修道女は起きるようです
【登場人物紹介】
( ^ω^)【戦士】:レスラー体型の勇者。
( ’A`)【魔法使い】:ヒョロガリ勇者。
(゜、゜*)【盗賊】:スタイルグンバツ勇者。
( ・∀・)【道化師】:イケメンハイスペ勇者。
( ФωФ)【修道女】:勇者を導く僕っ娘。
687 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/09/07(日)18:00:00.00 ID:1399336
【聖アガメマス教会 地下祭殿】
(゜ー゜*)「はぁ?アンタ達が私の仕事を代わる?」
(゜ー゜*)「ただの人間がなにを言ってるのよ」
( ・∀・)「ええ。でも"伝説の勇者"でもあります」
( ・∀・)「というかマルク帝国の人達には、もう『形代の女神の代わりに国を守りまーす』って言っちゃってますし」
(゜ー゜*)「それはアンタ達が勝手に言っただけでしょ。私には関係ないわ」
( ・∀・)「人間達も、少女を"形代の女神"にするっていうシステムに、あんまり良い印象ありませんでしたし」
(゜ー゜;)「えっ嘘。人柱って名誉なことでしょ?」
( ・∀・)「っぱ時代っスかね」
( ’A`)「人権意識が高くなってんだよな、現代人は」
(゜ー゜;)「う~ん、信者の人達が止めた方がいいと思ってるのかぁ」
(゜ー゜;)「……にしてもアンタ達はホントにいいのかしら?」
(゜ー゜;)「私が完全に覚醒して"形代"ちゃんを起こしたら、私の夢……アンタ達の世界は消えちゃうって、天使から聞いてるでしょう?」
( ^ω^)「うん」
(゜ー゜*)「即答かよ」
(゜、゜*)「ずっと前に結論は出てるもの。なにも未練はないわ」
(゜ー゜*)「さすがに勇者だけあって、取捨選択が潔いわねぇ」
(゜ー゜*)「そして、勇者にそこまで想われてるなんて……当世の"形代"ちゃんも、女神として適任だったわけね」
(゜ー゜*)「あー……」
(゜ー゜;)「そこまで言われたら仕方ないわね!アンタ達が代わるって言っても、結局私も業務を教える為に働かないといけないじゃない!」
(゜ー゜;)「神様だって暇じゃないのよ?覚えることは沢山あるんだから!」
( ^ω^)「そ、それじゃあ……」
(゜ー゜*)「いいわよ、私も、神様をやってやろうじゃない!」
( ^ω^)「っざぁーーす!」
( ・∀・)「ありがとうございます!」
( ’A`)「……」
(゜、゜*)「あら、どうしたの魔法使い」
( ’A`)「女神様って、やっぱり神様だからさぁ。頼まれたら断れないタイプなんだろうなって」
( ’A`)「だから千年前も、色んな仕事を引き受けすぎて疲れちまったのかも」
(゜、゜*)「……まぁ、だとしても」
(゜、゜*)「今度はそうはならないわよ、私達もいるし」
688 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/09/07(日)18:00:00.00 ID:1399336
【聖アガメマス教会 地下祭殿】
(*゜ー゜)「それじゃあ覚醒の儀式を始めるわ」
(・∀・ )「お願いします」
(^ω^ )「というか、今ももう起きてるようなモンじゃん。覚醒ってなにすんだ?」
(*゜ー゜)「今の私はね、神の力の殆どを"形代"ちゃんに渡してる状態なのよ。言ってしまえばただの人ね」
(^ω^ )「へぇ」
(*゜ー゜)「だから、その神の力を元に戻す。そうすれば私は再び女神として覚醒して、"形代"になってた子は目を覚ますの」
(*゜ー゜)「又の名を"降臨祭"と呼ぶわ」
(^ω^ )「ふむふむ」
(・∀・ )「……ん?あれ、その名前、どこかで聞いたような」
(*゜ー゜)「ミュージック・スタァートッ!」
[天㊤皿㊤]<ぷぁ~~~~ぷぁぱぱぱ~~~~~~
(*゜ー゜)『東の空から日が昇る~~♪』
(・∀・;)「最後までこの曲かよ!」
(ー、ー*)「しかし、こう何度も聞くと味わい深い曲に思えてくるわね」
(’A` )「スルメ曲って奴だな」
(^ω^ )「中身は無いけどな」
(*゜ー゜)『東の空から夜が来る~~♪』
(*゜ー゜)『東の果てには何がある~~♪』
(*゜ー゜)『東の果てには神がいる~~♪』
(*゜ー゜)『あゝ我らのアガメマス~~♪』
(*゜ー゜)『然り我が名はアガメマス~~♪』
(*゜ー゜)「……あら?」
(ΘωΘ;)「う……うぅ……」
689 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/09/07(日)18:00:00.00 ID:1399336
(ΘωΘ;)「い、嫌です……起きたくありません……」
(;゜ー゜)「……困ったわねぇ」
(゜ー゜;)「ちょっと勇者達。この子、起きたくないって言って、女神の力を渡してくれないんだけど!」
(;^ω^)「なにィ!?」
(゜ー゜;)「この子が望んで"形代"になったなら、私はその役割を奪いたくないわ!」
(゜ー゜;)「私が女神に戻るのは、この子が役目を終えてからでも遅くはないでしょ?」
( ^ω^)「……大丈夫だ!夢見が良すぎて、起きたくないってグズってるだけだからな!」
(゜ー゜;)「はぁ?」
(゜、゜*)「修道女ちゃん、なんで起きたくないの!?」
(ΘωΘ;)「う……うぅ……」
(ΘωΘ;)「だって……起きても、僕は……独りだから……」
( ^ω^)「俺達がいるじゃねぇか!」
( ’A`)「そうだ、無駄に四人もいるぞ!」
( ・∀・)「実際ホントに無駄なんだよね」
(ΘωΘ;)「い、いや。まぁ、そうなんですけど、そういうことでもなくて」
(゜、゜*)「どういうコト?私達じゃダメなの?」
( ^ω^)「実は嫌いなのか?」
(ΘωΘ;)「そ、そんなコトはありません!勇者さん達は僕の大切な仲間です!」
(*^ω^)「へへへっ」(゜、゜*)
( ・∀・)「なに言わせてんだ」
(ΘωΘ;)「たしかに勇者さん達と一緒に旅をしてから、孤独を感じる時間は減りました」
(ΘωΘ*)「戦士さんは、いつもはだらしないけど、ここぞという時に頼りになるお兄さんみたいに思ってますし」
(*^ω^)「へへっ、お兄さんだってよ。俺一人っ子なのに」
( ’A`)「キメェ」
(ΘωΘ*)「魔法使いさんは、魔法も色々と教えてくれて、さり気なく気遣ってくれる、優しいお兄さんみたいに思ってますし」
(*’A`)「っそんな優しくしてたかなぁ?いやぁ無意識だから気づかなかったわぁ」
( ^ω^)「いとキモし」
(ΘωΘ*)「盗賊さんは、強くて頼りになって、そしていつも優しくしてくれるお姉さんのような人ですし!」
( ’A`)「おい、姐さん俺達の完全上位互換じゃねぇか」
(゜、゜*)「アンタらとは過ごしてきた時間が違うのよ」
( ^ω^)「いや同じだろ」
(゜、゜*)「違うわよ。宿の部屋とか男女別でしょ」
( ^ω^)「あぁ、それは確かに」
( ’A`)「旅先のホテルの部屋って一番友情が深まる空間だからな」
(*・∀・)「ねぇ修道女、俺は!?」
(ΘωΘ )「道化師さんは、親戚のお兄さんみたいな感じです」
( ・∀・)「なんで俺だけ微妙に遠いんだよ」
( ^ω^)「いいじゃん。俺好きだったぜ、親戚の兄ちゃん」
( ’A`)「小5くらいに一度だけ憧れるよな」
(ΘωΘ;)「……でも!それでも僕の心から孤独が消えることはありませんでした!」
(ΘωΘ;)「だって、この世界にはもう!僕の家族はいないから!」
( ^ω^)「いるよ」
(ΘωΘ )「えっ?」
( ・∀・)「お連れしてます」
690 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/09/07(日)18:00:00.00 ID:1399336
(*ФAФ)
( ーωー)
( ФДФ)
(*=ω=)
(ΘωΘ )「え……ウソ……夢?」
(*ФAФ)「久しぶり、大きくなったね」
(ΘωΘ;)「お母さんっ!?」
( ーωー)「お父さん、ミーと一緒にご飯を食べたいな」
(ΘωΘ;)「お父さんっ!?」
( ФДФ)「もうかくれんぼする歳じゃないけどさ、また遊びにいこうぜ」
(ΘωΘ;)「お兄ちゃんっ!?」
(*=ω=)「だからさ、早く起きてきなよ」
(*=ω=)「みんな、待ってるよ」
(ΘωΘ;)「……お姉ちゃんっ!」
691 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/09/07(日)18:00:00.00 ID:1399336
(*゜ー゜)「だって。どうする?"形代"ちゃん。起きたくないなら、私は構わないわよ、働きたくないし」
( ω *)「そんなの……決まってるじゃないですか」
(*゜ー゜)「……」
(´゜ー゜)「はぁ、忙しくなりそうねぇ……」
692 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/09/07(日)18:00:00.00 ID:1399336
(^ω^ )「……おっ」
(^ω^ )「やっと起きてきたかコノヤロ。おはよう」
(’A` )「おはよう」
(゜、゜*)「おはよう、修道女ちゃん」
(・∀・ )「ねぇなんで俺だけ親戚のお兄さんなの?」
|´ω` |「……おぉ、また会えて嬉しいぞ。よく頑張ったな……」
(ФAФ*)「おはようさん。今日の晩ごはん、なにか食べたいものある?」
(ーωー )「おはよう。おやおや、寝癖が大荒れだね」
(ФДФ )「ずっと寝てたみたいだけど、ちゃんと立てるか?」
(=ω=*)「おはよ、ミー」
(* ω )「……」
(*ФωФ)「おはようございます!」




