救済ッ!九麗城寨 その②
【登場人物紹介】
( ^ω^)【戦士】:レスラー体型の勇者。自在に大剣を操れるようになってきた。
( ’A`)【魔法使い】:ヒョロガリ勇者。炎魔法が得意になってきた。
(゜、゜*)【盗賊】:スタイルグンバツ勇者。戦闘技術は日本にいた頃とさほど変わってない。
( ・∀・)【道化師】:イケメンハイスペ勇者。異世界に来てから腹筋が6つに割れた。
( ФωФ)【修道女】:勇者を導く僕っ娘。回復魔法の効果が増した。首が飛んでも3秒以内に魔法を使えばセーフ。
( 十AФ)【赤毛の戦士】:コボルトにて最強。その爪は鉄をチーズのように裂く。
(,,゜-゜)【ボス】:ログマジア・ファミリーのボス。獣王ガッデムに心酔している。
(■Д■ )【したっぱ】:サングラスはマフィアの証。度入りタイプ。
120 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/01(火) 18:00:00.00 ID:1399336
【九麗城寨 最上階】
(■Д■;)「すみません、頭目!地上4階まで、反逆者の奴らに占拠されちまいましたッ!」
(,,゜-゜)「そうですか……」
(,,゜-゜)「まったく、人間は使えませんね。たった数百人の寡勢に寄って集って敗走するとは」
(■Д■;)「申し訳ありませんッ!」
(,,゜-゜)「でも、もう問題ありません」
(,,゜-゜)「"彼ら"に出撃を頼みましたから」
(■Д■;)「"彼ら"……?」
(,,゜-゜)「ふふ、"獣王ガッデム"様から借り受けた、獣王直属戦闘部隊……」
(,,゜-゜)「またの名を"ガッデム親衛隊"ッ!!」
(■Д■;)(そのまんまじゃん)
(,,゜-゜)「魔王四天王が精鋭をして、九麗城寨が陥落するなどありえません!」
121 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/01(火) 18:00:00.00 ID:1399336
【九麗城寨】
( ロДロ)「敵襲ぅーーッ!!」
( グO´)「であえであえーーッ!!」
( マΔ`)「殺せーーー!!」
九麗城寨の最上階、ログマジア・ファミリーのアジトを目指す勇者達。何百ものギャングを相手に、勇者達がとった作戦は……
(’A` )「"骨肉貪り血汗啜る、悟りに身を焼く行者の輪廻"……」
(’A` )「『蒸熱魔法:熱波』ッ!!」
(;ロДロ)「熱っちぃ!!」
老師から伝授された魔法で、魔法使いが百数十度の熱波を敵に浴びせ……
(;マO´)「目が開けれね……ッ!」
(^ω^#)「オラァッ!!」
(;マO゜)「たわばッ!!!」
熱に身もだえるギャングを、戦士が大剣の大振りで切り捨て……
(^O^;)(真正面からじゃ倒せねぇ……ここは背後から……ッ!)
(゜、゜*)「バレバレよ」
(゜O゜;)「あぴゃっ」
奇襲を狙う奴らを見抜き、盗賊が逐次対処し……
( ФωФ)「回復します!回復!回復!」
修道女が回復魔法で常にパーティのコンディションを万全に整え……
( ・∀・)「これ俺いる?」
道化師が自身の存在意義を考える……すなわち勇者の作戦とは、作戦とは名ばかりの正面制圧──蹂躙であるッ!
(;マΔ`)「なっなんて奴らだっ!何者だ!」
下っ端ギャングの喚きが城寨にこだまする。ギャングと言えども所詮は武装した一般人。勇者達のように、騎士団精鋭に混じって心身を鍛える事も、熟練の古強者の下で技術を研くこともしていない。力の差は歴然であった。
ギャングの蹂躙もたけなわ、勇者達はいよいよ城寨の最上階へ達しようとしていた。しかし最上階へ続く階段前に、強大な敵が立ちはだかるッ!
ミ ´皿`彡「おっと、進撃もそこまでだ。勇者様方」
ミ ´皿`彡「貴様らを城に連れてこいと、ガッデム様からお達しだ」
ミ `∀´彡「痛い思いしたくねぇなら、大人しく捕まりな」
ミ ・∀・彡「ケケケ……そしたら、お前らが唆した"聖戦士"達を殺すのは止めてやるよ」
それは、かつて勇者がこの世界に召喚された折、初めて戦った魔族──人狼族だった。その巨躯、その爪、そのオーラ……彼らが、これまでのギャングとはレベルが違う事は明らかだった。
(^ω^ )「こいつらが、"ガッデム親衛隊"……ッ!」
(゜、゜*)「情報屋の情報通りね」
ミ ´皿`彡「俺達の事を知ってくれてるなら話は早えな。分かってんだろ?お前らのレベルじゃ、俺達には勝てねぇ」
(^ω^#)「やってみなきゃ分かんねぇだろ!」
ミ ´皿`彡「ふん。これを見ても同じことが言えるかな?」
(^ω^ )「……」
(^ω^-)「ッ!」
突如、戦士の頬が割れ、血が噴き出すッ!
(ФωФ;)「なにっ」
ミ ´皿`彡「かかか、バカは経験しないと分からねぇって言うだろ?」
それは、魔法でも射撃でもない。単純なヒット・アンド・アウェイ。人狼は床を蹴り、瞬く間に勇者達へ迫ると、戦士の頬を軽く爪で撫ぜ、そのままバックステップで元の場所に戻った……ただ、それだけのこと……それだけのことをコンマ数秒で行ったのだッ!
(^ω^-)「なるほど……これがお前らの実力か」
ミ ´皿`彡「そうだ。身の程を知ったか?」
(^ω^-)「ああ。分かったよ」
ミ ´皿`彡「……?」
ミ-゜皿`彡「ッッッ!!」
(^ω^-)「お前らが口ほどにもねぇってことがなッ!!」
人狼の頬も裂けるッ!戦士のカウンターが決まったッ!
ミ-゜皿`彡「ちぃッ!お前ら、殺す気でかかれッ!!」
122 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/04/01(火) 18:00:00.00 ID:1399336
【九麗城寨】
(゜Д♯;)「がはぁっ!」
ミ ゜∀゜彡「たいした頑丈さだが、所詮は人間!人狼の敵じゃねぇな!」
(゜Д♯;)「くそぉっ!ログマジア・ファミリーの奴らが魔王と繋がっているとは!」
ミ ゜∀゜彡「かっかっか!人間共を内側から腐らせ、利益を貪る……こんなにいい商売は他にねぇからな!」
ミ ゜∀゜彡「お前らスラムのクズ共も、魔王様の為によく働いてくれたぜ。褒めて遣わす!!」
(゜Д♯;)「っ!」
ミ -∀-彡「だが、最早ここでの商売も潮時みてぇだな。まぁいい、人材は既に出荷済み」
(゜Д♯;)「なんのことだ……」
ミ ゜∀゜彡「独り言聞いてんじゃねぇ!死ねぇっ!」
(゜Д♯;)「理不尽すぎるッ!」
迫りくる人狼に聖戦士は死を覚悟するッ!
(>Д♯;)「ッ!」
(-Д♯;)「……」
(゜Д♯;)「あれ、生きて、る?」
(゜Д♯;)「!!」
ミ ゜┏゜彡「ぐふっ!」
しかし、彼は見た!目の前で心臓を貫かれる人狼を!
ミ;゜┏゜彡「き、貴様」
ギラリと光る爪で聖戦士を裂こうとした直前、背後からの一突き!獣人の硬い皮膚を徒手で貫けるのは、同じ獣人の爪牙のみッ!
これほどの技を持つ者とはッ!
ミ;゜┏゜彡「あ……"赤毛の戦士"!何故、ここに?」
( 十AФ)「悪徳訪問販売の業者にクレームをな」
ミ;゜┏゜彡「かっ……かかか。コボルトも過去を忘れ、魔王様に楯突くか」
ミ;゜┏゜彡「”ネコ野郎”共、め……」
人狼の巨躯が沈む。
( 十AФ)「ふん、私はネコではない」
(゜Д♯;)「コ、コボルト……味方なのか?」
( 十AФ)「ああ、私はラクシズ市民、君の仲間だ」