勇者達は女神の下へ向かうようです
【登場人物紹介】
( ^ω^)【戦士】:レスラー体型勇者。
( ’A`)【魔法使い】:ヒョロガリ勇者。
(゜、゜*)【盗賊】:スタイルグンバツ勇者。
( ・∀・)【道化師】:イケメンハイスペ勇者。
[㊤皿㊤天]【水の大天使】:四大天使のゴーレム。故障中。
(*ФAФ)【行商人】:行商のオバちゃん。修道女の母。
(ーωー )【旦那】:行商人の旦那さん。修道女の父。
( ФДФ)【息子】:行商人の長男。修道女の兄。
(*=ω=)【メイド】:受付嬢の専属メイド。修道女の姉。
682 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/09/04(木)18:00:00.00 ID:1399336
【聖アガメマス教会 ドナド総本山】
( ^ω^)「え~~長きに渡る遠回りも終わり、遂にこの時が来ました」
(゜、゜*)「女神を叩き起こして、修道女ちゃんを助けるのね」
( ・∀・)「うん。ご家族の皆さんも集まってくれてるよ」
《ご家族の皆さん》
(*ФAФ)「いやぁ~~おっきな神殿ねぇ」
(;ーωー)「お賽銭あったかな……」
( ФДФ)「ここにミーがいるのかぁ」
(*=ω=)「久しぶりに会えるといいね」
( ’A`)「……んだけど、ひとつ問題が残ってまして」
[天●皿●]「A problem has been detected and Golemeth has been shut down to prevent damageto your topics.REGISTRY_ERROR」
( ’A`)「女神の起こし方を知ってる水の天使がまだ起動しない」
(゜、゜*)「こう……叩いたら直らない?」
( ^ω^)「もうやった」
(・∀・ )「そんなことしてるから直らないんじゃ?」
683 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/09/04(木)18:00:00.00 ID:1399336
【聖アガメマス教会 ドナド総本山】
|´ω` |「おお……勇者様、お待ちしておりました」
( ^ω^)「あ、あなたはッ!」
( ^ω^)「……はじめまして?」
(;・∀・)「いや一度会ったことあるって、失礼だな」
( ’A`)「お土産に芋けんぴあげた人だよ」
|´ω` |「美味しく頂きましたよ、ありがとうございます」
(*^ω^)「あっ……すみません、へへっ」
( ^ω^)「……で、なんの人?」
(゜、゜*)「修道女ちゃんの上司よ」
|´ω`;|「ロナルド様から話は聞いております……この度は高弟様が大変なご迷惑をおかけしたようで……」
( ’A`)「ああ、まぁ過ぎたことはもういいですよ。後は裁判所に任せてますから」
(^ω^ )「そういや武王は今日来てないの?」
( ・∀・)「うん。皇帝即位の準備やらなんやらで、時間がないんだって」
(゜、゜*)「ま、修道女ちゃんに合わせる顔もないでしょ」
|´ω` |「……それでは案内します。"鎹"が祀られている場所へ」
(;・∀・)「あっいやぁ、その件なんですけど、実は水の天使が……」
するとその時、教会の屋根の向こうから、3つの影が勇者達の下に飛んできた。
(二ω二天)「やぁやぁやぁ!久しぶりね!」
( ・∀・)「あ、残りの大天使」
(一A一天)「遂にここまで来たようだな」
(´4`天)「お前達の苦労をずっと見てたぞ。本当によく頑張ったな?」
( ^ω^)「見てたんなら助けろや」
( ’A`)「全部終わった後に出てくる奴は人気でないぞ」
(一A一;天「まぁ勇者も皇帝も、どっちも女神様の信者だからさ。一方に肩入れするコトはできなかったんだよ」
(゜、゜*)「でも水の天使はガッツリ私達の側に居たけど?」
(´4`天)「だから女神様の神罰を受けたのだ」
(゜、゜;)「あぁ……」
(二ω二天)「でも私達が来たから、もう大丈夫!水の天使を直してあげるよ!」
(;’A`)「マジで?ありがてぇ!」
(;’A`)「……でも大丈夫か?ホントに直し方分かってんの?」
(二ω二天)「うん、ちゃんとマニュアルあるし」
(;・∀・)「イマイチ信頼がないなぁ」
(二ω二;天「なんでよ!」
( ^ω^)「実績がね……」
684 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/09/04(木)18:00:00.00 ID:1399336
【聖アガメマス教会 地下祭殿】
|´ω` |「この階段を下った先に、女神様を祀る地下祭殿がございます」
(;^ω^)「うわっ暗ッ!夜じゃん!」
(゜、゜;)「照明ないの?」
| ´ω`|「ええ、神殿は女神様の寝室ですから。眠る時には灯を消すでしょう?」
| ´ω`|「こちらの携帯ランプを渡しておきます。足元にお気をつけ下さい」
( ’A`)「できれば豆球があってほしかったなぁ」
( ・∀・)「炎の天使なら明かり灯せるんじゃない?」
(一A一;天「嫌だよ、女神様に怒られたくねぇし」
一歩一歩、暗闇の階段を下ってゆく勇者達。すると、彼らを先導する祭司が口を開いた。
| ´ω`|「……本当に申し訳ありませんでした」
( ^ω^)「ん?どうした、いきなり」
| ´ω`|「私は、修道女が"形代"となる意味を知っていながら、それを止めませんでした」
(゜、゜*)「部下の女の子ひとり生贄にしといて、今さら後悔?遅いんじゃない」
(;’A`)「おい盗賊、そんな言い方ねぇだろ」
(゜、゜*)「ふんっ」
| ´ω`|「いえ、彼女の言うことは尤もです。この事態も、私の愚かさが招いた結果なのです」
( ・∀・)「?……それは、どういうことですか」
| ´ω`|「……」
|´ω` |「勇者様は、"白夜"を知っていますか?」
( ^ω^)「うん」
|´ω`;|「あ、知ってる」
|´ω`;|「じゃあ、あの子が"白夜"の被害に遭ったことも……」
( ・∀・)「周知してます」
| ´ω`|「……それならば話が早い。実はあの子は、"白夜"の日に私が拾った孤児でしてね」
(*ФAФ)「えっ?」(゜、゜*)
| ´ω`|「当時、私は修行の為に天使神殿の巡礼を計画していましてな……先ず手始めに極北イテーツクを目指していた、その矢先の出来事でした。森の中で、家族を呼ぶあの子を見つけたのです」
| ´ω`|「始めは、ただの迷子かと思いましたが、すぐに異変に気が付きました……森の向こうから、火と血の臭いが漂ってきたからです。ああ、遂に魔王が攻めてきたのだと」
( ^ω^)「あ、いやそれは……」
(;’A`)「しっ!」
| ´ω`|「私は彼女を抱えて、フィオレの王都へと駆けました。彼女は、なにが起きたのか分からない様子でしたが……」
| ´ω`|「"白夜"をご存知でしたら、もう説明は不要でしょう。村は焼かれ、そこに住む人々は全員、亡くなってしまいました。つまり、あの子の家族も……」
| ´ω`|「私は彼女を修道院に入れ、育てることにしました。子育てなど初めてなので随分と苦労しましたが、彼女は素直な良い子に育ってくれました」
| ´ω`|「ただ、彼女は毎晩、毛布に包まって泣いていました。また家族に会いたいと、もはや叶わぬ夢を見て。ああ。私は、それが不憫で不憫で」
|;ーωー|「高弟様に"形代"の計画を聞かされたのは、その時です。『夢の中で家族にまた会えると、そして幸せに一生を過ごせる』……それを聞いた彼女は、喜んで"形代"になると」
|;´ω`|「私は、それを止められませんでした……いま思えば、何故あそこであの子を止めてやれなかったのか……」
( ・∀・)「あの、祭司さん祭司さん」
|´ω`;|「すみません、話が長くなってしまいました。なんでしょうか?」
( ・∀・)「修道女のご家族、生きてます」
|´ω`;|「えっ?」
( ・∀・)「というかここにいます」
|´ω`;|「えっ?」
(*ФAФ)「母です」
( ーωー)「父です」
( ФДФ)「兄です」
(*=ω=)「姉です」
|´ω` |「…………」
|´ω` |「夢?」
( ・∀・)「ところがどっこい」
|´ω` |「……」
(*ФAФ)「はじめまして、祭司さん。ミーの母です」
(*ФAФ)「まぁ込み入った話は沢山あるでしょうけど……」
(*ФAФ)「まずは。娘を助けて頂いて、ありがとうございます」
( ーωー)「貴方は恩人ですよ、私達にとっても」
|´ω` |「……」
|´ω` |「……ははっ」
|´ω`*|「ははは、こんなことってあるのですね!なんと、これこそ女神様の御加護だ!」
|*´ω`|「こんな幸せなら、早くあの子に伝えてあげねば!」
(;’A`)「あっ!ちょっと、こんな暗い所で焦ったら危ないぞ」
|;゜ω゜|「どぁ!」
魔法使いの注意も空しく、暗闇の階段を急いで駆け下りようとした祭司は、足を踏み外してしまった。階段には手すりなどついておらず、転んでしまえば大怪我は免れないだろう。
(゜、゜;)「んっ」
しかし、すんでの所で盗賊が手を伸ばし、祭司の腕を掴んだ。
|;´ω`|「……はぁ、はぁ……すみません。ありがとうございます」
(゜、゜;)「まったく。自分の年齢考えなさいよ」
(゜、゜*)「貴方だって修道女ちゃんにとっては大切な人なのよ?死んだりしたら悲しむじゃない」
|;´ω`|「あ、あぁ」
(゜、゜*)「というか階段を降りるのが遅いわ。先に行ってるわよ」
(゜、゜*)「~~♪」
闇中の行動は慣れているのだろう。盗賊は軽い身のこなしで、飛ぶように階段を駆け下りていった……。
|;´ω`|「……」
|´ω`;|「……なんか急に態度が変わったのだけど、あの方は?」
( ^ω^)「修道女の狂信者」
( ・∀・)「たぶん今一番気持ちが逸ってる人」
( ’A`)「アイツだけ修道女に対する距離感がなんかおかしいんだよな」




