなや」





129 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/03(木) 18:00:00.00 ID:1399336



【蒸気都市ラクシズ 市庁舎】



(;ラハ`)「ひっ……ひぃ!なんですか、この写真はっ!」



(゜、゜*)「なにって、アナタもよく知ってるでしょ?ラジク議員とビルカ議員よ」



(゜、゜*)「彼ら、ログマジアと深い繋がりがあったみたいでね。こっちで"処理"しておいたわ」



(;ラハ`)「いや、たしかに彼らには怪しい噂はありましたが、こういうのは司法で解決しないと……」



(゜、゜*)「無駄よ。聞いたでしょ?ログマジアのボスが九麗(クーライ)城寨(じょうさい)もろとも自爆したって……物的証拠は消されちゃったの」



(゜、゜*)「自白なら録音してあるけど、こういう奴らは、どうせ警察も金の力で抱き込んで、自分の罪を有耶無耶にするのよ。だからね、ここで秘密裏に処理しとくのが一番」



(;ラハ`)「むむぅ……」



(゜、゜*)「ま、"勇者"がやったと言えばいいわ。ホントの事だし、アナタにとっても都合が良いでしょ?」



(;ラハ`)「……まぁ、全て勇者殿に任せきりというのも悪い。警察長には私から話を通しておきます。ただ、一つ気がかりがあります」



(;ラハ`)「メイナー議員という、ログマジアと特に親密な関係にあった男が居たのですが、彼は……?」



(゜、゜*)「逃げたわ」



(;ラハ`)「え?」



(゜、゜*)「自宅も事務所ももぬけの殻。今頃、蒸気機関車(エクスプレス)で車窓を眺めながら一杯やってるでしょうね」



(;ラハ`)「な……あ……」



(;ラハ`)「なんですとぉぉぉぉッ!?」



 こうして、九麗(クーライ)城寨(じょうさい)での戦いは一旦、幕を閉じた。しかし、まだまだ事後処理は沢山残っている。勇者達がそれに付き合わされることになるは、また別の話……



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