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勇者達がカチコミをかけるようです その③

【登場人物紹介】


( ^ω^)【戦士(ウォリアー)】:レスラー体型の勇者。好きなおにぎりの具はツナマヨ。これ考えたヤツ天才。


 ( ’A`)【魔法使い(ウィザード)】:ヒョロガリ勇者。好きなおにぎりの具はツナマヨ。これ考えた人マジで仕事できると思う。


(゜、゜*)【盗賊(シーフ)】:スタイルグンバツ勇者。好きなおにぎりの具はツナマヨ。何度自作しても求めていた味にならない。そういうところも好き。


( ・∀・)【道化師(クラウン)】:イケメンハイスペ勇者。チーズおかか。


( ФωФ)【修道女】:勇者を導く僕っ娘。好きなおにぎりの具はツナマヨ。唯一無二、天下無双。


62 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/15(土) 18:00:00.00 ID:1399336



【カッカ山 地下労働施設】



──戦士と道化師がタヌキ達と鬼ごっこを繰り広げている間に、他の勇者はコボルトを労働から解放することに成功していた……。



 (’A` )「……よし、これでコボルトは全員集まったか?」



( コ∀`)「はいコボ!助けてくれてありがとうコボ!」



(ФωФ )「困ってる人は見捨てられませんよ!」



(゜、゜*)「……まだ助かったワケじゃないわ。ここから脱出しないと」



ミ#●Д●彡「おいっ!お前ら、こんなコトをして親分が黙っちゃいねぇぞ!」



 ふん縛られた看守タヌキが叫ぶ。



(゜、゜*)「でしょうね。でもその親分、今頃は騎士団に黙らせられてるんじゃない?」



ミ;●Д●彡「き、騎士団……だと……?」



 (’A` )「そうだ。もう観念しな」



ミ;●Д●彡「…………」



ミ ●Д●彡「…………くく」



ミ*●Д●彡「ハーッハッハッハ!!!」



(ФωФ;)「な、なにがおかしいんですか!?」



ミ*●Д●彡「親分が騎士団ごときに遅れをとるワケがねぇだろ!」



ミ*●Д●彡「今頃、全滅してんのは騎士団の方だッ!」



(゜、゜*)「……なんですって?」





63 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/15(土) 18:00:00.00 ID:1399336



【カッカ山ビジターセンター裏 荒れ地】



(゜Дメ;)「ぐぅぅッ!コイツ、強い……ッ!」



(゜Д゜;)「流石はA級賞金首……」



(゜Д。;)「残ってる騎士団は俺達だけだとッ!?」



 ビジターセンターに居座る狸影(タヌカゲ)を確保する為、ハンマーで扉を打ち破って突入した騎士団。戦っている内に、戦場はセンター屋内から裏手の荒れ地に変わっていた。



 それにつけても狸影(タヌカゲ)の強さよ、ビジターセンターに居たタヌキは彼ひとり。孤軍奮闘にもかかわらず、西ゼリヤ王国の騎士団精鋭部隊に互角以上の戦いを繰り広げていた!



ミ*●ω●彡「ブハハハハッ!ワシを誰だと思っとる!」



ミ*●ω●彡「"神隠し"の狸影(タヌカゲ)とはワシのことよッ!」



 狸影(タヌカゲ)はボロボロの騎士団長達を嘲笑いながら、素早く印を結ぶ。



ミ#●ω●彡「そうらッ!『風遁:カマイタチ』の術ッ!!」



 途端に無数の竜巻が現れ、辺りの木々を辻斬りながら騎士団を襲うッ!



(゜Д゜;)「ぐぬッ!?なぜだ!なぜ対抗魔法が効かないッ!?」



ミ#●ω●彡「ガハハッ!それが、ワシとお前らの実力差よッ!」



(゜Дメ;)「くそ……ッ!これまでか……ッ」



 騎士団、万事休す……ッ!



 誰もがそう思った、その時……ッ!



(^ω^;)「うおおおおッ!!」



(・∀・;)「どいてどいてッ!」




彡●Д●#ミ「待てぇぇッ!!」(●Д●#)

彡●□●#ミ「ゴルァァッ!!」ミ●W●#ミ

Ξ●Д●#Ξ「殺すぞォッ!!」ミ●∩●#彡

ミ●A●#彡「キェェェッ!!」ミ●皿●#彡



 伝説の勇者、颯爽と登場……ッ!



 流石、ヒーローは遅れてやってくるのだッ!



ミ;●ω●彡「お、おぉっ!?子分共、なんでこんなトコに!?」



 狸影(タヌカゲ)は子分に被害が及ぶのを恐れ、カマイタチの術を打ち切った。



ミ;●ω●彡「地下労働施設の中に()れといっただろ!」



彡●Д●#ミ「コイツらが俺達を馬鹿にしやがったんだ、親分っ!」



ミ;●ω●彡「なんだと!?それで、わしが魔法をかけた扉をあけてしもうたんか!?」



彡●Д●;ミ「す、すまねぇです」



ミ;●ω●彡「まったく……お前らはもう少しスルースキルを鍛えろ」



 狸影(タヌカゲ)、部下へお説教を開始……ッ!ここに僅かなスキが生まれたッ!



(;・∀・)「あれ?コレ、どういう状況?」



(^ω^;)「なんか強そうな狸一匹と……騎士団の皆さんが壊滅しているっ!」



(゜Дメ;)「き、君達はたしか、コボルト救出担当の冒険者か?何故ココへ?」



(゜Д。;)「あのタヌキ達は……?」



(;^ω^)「あ、え……えーと、その……」



(^ω^;)「ちょ、パス!」



( ・∀・)「はい。私達は陽動役と救出役の二手に分かれて活動を開始しました。私達2人がタヌキを引き付け、その間に救出役が排気ダクトから侵入、コボルトを地下施設から解放する手筈です。施設の出入り口には魔法が付与されており固く閉ざされていましたが、私達の作戦が功を奏し解錠に成功しました。しかし、その結果……まぁ、これは想定の範囲内ですが……施設内にいたタヌキに追われるハメになりました。ここに来たのは偶然です」



( ・∀・)「私達が多くのタヌキを引き付けたので、救出役は今頃施設からコボルトを解放させているでしょう」



(゜Д゜;)「なるほど。報告感謝する」



(゜Дメ;)「しかし、申し訳ない……こっちは任務失敗に限りなく近い状況だ……」



(^ω^;)「そんなに強いんスか?あのタヌキ」



ミ ●ω●彡



(゜Д。 )「あぁ。"忍法"とかいう魔法が厄介でな。技術体系が違うのか対抗魔法で打ち消すことができん」



(゜Дメ )「しかも身のこなしが素早く、こちらの技も当たらんのだ……ッ!」



(^ω^;)「まさしく忍者って感じだな」



(゜Д゜;)「それに何故か、こちらも普段の動きができん……能力減衰の魔法でも使われているんだろう」



(;・∀・)「デバフは厄介ですね……」



(;゜Д。)「だが、騎士団全員に対してそんなに魔法をかけられるのか?」



(゜Д゜;)「こういう場合に備えて、あらかじめ魔法陣を張ってあったんだろう」



( ゜Дメ)「悔しいが誘い出されてしまった訳だな」



(;・∀・)「なにか、状況を打破する糸口はありますか?」



( ^ω^)「俺達にできることなら、手伝うぞ!」



(゜Дメ )「ありがたい言葉だ。だが、騎士団長として俺から言えるのは……」



(゜Дメ )「"ここは俺達に任せて逃げろ"だ」



( ・∀・)「ッ!!」(^ω^ )



( ゜Д゜)「君達冒険者の任務は"コボルトの救出"だろう?そして、狸影(タヌカゲ)討伐は我々騎士団の領分だ」



( ゜Д゜)「君達は自身の役割を最後まで果たせ。まだ施設に仲間がいるかもしれないんだろう?そっちと連携をとるのが先だ」



(^ω^;)「で、でも……」



(゜Д。 )「俺達の事なら気にするな。伊達に鍛えてはいない」



(゜Дメ )「それに……君達にはここで死んでもらう訳にはいかんのだ。"勇者"諸君」



( ・∀・)「……知っていたんですか?」



(゜Дメ )「ああ。王様から下知を賜った。騎士団として"勇者"は守らねばならぬ存在だ」



( ^ω^)「!」



(^ω^ )「……分かった。道化師、行こう」



(;・∀・)「え?あ、うん。そうだね……」



(;・∀・)「……それじゃあ、騎士団の皆さん!お願いします!」



(゜Д。 )「おうっ!任せとけいっ!」



( ^ω^)「団長さん!一つ、いいっスか!」



(゜Дメ )「ん、なんだ?」



( ^ω^)「この任務が終わったら、稽古つけて下さいッ!」



(゜Дメ )「……」



( ゜Дメ)「……いいだろう。だが、厳しいぞ?」



( ^ω^)「あざす!」





64 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/15(土) 18:00:00.00 ID:1399336



【カッカ山 ビジターセンター】



(゜Дメ )「……行ったか」



(゜Д゜ )「報告も整然としていたし、聞き分けもいい。"勇者"は、いい冒険者として成長しているようだな」



(゜Дメ )「まぁな。聞き分けがいいかどうかは、分からんがな」



(゜Д゜ )「?」



(゜Д。 )「それより団長……どうやってアイツを攻略する?」



(゜Дメ )「ふむ……」



ミ;●ω●彡「まったく……おバカな子分を持つと大変だぜオイッ!」



彡●Д●;ミ「すいやせん……」



(゜Дメ )「はっはっは、気にすることはない!お前ら子分がバカなのは、頭がバカだからだ!」



ミ#●ω●彡「あぁッ!?テメェ、弱いクセにウチの奴らをバカにするのか?」



(゜Дメ )「なんだ、子分の為に怒るのか?ずいぶんと優しい親分だな」



ミ#●A●彡「分かってるじゃねぇかお前!」



ミ*●ω●彡「ガハハ、できの悪い子ほど可愛いって言うじゃねぇか!」



ミ;●ω●彡「……ってあれ?子分が追ってた2人は?」



(゜Д。 )「てめぇが長話してる間に逃がしたよ、バーカ」



ミ#●ω●彡「なにぃっ!お前ら、追え!」



ミ#●A●彡「おう!」



(゜Дメ )「いーや、行かせねぇよ!お前ら!」



(゜Д゜ )「はッ!」(゜Д。 )



 騎士団長の号令の意図を素早く察知した2人が、勇者を追おうとする子分タヌキの前に立ちはだかる!



ミ;●ω●彡「なっ!テメェらなにを!?」



(゜Дメ )「お前は子分愛が強そうみてぇだからな……利用させてもらうぜ!」



(゜Дメ )「子分を傷つけられたくなけりゃ、抵抗を止めろ!」



ミ#●ω●彡「ぐぬ……ッ!卑怯だぞッ!騎士道精神はどうした騎士道精神はッ!」



(゜Дメ#)「知らんなぁ……俺も随分と部下を痛めつけられてイライラしてんだ!」



ミ#●ω●彡「貴様ぁ……ッ!姑息な真似を……」



(゜Дメ )(しかし狸影(タヌカゲ)が本気になれば、こんな拮抗状態はすぐに崩れるだろうな……)



(゜Дメ )(……さて、どうしたもんかね)



──ギリギリの状況で狸影(タヌカゲ)の足止めに成功した騎士団長ッ!しかし、依然として状況は圧倒的に不利ッ!



──勇者よ、この状況をどう切り抜けるッ!?

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