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勇者達は飲み会をするそうです

【登場人物紹介】


( ^ω^)【戦士(ウォリアー)】:定時制高校卒。工業科。得意科目は麻雀。



 ( ’A`)【魔法使い(ウィザード)】:国立大学卒。社会学科。研究テーマは「日本文化としてのサウナ」。



(゜、゜*)【盗賊(シーフ)】:国立大学卒。教育学部(教員養成課程)。英語教諭になる予定だった。



( ・∀・)【道化師(クラウン)】:私立大学卒。哲学科。研究テーマは「フランス社会における仏教思想」。



( ФωФ)【修道女】:修道院で読み書き、習字、簡単な算術などを学んでいる。歌の時間が好き。

73 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/02/10(金) 21:00:00.00 ID:1399336



【アロスティ城下町 冒険者ギルド・ランクエス】



ξ ゜⊿゜)ξ「お疲れ様ですわ!アナタだけ引き止めちゃって悪いかしら」



(゜、゜*)「いえ。任務が任務だけに報告はきっちりしないとね」



(゜、゜*)「それに、今回の任務は私がリーダーだったし」



 コボルト救出クエストを達成した後、飲み会を開催することにした勇者達。しかし、盗賊だけは地下労働施設で敵から聴取した情報に関する打ち合わせが、ギルドの上層部との間で発生したため、ひとり冒険者ギルドで残業することとなっていた。



ξ ゜⊿゜)ξ「クエスト達成の打ち上げに飲みに行くんですわよね?羨ましいですわ!」



(゜、゜*)「あら、アナタも来る?」



ξ ゜⊿゜)ξ「嬉しいお誘いですが、冒険者ギルドの受付業務がまだまだ残ってますの!また別の機会にご一緒したいですわー!」



(゜、゜*)「そう……残念。アナタとは気が合いそうな気がするのに」



ξ*゜⊿゜)ξ「あらま。照れますわ!」



(゜、゜*)「それじゃ、またね」



ξ*゜⊿゜)ξ「いってらっしゃいませですわー!」





74 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/02/10(金) 21:00:00.00 ID:1399336



【アロスティ城下町 大衆酒場ザ・ミカイラ】



(゜、゜*)「ごめんごめん、遅れちゃった」



(*^ω^)「おっ!来た来た、お先に頂いてまーす!」



(*ФωФ)「お疲れ様でーす!」



 (’A`*)「おう、何飲むよ?」



( ・∀・)「上着預かるよ」



(゜、゜*)「ありがと。何飲むって、何があるのよ」



 (’A`*)「はいメニュー」



( ^ω^)「俺のオススメはフライドポテトだ!」



(゜、゜*)「なんで異世界にフライドポテトがあるのよ」



( ^ω^)「異世界にも油と芋くらいあるだろ」



(゜、゜*)「たしかに」



(゜、゜*)「じゃあまぁ……とりあえずビールとフライドポテトで」



( ^ω^)「俺もビールおかわり!」



(*ФωФ)「僕も!」



 (’A`*)「おっけー」



 (*’A`)「店員さーん!ビール3つとフライドポテト1つ、ラム串5本!」



 (*’A`)「あと芋焼酎をロックでお願いします!」



(゜、゜*)「なんで異世界に芋焼酎があんのよ」





75 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/02/10(金) 21:00:00.00 ID:1399336



【アロスティ城下町 大衆酒場ザ・ミカイラ】



(゜~゜*)「あら、たしかに美味しい。このポテト」



( ^ω^)「な!厚切りでホクホクしてて!」



 (*’A`)「ウェッジカットね。本場感あっていいよな」



(*ФωФ)「こちらのラム串も美味しいですよ!」



(゜、゜*)「うん……うん、いいわね。羊肉なんて久しぶり」



( ・∀・)「なかなか食べる機会ないよね」



 (’A`*)「俺は大学ん時、北海道旅行に行って以来だな~」



(^ω^ )「サイゼリヤで食べれるじゃん」



 (*’A`)「たまに行っても、いっつもドリアとかハンバーグ食べちゃうんだよ。中々新メニューを開拓しようと思わないっていうか」



(^ω^ )「まあ気持ちは分かる」



( ・∀・)「……そう言えばさ、皆地元ってどこ?」



(゜、゜*)「え、なに急に?」



( ・∀・)「思えば俺達、殆ど互いの昔のこと話さないな~って思って」



 (*’A`)「あ~……でもさ。戦士とか姉さんは嫌じゃない?日本の話をするの」



(^ω^ )「別に俺はなんとも思わないけど」



(゜、゜*)「私も……まぁ、仕事のコトを聞かれるのは()だけど」



 (’A`*)「あ、そうなの?ごめん、変に気を使っちゃってたわ」



( ・∀・)「そんな訳で、結構一緒に旅してきた訳だし、そろそろもう一歩踏み込んだ関係になってもいいかなって」



(^ω^ )「踏み込んだ?……私の体を狙ってるのね!?」



( ・∀・)「んな訳ねぇだろ」



(゜、゜*)「ま、親交を深めるのも悪くないわよね」



(*ФωФ)「私も、皆さんのこと知りたいです!」



(・∀・ )「それに君もね」



(゜、゜*)「というかアナタ、小さいのにお酒飲めるのね……」



(*ФωФ)「?」



( ^ω^)「さっき結構いける口だと発覚した」



( ・∀・)「未成年飲酒なんて概念はないらしい」



 (’A`*)「俺より飲めるんじゃねぇか?」



(゜、゜*)「アンタはアンタで顔、赤すぎよ。もうそんなに飲んだの?」



( ・∀・)「最初、すごい勢いでバカバカ飲んでたからね」



( ・∀・)「俺ももっと飲もうかな」



( ^ω^)「いいけど死ぬなよ」



( ・∀・)「死なないって!」



(゜、゜*)「一回死んだでしょ」





76 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/02/10(金) 21:00:00.00 ID:1399336



【アロスティ城下町 大衆酒場ザ・ミカイラ】



 (’A`;)「……え、お前哲学部なの?」



( ・∀・)「うん。意外だった?」



 (’A`;)「そりゃあ」



(゜、゜*)「経済か文学だと思った」



( ・∀・)「一応フランス文学はゼミで読んだよ」



 (’A`*)「しかし哲学部から広告代理店の営業かぁ……」



(゜、゜*)「関連性というか、導線が見えないわね」



( ・∀・)「文化系の学部なんか院進しない限り、学部と就職先に関係なんてないじゃん」



(・∀・;)「それより俺は魔法使いが文系なのが驚いたよ」



 (*’A`)「理系だと思ってたんだろ。よく言われんだよ」



(゜、゜*)「だってIT系でしょ?」



 (*’A`)「大学の情報系学部は文系でも入れるし、関係ねぇよ文理なんか」



 (*’A`)「システムエンジニアで大事なのはコミュニケーション能力と体力!」



(^ω^ )「どの仕事もそうだろ」



( ^ω^)「それより、姉さんが教員課程だったのが一番意外だわ」



(゜、゜*)「そう?」



( ^ω^)「スパイって大学行くんだ」



( ・∀・)「まぁ頭良くないと諜報とかできないでしょ」



 (*’A`)「高校、中学校、小学校どれ?」



(゜、゜*)「中学校の英語教諭ね。私、帰国子女だったから」



(^ω^*)「っか~~!聞きましたか奥さん!美人英語教師ですって!」



 (*’A`)「男子中学生大ハッスルだろオイ!」



( ・∀・)「っていうか帰国子女だったんだ。アメリカ?」



(゜、゜*)「ジャマイカ」



(;・∀・)「ジャマイカ!」





77 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/02/10(金) 21:00:00.00 ID:1399336



【アロスティ城下町 大衆酒場ザ・ミカイラ】



(゜、゜*)「というか、私が疑問なのはね。この異世界っていうの?異世界の社会ですっごい気になるのが一つね、あるのよ!」



( ・∀・)「なに?」



(゜、゜*)「技術が発展しすぎじゃない?」



(゜、゜*)「王政とか騎士団とか中世っぽいのに。電灯はあるし、上下水道は揃ってるし」



( ・∀・)「あ~……なるほどね。俺も気になってた」



( ・∀・)「ちょっとした考察があるんだけど、喋っていい?」



(゜、゜*)「どうぞ?」



 (*’A`)「おい、なんかコイツら難しそうな話しだしたぞ」



(^ω^*)「魔法使い麻雀ってやったことある?」



( ・∀・)「……で、恐らく技術発展の肝は魔法だね」



(゜、゜*)「うん。私もそれはそうだと思うわ。聞いた限りでも便利すぎるもの。道具もなしに火を点けたり、なんかバリア張ったり……」



( ・∀・)「そう。で、その魔法を使う……魔法使いは、どういう職に着いてる思う?」



(゜、゜*)「まぁ……イメージだと学者とか?」



 (*’A`)「冒険者!」



( ・∀・)「残念。受付嬢さんに聞いたんだけど、魔法使いの多くは職人(・・)なんだって。鍛冶屋、織物屋、薬屋、大工に革職人……印刷工も魔法使いだって」



(゜、゜*)「へぇ~印刷も?だから本屋に本が沢山並んでたのね」



(゜、゜*)「あ!職人が魔法使いだから、技術が発展してる訳ね!」



( ・∀・)「そう。でも、半分正解かな」



(゜、゜*)「なにそれ?全部一気に言いなさいよ」



( ・∀・)「その前にお酒のおかわりいい?」



(゜、゜*)「仕方ないわね」



(゜、゜*)「店員さん!ワイン2つ、ジョッキで!」



( ・∀・)「ジョッキで?」





78 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/02/10(金) 21:00:00.00 ID:1399336



【アロスティ城下町 大衆酒場ザ・ミカイラ】



(^ω^*)「……でだ。こうやって4面子1雀頭を揃えるのが麻雀の基本ね」



(*ФωФ)「へぇ~……面白そうな遊びですね!僕もやってみたいです!」



(^ω^*)「お?やるかぁ?俺は強ぇぞ。コイツらが大学の受験勉強してる間、麻雀打ってるからな」



 (*’A`)「俺だって研究室で麻雀ばっかしてたから強えぞ!」



(*ФωФ)「よく分かりませんが、どっちもダメな人な感じがします!」



 (*’A`)「正解!」(^ω^*)





79 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/02/10(金) 21:00:00.00 ID:1399336



【アロスティ城下町 大衆酒場ザ・ミカイラ】



(゜、゜*)「あ~、ワイン美味しいわね……本場だから?」



( ・∀・)「別にここヨーロッパじゃないよ」



(゜、゜*)「南米かもしれないじゃない」



( ・∀・)「地球じゃねぇんだよだから」



(゜、゜*)「……で、残りの正解は?」



( ・∀・)「あ、戻る?」



(゜、゜*)「当たり前じゃない。モヤモヤしてるんだからこっちは」



( ・∀・)「うんとね。じゃあ職人が魔法を使うことの一番のメリットってなんだと思う?」



(゜、゜*)「また質問?」



( ・∀・)「いいじゃん、ずっと話聞いてるよりは理解できると思うよ」



(゜、゜*)「あ~……なんだろ。わざわざ道具を使う必要がないとか?」



(゜、゜*)「鍛冶屋がどうやって魔法で鍛冶をするのか知らないけど……魔法が使えるなら、ハンマーは使わないでしょ」



( ・∀・)「すごい!正解!」



(゜、゜*)「っしゃ!ワインがメガジョッキになったりしない?」



( ・∀・)「そんなシステムはないよ」



( ・∀・)「もう少し単純な言葉で言うと、魔法は"効率"が凄まじいんだよ。大工ひとりでも、その身一つで数日のうちに家が建てられるとか言ってたかな」



(゜、゜*)「え、すご」



( ・∀・)「ね。魔法の力で職人が機械と同じくらいの働きをするんだ」



( ・∀・)「こうなると工場制機械工業は殆ど発展しない。ライン作業が恐ろしく非効率的なものになる。"製品を作る機械"なんて作る必要もない。魔法使い一人いればいいんだから」



( ・∀・)「だからこの世界の第二次産業は、家内工業か手工業くらいで生産方式がストップしてるんだ。地球だと大体、17世紀くらいのメインストリームかな?」



(゜、゜*)「へぇ~、だから前時代的だけど技術はあるんだ」



( ・∀・)「うん。考察だけどね」



(^ω^*)「あ、話終わった?」



(^ω^*)「今から雀荘行こうって話がこっち出てるんだけど」



( ・∀・)「異世界に雀荘があるワケねぇだろ」



 (*’A`)「雀荘・宿屋支店でございます!」



(^ω^*)「材料さえあれば、魔法使いが魔法でそれっぽい麻雀牌を作れるんだと!」



(゜、゜*)「ホント魔法って何でもアリね」



(゜、゜*)「私麻雀なんて打てないんだけど」



(*ФωФ)「僕も打てないので安心して下さい!」



(゜、゜*)「なにが安心できるのよ」



( ・∀・)「どうする?」



(゜、゜*)「んー……ちょっと飲み足りないわね」



(゜、゜*)「道化師、アンタまだイけるでしょ。もう一軒付き合いなさい」



(;・∀・)「え、なにどこ行くの?」



(゜、゜*)「よさげなバーを見つけたのよ」



(^ω^*)「え~……なに、来ないの?」



(゜、゜*)「後で行くわよ。準備にもたぶん時間かかるでしょ?」



 (*’A`)「まぁな。じゃあそれまで時間が開いたら三麻でもするか」



(ФωФ*)「なんですかそれ」



(^ω^*)「3人用の麻雀だよ。大丈夫、修道女ならすぐ覚えれる」



(ФωФ*)「あー……」



(ФωФ*)「よく分かんないけどたぶん大丈夫です!」



( ・∀・)「絶対大丈夫じゃない返事」



(゜、゜*)「水飲みなさい水」





80 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/02/10(金) 21:00:00.00 ID:1399336



【アロスティ城下町 大衆酒場ザ・ミカイラ】



(・∀・ )「んじゃ、また後で」



 (*’A`)「あーい……」



 (’A`*)「うし、じゃあ行くか。宅飲みみたいな感じで麻雀なんて大学生ぶりだ」



(^ω^*)「俺も渡米してから麻雀してねぇからな~~」



 (;’A`)「渡米してたの!?」



(^ω^*)「そりゃベーリング海のカニ漁はアラスカが本場よ」



(*ФωФ)「アラスカってどこですか?」



(^ω^*)「遠くて寒いところ」



(*ФωФ)「あ~……」



(*ФωФ)「僕の故郷に似てますね~」



(^ω^*)「あ、そうなんだ。北の方?」



(*ФωФ)「はい~」



 (*’A`)「じゃあ、冒険の途中で寄れるかもな」



(*ФωФ)「それはないです~もう無くなっちゃったんで~」



 (;’A`)「!」



(^ω^*)「……」



(^ω^*)「ま~俺も似たようなもんだ」



 (’A`;)「!?」



(*ФωФ)「そうですか?わ~お仲間~」



(^ω^*)「うぇーい仲間ー!」



 (;’A`)「……」



(ФωФ*)「あれ、魔法使いさん、どうしました?」



 (;’A`)「……」



 ( ’A`)「ちょっとメガジョッキでイッキしてくる」



(^ω^*)「飲み足りないなら普通にボトルで買えば?」




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