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勇者達は蒸気都市に来たようです その①

【登場人物紹介】


( ^ω^)【戦士(ウォリアー)】:レスラー体型の勇者。好きな寿司はシーフードサラダ。


 ( ’A`)【魔法使い(ウィザード)】:ヒョロガリ勇者。好きな寿司はシーフードサラダ。


(゜、゜*)【盗賊(シーフ)】:スタイルグンバツ勇者。好きな寿司はシーフードサラダ。


( ・∀・)【道化師(クラウン)】:イケメンハイスペ勇者。好きな寿司はシーフードサラダ。


( ФωФ)【修道女】:勇者を導く僕っ娘。好きな寿司はシーフードサラダ。


( コ∀`)【コボルトA】:能天気なコボルト。好きな寿司はシーフードサラダ。


(´∀と )【コボルトB】:楽観的なコボルト。好きな寿司はシーフードサラダ。



97 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/25(火) 18:00:00.00 ID:1399336



【蒸気都市ラクシズ】



( ^ω^)「はるばる来たぜ、蒸気都市!」



 (*’A`)「うわすっげぇ……でっかいパイプライン、でっかい歯車、要塞みてぇな工場群に空を覆う蒸気と煤煙(すすけむり)……!」



 (*’A`)「そしてなによりでっけぇタワーッ!!」



(*・∀・)「スチームパンクは男のロマンだよね」



(゜、゜*)「またロマン?」



                ( ◎皿◎)



(・∀・*)「ああそうだ。見ろよ、ゴーグルのオッサンがでっけぇレンチ持ってやがる……ロマン感じるだろ?」



(゜、゜*)「感じないけど」



 ( ’A`)「じゃあ街の中央から伸びてる、巨大蒸気機関車(エクスプレス)のターミナルは?」



(゜、゜*)「汽車があるなら乗ればよかったって思ってる」



( ФωФ)「残念ですが西ゼリヤ王国方面は路線がありませんよ」



(゜、゜*)「あらそう……」



 ( ’A`)「とりあえずお土産屋さん寄っていいか?」



(゜、゜*)「なに買うのよ」



 ( ’A`)「俺もでっかいレンチ欲しい!」



( ・∀・)「俺ゴーグル!」



(゜、゜*)「工具店行ったら?」



(^ω^;)「木刀買う中学生みたいだな」



(;ФωФ)「とりあえず観光する前に市長さんに挨拶に行きましょう!」





98 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/25(火) 18:00:00.00 ID:1399336



【蒸気都市ラクシズ 市庁舎】



( ラハ`)「私が現ラクシズ市長、サダーフ=ラシードです。以後お見知りおきを」



( ラハ`)「ラクシズへようこそ、勇者様方。西ゼリヤ王国でのご活躍は聞き及んでおります」



( ラハ`)「なんと!苦境に陥ったラクシズに協力して頂けるとは……誠に感謝いたします」



( ラハ`)「ラクシズを襲う不況の原因……それは魔王です。魔王が東方のマイン大鉱山を支配したことで、ラクシズの中核である"タービンタワー"を動かす燃料が不足してしまったのです」



( ラハ`)「この街の工場は、"タービンタワー"が生み出す魔導エネルギーを使って動いています。燃料が不足すれば、当然生み出すエネルギー量も減少するので、中には稼働を停止してしまう工場も……」



( ラハ`)「いくつかの大きな工場が閉鎖したことで、多くの労働者は仕事を失い、街には失業者が溢れています。そしてお金を求めて非合法な仕事を働く者や、盗み、強盗などが増え、巡り巡って治安は悪化の一途を辿っています」



( ラハ`)「そこで、市はタービンタワーの燃料不足を解決する為、エネルギー転換を図ることに決定しました。マイン大鉱山を魔王の手から解放するのは現実的ではありませんからね。今使われている石炭を、"魔火石"という鉱石に変えることで対処しようと考えています」



( ラハ`)「"魔火石"は熱魔力を大量に宿した焼け石のようなものでして、重量単位で生み出す熱量こそ石炭には劣りますが、排ガスを出さない・リユース可能というクリーンエネルギーです。どちらにせよ、燃料を燃やして水を沸かし、その蒸気でタービンを回す。そして魔導機を通して魔導エネルギーを生み出す。このプロセスに変わりはありませんしね」



( ラハ`)「エネルギー転換政策は順調に進み、あと少しで稼働できるところまで来ました……しかし、ここへ来て、とてつもない障害が立ちはだかったのです!」



( ラハ`)「それは巨大犯罪組織(シンジケート)"ログマジア・ファミリー"!裏では魔王とも繋がっているとも噂される、闇深い連中です!」



( ラハ`)「彼奴らは不況のラクシズに勢力を拡大し、貧困層を食い物にしています。そんな奴らが、エネルギー転換を止めるようにと都市政府を脅してきたのです!」



( ラハ`)「断固反対の姿勢を貫ければよいのですが、市議会の中には彼らの息のかかった議員もいるようで、警察もなかなか思うようには動けないのです……」



( ラハ`)「そこで勇者様方にお願いしたいのは、"ログマジア・ファミリー"の壊滅!法で裁けない相手には武力の鉄槌を下すしかない!」



( ラハ`)「それにかかる費用は、領収書を持ってきて貰えれば全てこちらの方で経費として落としますので、何卒お願いします!」



( ラハ`)「……え、コボルトの出稼ぎ先?それは知りませんけど……いや、いくら市長でも工場の従業員なんていちいち把握してませんよ」



( ラハ`)「私の名前を出してもよいので、労働局の窓口に確認してみて下さい」



( ラハ`)「はい、それでは……はい。はい。それでは、はい。よろしくお願いしまーす」




99 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/25(火) 18:00:00.00 ID:1399336



【蒸気都市ラクシズ 炭火焼肉トラジョ苑】



( ^ω^)「全部経費で落ちるんで高級焼肉ランチに来ました」



( コ∀`)「炭火で焼いたバラ肉を白米と一緒に口に含む!くぅ~~っ、たまんねぇコボ!」



(´∀と )「真っ黒になるまで焦がしたホルモンと共にビールを呷る!これこそ至極ルト!」



(・∀・ )「文明生活を謳歌してやがる」



(゜、゜*)「お昼から酒飲んでんじゃないわよ」



(´∀と )「一杯だけなら酔わないルト!」



(・∀・ )「ダメな酒飲みの言い訳だ」



(・∀・ )「……」



( ・∀・)「すみませーん、ビールもう一本!」



 ( ’A`)「おい。ダメな酒飲み」



( ФωФ)「それで、この後はどう動きしましょうか?」



 ( ’A`)「うぅん……犯罪組織を潰せと言われても、どこから手を付けりゃいいんだ?」



(;ФωФ)「そうですよねぇ……まさか、こんな形での協力になるとは思ってもみませんでした。相手は巨大な組織みたいですから、僕達だけじゃ戦力不足も否めませんし」



(^ω^ )「西ゼリヤ王国の騎士団長に援軍でも相談しよか?」



(゜、゜*)「厳しいんじゃないかしら。来る途中に関所を通ったし、多分べつの国でしょ?」



 ( ’A`)「俺、トレジャーハンターの爺さんに色々魔法を教えてもらったから、条件さえ揃えば多勢を相手にできるぞ」



(ФωФ )「それは心強いです!」



( ・∀・)ゴクゴク……ゴク……「ぷはぁーっ!」



( ・∀・)「まぁ、なんにせよ情報収集だよ。"ログマジア・ファミリー"のアジトはどこか、首魁はどんな奴か、構成員はどれくらいか……知りすぎて困る情報はないね」



(゜、゜*)「それはまぁ、私がやっておくわ」



(^ω^ )「流石姉さん」



(゜、゜*)「アンタ達は、とりあえず……」



(*コ∀`)「くぅ~~っ!やっぱり新鮮なレバーは生に限るコボ!」



(´∀と*)「あ~~、テールスープがアルコール漬けの肝臓に沁みるルト!」



(゜、゜*)「この酔っ払いコボルトを保護者に突き出してきて頂戴」




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