表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/139

勇者達は修道女に導かれているようです その③

【登場人物紹介】


( ^ω^)【戦士(ウォリアー)】:レスラー体型の勇者。習い事はしたことがない。中学校は柔道部からの帰宅部。高校では部活に入っていない。


 ( ’A`)【魔法使い(ウィザード)】:ヒョロガリ勇者。公文式と習字の教室に通っていた。部活はソフトテニス。


(゜、゜*)【盗賊(シーフ)】:スタイルグンバツ勇者。ピアノ、ダンスを習っていた。部活はしていなかった。


( ・∀・)【道化師(クラウン)】:イケメンハイスペ勇者。硬式テニスの中学生チャンピオン。中3の時の表彰式で「遊びは中学まで」と宣言し、全テニス大会から出禁。


( ФωФ)【修道女】:勇者を導く僕っ娘。修道院では起床から睡眠までのスケジュールが殆ど決まっているので、特別な習い事はしていない。


( コ∀`)【コボルトA】:能天気なコボルト。村で一番シャグを巻くのが速い。


(´∀と )【コボルトB】:楽観的なコボルト。村で一番洗濯物の取り込みが速い。



92 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/23(日)18:30:00.00 ID:1399336



【アロスティ城下町 街はずれ】



( ^ω^)「それじゃあラクシズに向けて出発だぁーーっ!」



( コ∀`)「おーっ!」(´∀と )



(゜、゜*)「まさか馬車で移動するとはね」



( ФωФ)「冒険者ギルドからのご厚意らしいです!」



( ФωФ)「歩くよりずっと速いですし、よかったですね!」



 (’A`;)「まぁ、良いことには変わりないけど……御者がよ」



( ・∀・)「よし!みんな走行中はシートベルト着けてね!」



( ^ω^)「ねぇよンなもん」



 (’A`;)「……まさか道化師に馬術のスキルがあるとは」



( ・∀・)「大学に馬術サークルがあってね。一応部員だったんだ」



( ^ω^)「馬術サークルって何?」



 (’A` )「知らねぇ。俺の大学にはそんなものなかった」



(゜、゜*)「お金持ちの趣味ねぇ……」



( ・∀・)「まぁね。でも、そんな趣味がこんなところで役に立つとは思わなかったよ」



( ・∀・)「ハイヨーッ!」



 道化師が手綱を取り、いよいよ馬車が発進する。なだらかな丘陵地帯の街道をひた走り、小一時間も走るとアロスティの街はついに見えなくなった。





93 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/23(日)18:30:00.00 ID:1399336



【西ゼリヤ王国 東部丘陵】



( ФωФ)「この馬車の速度なら、4日もあればラクシズに着けるでしょうね」



 (’A` )「逆に4日かかるのか……」



(;^ω^)「4日間乗車しっぱなしはキツイな」



( ФωФ)「いえいえ、そんな事はありませんよ」



( ФωФ)「途中、カッカ山の峠を越えるので、そこだけは馬車から下りて徒歩移動です」



( ^ω^)「よりキツイだけなんだよ」



(゜、゜*)「ところで修道女ちゃん」



( ФωФ)「はーい?」



(゜、゜*)「これから行くラクシズってどんな街?」



( ФωФ)「えーっと、ラクシズは蒸気機関が発展していて、"蒸気都市"とも呼ばれています!」



 (’A` )「"蒸気都市"……スチームパンクか」



( ^ω^)「いいね、スチームパンク!そういうのも好きだぜ!」



( コ∀`)「ラクシズの真ん中には、でっかい蒸気機関"タービンタワー"があるコボ!そこで生み出されるエネルギーで街は回ってるんだコボ!」



( ФωФ)「あれ、コボルトさん行ったことあるんですか?」



( コ∀`)「帰省してきた兄ちゃんに聞いたコボ!」



(´∀と )「"タービンタワー"のおかげで、ラクシズには工場がいっぱいあって、仕事も沢山、給料もウハウハらしいルト!」



(´∀と )「だからアロスティよりもずっと遠いけど、ずっと稼げるから、ラクシズに出稼ぎに行ってるんだルト!」



( ^ω^)「はぇ~~どこの世界も同じだな」



( ФωФ)「……でも、ラクシズは今、結構大変みたいですよ?」



(´∀と;)「え、なにがルト?」



( ФωФ)「女神様が魔王に負けて……魔界に近かった国や都市は、どんどん魔王の支配下に置かれてしまいました。そうなると当然、そこから産まれていたお金や資源は、こちらに流れてこなくなります」



 (’A` )「まぁ、魔界で使われるよな。戦争してるんだし」



( ФωФ)「そうです。そして魔界に近い地域は、良質な魔石や石炭の産地……つまりは鉱山地帯だったのです」



(゜、゜*)「そりゃまた、戦利品にはうってつけの土地ね」



( コ∀`)「でも、魔界はここからずうっと遠いコボ!関係ないコボ!」



 (’A` )「いや、あるぞ。蒸気機関が何で動いてるか知ってるか?」



( コ∀`)「蒸気コボ!」



 (’A` )「その蒸気はどうやって出すんだ?」



( コ∀`)「水をグツグツ煮るコボ!」



 (’A` )「……水を煮るには何がいる?」



( コ∀`)「木とかゴミとか!」



 (’A` )「……石炭だよ。大規模な蒸気機関の場合はな」



(;ФωФ)「そう。石炭の産出量がガクッと下がってしまったんです。そして、その影響はとうとうラクシズへと波及しました。ラクシズの石炭消費量は、全世界の数%にも及ぶと言われていますからね」



( ^ω^)「数%って少なくない?」



 (’A`;)「世界に街や都市がいくつあると思ってんだ。バケモンだぞ」



(゜、゜*)「燃料がないと蒸気機関も動かないわね」



( ФωФ)「はい。ラクシズは空前の不況状態に陥っているんだそうです」



(´∀と;)「不況……仕事ないルト?」



( ^ω^)「いや、村に帰ってきてないってコトは、仕事自体はあるんじゃねぇか?給料は減ってるだろうけど」



(´∀と;)「世知辛いルト」



(;コ∀`)「兄ちゃん達、大丈夫かなぁ」



( ФωФ)「……」



( ФωФ)「そこで提案なんですが、コボルトさんを送り届けた後、僕達でラクシズの現状打破に協力しませんか?」



 (’A`;)「え?」



( ^ω^)「不況をどうにかするって、お偉いさんの仕事じゃねぇか?」



( ФωФ)「それはそうです。でも、あなた方は勇者なのです!」



(;コ∀`)「え、勇者?」



(´∀と;)「マジルト?」



(゜、゜*)「内緒よ?」



( ФωФ)「ラクシズの不況は全世界に影響を及ぼし、困る人を生み出します!それを食い止め、困っている人を救うのも勇者の使命の一つ!」



 (’A` )「ま~言わんとすることは分からんでもないが」



( ^ω^)「でも、俺達だけでどうにかできるかな?」



(゜、゜*)「う~ん……ラクシズの行政と協力できないと、どうしようもないけど」



( ФωФ)「そこは大丈夫です!僕達が勇者だと言えば首を縦に振ります!」



( ^ω^)「勇者のネームバリュー計り知れねぇな」



 (’A` )「肩書きが重すぎる」



(゜、゜*)「まぁ、良いんじゃない?結局、魔王を倒しても経済が破綻しちゃったら元も子もないんだし」



(゜、゜*)「それに、これも勇者としての修行みたいなモノじゃない……ねぇ、修道女ちゃん?」



( ФωФ)「あ、はい!そうです!修行です、新手の!」



 (’A` )「新手過ぎる」



(^ω^ )「まぁでも、シーフ姉さんが言うなら、いっちょ俺等もやりますか」



(*ФωФ)「ありがとうございます!」



(゜、゜*)「……でも、なにも馬車の中で言わなくても、もっと早く提案してくれても良かったのに」



(ФωФ;)「あはは……すみません、話してるうちに思いつきまして」



(ФωФ )「あ、"天啓"です!"天啓"!ビビッときました!」



 (’A`;)「便利な言葉だな……」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ