勇者達がサウナでリラックスするようです その②
【登場人物紹介】
( ^ω^)【戦士】:レスラー体型の勇者。H×Hの念の系統で言えば放出系。
( ’A`)【魔法使い】:ヒョロガリ勇者。念の系統で言えば放出系。
(゜、゜*)【盗賊】:スタイルグンバツ勇者。念の系統で言えば変化系。
( ・∀・)【道化師】:イケメンハイスペ勇者。念の系統で言えば操作系。
( ФωФ)【修道女】:勇者を導く僕っ娘。念の系統で言えば強化系。
(´W` )【トレジャーハンター】:元S級冒険者の老人。念の系統で言えば強化系。
84 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/20(木) 18:00:00.00 ID:1399336
【アロスティ城下町 公共浴場・内湯】
かぽーん……
(´W` )「ほうほう。魔法の上達が頭打ちになっていて、指導して欲しいと」
( ’A`)「はい。トレジャーハンターさんは熟練の冒険者だったようですし……それに、あの洞窟で唱えた魔法は、とても強力なものだと」
(´W` )「『獄炎魔法』か。たしかにアレは超高等魔法だったな」
(´W` )「しかし予め言っておくが、君が『獄炎魔法』を使えるとは限らんぞ?どれだけ魔導書を読み、どれだけ経験を積んでもな……」
( ’A`)「それは、どうしてですか?一応、火炎系の初等魔法は使えますけど」
(´W` )「初等魔法は才能がないか、魔力がないか、病気か。そのどれかに当てはまらなければ、魔導書を読んで使えるような魔法だ」
(´W` )「中等魔法になってくると、魔法使いとしての経験と知識が必要になってくるが、これも君ならいずれ幅広く使えるようになるだろう。高等魔法には才能が必要だ。そして超高等魔法となると、"個人の気質"が合わねばいかん」
( ・∀・)「個人の気質?」
(´W` )「あぁ。例えば『獄炎魔法』は、激情家だったり、執念深かったり……そういう性格でないと習得できない。あ、人間の場合だ。モンスターや獣人には当てはまらんぞ」
( ’A`)「へぇ~性格診断みたいなものですかね?」
(´W` )「現時点では概ねそんな理解でもいいだろう。魔法とは、魔力を個人の想像力で具体化させて、現実に表れる。そういうものだ」
(´W` )「性格や気質は、個人の想像性に多大な影響を及ぼしている。破壊的な気質は"炎"っぽい、冷酷な性格は"氷"っぽい、せっかちなら"風"っぽいだろ」
( ’A`)「なんとなく分かる気がしますね」
( ・∀・)「でも人の性格って多面的と言うか、破壊的な面もあれば優しい面もあったりしますよね?」
(´W` )「だから中等魔法までは、大抵の魔法使いは幅広い属性の魔法を習得できるのだ」
( ’A`)「その理屈でいうと、例えば冷酷で悪逆で『他の人ことなんてどうでもいい』なんて思ってる奴は、回復魔法は使えないってことですか?」
(´W` )「無論だ。自分の事しか頭にない者は、"他人に施しを与える"という行動を想像すらしないだろう?」
(´W` )「それと同様。人情家の氷魔法は少し温いし、淡白な人間の火炎魔法は火力が低い。頑固者の風魔法は直線的で避けやすい。飄々とした奴の放つ土魔法は柔らかい。全部、"個人の気質"の影響だ」
( ’A`)「ははぁ、少し理解できた気がします」
(´W` )「ほっほっほ。それはよかった。しかし、君はまだこんな自分の適性などを考える段階ではない」
(;’A`)「はは、まぁそうですよね。まずは中等魔法ですよね」
(´W` )「ああ。さて、話はもどるが魔法の指導だったか……」
(;’A`)「あ、はい」
(´W` )「いいよ」
(;’A`)「マジすか、あざす!」
85 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/20(木) 18:00:00.00 ID:1399336
【アロスティ城下町 公共浴場・内湯】
( ・∀・)「あの、自分にも指導つけてもらうことってできます?」
(´W` )「ん?君は、たしか道化師だったかな」
( ・∀・)「はい。俺も魔法を使うことが多いんで」
(´W` )「ふむ……」
(´W` )「申し訳ないが、それは断らせてもらいたい」
(;・∀・)「え?」
(´W`;)「理由はいくつかあるが、最大の理由は私の指導力だ。これまで他人に魔法を教えたことはないのでな。一人ならまだしも、2人同時に教えられる自信はない。君達に変な癖がつくのも困るだろう」
(;・∀・)「そう、ですか……」
(´W` )「ただ、冒険者の先人として助言させてもらうと……道化師には強力な魔法は必要ない」
( ・∀・)「!」
( ’A`)「そうなんすか?」
(´W` )「ああ。道化師の役割は敵の撹乱と盤外戦術。魔法は陽動やカウンターとしてピンポイントで運用するくらいで良い」
(´W` )「魔法に偏らず色々な武器を使えるようになること。そして、他の職業の戦い方を知ること。これが道化師にとって一番重要だと思う」
( ’A`)「道化師って何するか分からないけど、それが逆に長所になるのか」
(´W` )「そう。戦場をかき乱すトリックスター、それが道化師という職業だ。手数は多ければ多いほど良い。むしろ魔法に長けてしまうと、それ一辺倒になり、動きが単調になってしまう。それだと魔法使いと変わらないだろう?」
( ・∀・)「たしかに言われてみれば……そうかも?」
( ’A`)「じゃあ道化師は、この後どうすればいいっすかね?」
(´W` )「そうだなぁ……」
(´W` )「たしか、仲間の戦士が騎士団で世話になっているのだろう?まずは、そこに行ってみるといい」
(´W` )「剣や槍、鎚などの近接武器の使い方も教わることができるし、彼らの戦い方も知れる」
( ・∀・)「なるほど!じゃあ、早速行ってみます!」
(´W` )「うむ。頑張っての」
( ’A`)「……で、俺達はどうしますか?」
(´W` )「うむ、図書館に行こうと思うんだが。その前に……」
( ’A`)「……その前に?」
(´W` )「サウナ、もう2セットくらいしたい」
( ’A`)「お供しましょう」
86 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/20(木) 18:00:00.00 ID:1399336
【アロスティ城下町 騎士団訓練場】
( ゜Дメ)「戦士に話は聞いた!君も騎士団に入りたいようだな!」
(・∀・ )「入りたくはないです。体験入部的なノリを希望してます」
( ゜Д゜)「なるほど!それじゃあ騎士団お手軽体験コース!まずはグラウンド100周、腹筋100回、腕立て100回、スクワット100回!これを3セット!そこから乱取り稽古だ!」
(・∀・ )「メニューが重いよ」
( ゜Д。)「筋肉は虐めれば虐めるほど強く太くなるからな!筋肉イズパワー!パワーがあれば敵は叩き潰せる!ゆえに筋肉さえ鍛えればどんな敵にも勝てる!」
( ゜Д。)「これが騎士団、勝利の方程式!」
(・∀・ )「バカみてぇな公式だな」
( ^ω^)「文句言ってねぇで、さっさと走ってこいブタがっ!」
(・∀・ )「なんでテメェそっち側の顔してんだ」