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勇者達は蒸気都市に来たようです その③

【登場人物紹介】


( ^ω^)【戦士(ウォリアー)】:レスラー体型の勇者。高いところが好き。バカなので。


 ( ’A`)【魔法使い(ウィザード)】:ヒョロガリ勇者。展望台はそこに到着した瞬間がピークなので、実質エレベーターの昇り降りに展望料金を払っている。


(゜、゜*)【盗賊(シーフ)】:スタイルグンバツ勇者。鉄塔を東京タワーと勘違いしている子供を見るとほっこりする。


( ・∀・)【道化師(クラウン)】:イケメンハイスペ勇者。タワマンの1階に住んでた。


( ФωФ)【修道女】:勇者を導く僕っ娘。怒ると高く跳ぶ。


( 十AФ)【赤毛の戦士】:コボルトにて最強。高いところが好きだが、バカではないと主張している。


102 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/27(木) 18:00:00.00 ID:1399336



【蒸気都市ラクシズ タービンタワー(50F・展望エリア)】



(;^ω^)「はぁ……はぁ……疲れた」



 (’A`;)「なんで待ち合わせ場所がタワーの頂上なんだよ」



(;ФωФ)「盗賊さんの指示ですし、理由はあると思いますが」



(;・∀・)「こんだけ高いならさ……搭載()けようよ、エレベーター!」



 コボルトを同族が働く工場に送り届けた後、勇者達は盗賊からの指示でタービンタワーを登っていた。そして、そこには勇者達の他にもう一人、"赤毛の戦士"の姿もあった。



(゜、゜*)「遅かったわね」



 (;’A`)「階段がキチぃの」



(゜、゜*)「あら。後ろの方は、コボルト?」



( 十AФ)「"赤毛の戦士"と呼んでくれ。同族が世話になったな」



(゜、゜*)「わざわざお礼しに来てくれたの?律儀ねぇ」



( ・∀・)「いや、この人は……」



( 十AФ)「私は、貴方達と共に"ログマジア・ファミリー"と戦いたいが為に来た。是非、協力させて欲しい」



( ー∀ー)「……とのことです」



(゜、゜*)「へぇ。それは何故?」



( 十AФ)「故郷を救ってもらった恩返し……では納得できんのだろうな」



(゜、゜*)「恩返ししたいなら、あの子達と故郷に帰ることね」



(゜、゜*)「これから私達は"ログマジア・ファミリー"を潰す。その過程で死ぬ可能性はゼロじゃないんだから」



( 十AФ)「ふむ。ならば答えよう。私が闘争を望む理由を」



( 十AФ)「まずは……ここからラクシズを見てくれ」



 勇者達はガラス張りになった部分から、黄昏の街を見下ろした。しかし……



(ФωФ )「タワーの影に隠れて真っ暗ですね」



(^ω^ )「もう殆ど夜だしな。何にも見えん」



( 十AФ)「そう。今のラクシズは夜になれば暗く、静まり返った街となる……女神が負ける前は、こうではなかった」



( ^ω^)「そうなの?」



( 十AФ)「ああ。街は夜でも華やかに輝き、人々は活気に満ち溢れていた」



( 十AФ)「出稼ぎとして働いていただけの私だが、それでも数年間暮らしていると、街に愛着が沸くというもの」



( 十AФ)「そんな、かつての街を取り戻したいという理由じゃあダメか」



(゜、゜*)「ふむ」



(゜、゜*)「良いわね。パッションを感じるわ」



( ・∀・)「よく分からん加点きた」



(゜、゜*)「それで?他にもあるんでしょ?」



( 十AФ)「うむ。もう一つの理由……それは」



(#十AФ)「何度も何度も私に勧誘を仕掛けてくる"ログマジア・ファミリー"に腹が立ってしょうがないからだ!」



(#十AФ)「魔王の下にはつかないと言っているのに、毎回毎回……ッ!」



(・∀・ )「しつこい営業は嫌われるからね」



(#十AФ)「しかも彼奴ら、私がそろそろ寝ようかなと思ってるタイミングでインターホンを押しやがるのだッ!」



 (’A` )「夜中に訪問営業とかマジ止めて欲しいよな」



(゜、゜*)「対応しなきゃいいじゃない」



(#十AФ)「そしたら他のコボルトが目をつけられるかもしれないだろう!」



(#十AФ)「実際、直近で来たオオカミ野郎は"故郷のコボルトは支配した"とか言っていた……嘘をついた罰に牙を引っこ抜いてやったわ!」



(ФωФ;)「実際には嘘じゃなかったですけどね」



(#十AФ)「私は証拠が無ければ信じぬ!」



(#十AФ)「そして、彼奴らが本当に故郷に手を出したと知った今……最早怒りは抑えられん!」



(#十AФ)「八つ裂きにしてくれるわッ!」邪ッッッ!



(゜、゜*)「その言葉が聞きたかった……ッ」



( ・∀・)「そんなことある?」



( ・∀・)「これから味方になろうって人が使っていい単語じゃないよ。"八つ裂き"って」



(゜、゜*)「怒りは純粋無垢で一直線なエネルギーよ。怒りの炎が燃える限り、彼は戦いを止めることはない。いい戦力になるわ」



( ^ω^)「なにかしらの監督みたいなコト言ってる」



(ФωФ;)「盗賊さんってこんな人でした?」



 ( ’A`)「多分仕事モード的なあれだろ」





103 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/27(木) 18:00:00.00 ID:1399336



【蒸気都市ラクシズ タービンタワー(50F・展望エリア)】



(゜、゜*)「前置きが長くなったけど、そろそろ"ログマジア・ファミリー"殲滅に向けての作戦会議に入るわよ」



( ^ω^)「はい先生。質問いいですか?」



(゜、゜*)「手短に」



( ^ω^)「なんでわざわざ、こんなところで作戦会議やるの?」



(゜、゜*)「それは……」



(・ω・´)「それは私がお願いしたからだッッッ!」



( ^ω^)「誰や」



(・ω・´)「私は"情報屋"ッ!裏社会の事情なら何でもござれ、業界ナンバーワンだったこともあるぞッ!」



(・ω・´)「諸君にタービンタワーを登ってもらったのは、盗聴の可能性を減らすためだ!ここは地上から離れすぎてるから並の盗聴や監視の魔法は射程外!」



( ・∀・)「まーた胡散臭い奴が来たよ」



(゜、゜*)「いや、こんなんでも結構腕はあるわよ。同じような職業だから分かるの」



( ^ω^)「へぇ~~」



( 十AФ)「どのような情報であれ、あればあるだけ良い。それを役立てるか不要かは、こちらで判断すればよいのだ」



(・ω・´)「おっコボルトの兄ちゃん、イイコト言うね!その通り、情報なんてあって困るモンじゃねぇ!」



(・ω・´)「標的のスケジュールや人間関係なんてのは序の口。健康診断の結果、服用してる常備薬の種類と数、好きなお茶の葉のブランド、一日のウンコ回数、50メートル走のベストタイム、幼い頃の夢!」



(・ω・´)「どんな些細な情報も、受け手によって金にも埃にもなるってもんだ!」



 ( ’A`)「なるほど。まぁ、アンタが仕事熱心だってことは分かった」



 ( ’A`)「それで、どんな情報があるんだ?」



(・ω・´)「そうだな……それじゃ初っ端は"ログマジア・ファミリー"のアジトからいこうかな」



(;ФωФ)「アジト……っ!いきなり、そんな重要情報を?」



( 十AФ)「……いや、"ログマジア・ファミリー"のアジトは別に重要な情報ではない。ラクシズに住む者なら、誰でも知っている」



(;ФωФ)「え……?」



( 十AФ)「もう一度、窓からラクシズの街を見てみるといい」



( 十AФ)「街の外れに、一際輝いている建物があるだろう?」



(^ω^ )「ほんとだ、ネオンの発色すげぇ!」



 勇者達が暗闇の海の中に見たものは、窓から無数の光を漏らし、側壁にしがみついたネオンサインがギラギラと妖しげな輝きを放つ、陸の孤島と化したビルだった。



 (’A` )「歌舞伎横丁みてぇだ!」



(・∀・ )「情緒もへったくれもねぇな」



(・ω・´)「そう!あの建物こそ"ログマジア・ファミリー"のアジト!」



(・ω・´)「構成員含め約2万人の貧民が居住するスラムであり、人間の欲望と陰謀が蠢く闇の城ッ!」



(・ω・´)「"九麗(クーライ)城寨(じょうさい)"だッッッ!」





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