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選帝会議 その⑨

【選帝会議出席者紹介】

(゜∀゜,)【マルク帝国 第13代マルク皇帝】

(゜∀゜.)【聖アガメマス教会高弟 ドナド】

(゜∀゜ )【次代皇帝候補 ロナルド】

(・ハ・王)【西ゼリヤ国王 ミラノフ=ウリアード一等侯】

( ^⊿^)【フィオレ国王 フィオレ=イシュ一等侯】

(´∀`王)【ハッシュ国王 ハッシュ=ポート一等侯】

(・E・ )【東部諸侯議会代表 マキャリテ二等侯】

(´L` )【立法長官 ツグマツ元老院長】

(-Дーイ)【行政長官 シャカ執政官】

(゜Д゜ム)【司法長官 シェイク法務官】

[━T━ ]【帝国軍総司令官 コンタレス将軍】

从*・⊿・从【獣人代表 ヨイノマの巫女】

( ●ハ●)【エルフ代表 マナグム長老】

( ^ω^)【戦士(ウォリアー)

 ( ’A`)【魔法使い(ウィザード)

(゜、゜*)【盗賊(シーフ)

( ・∀・)【道化師(クラウン)


657 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/08/27(水)18:00:00.00 ID:1399336



【帝都ドナド 帝国議事堂】



ミ ゜ω゜)「高弟ドナド!お前の言っていることは間違っている!」



(^ω^;)「ブルボンゴ君!!?」



(゜∀゜.)「ふん。どこの蛮族かは知りませんが、いまは大事な話し合いをしているのですよ。関係のない者は立ち去りなさい」



(´L`;)「警備兵、なにをしている!?」



(王´∀`)「……待ちたまえ、元老院長」



(王´∀`)「そこの君。その民族衣装はもしやチャリス島の者か?」



(゜ω゜ 彡「はい!ハッシュ王様」



(゜ω゜ 彡「大長老ゴゴルボンゴ様より"ウルバルスカ"に叙されましたブルボンゴと申します」



(゜ω゜ 彡「この度、友人である勇者を助ける為、チャリス島より馳せ参じた次第!」



(王´∀`)「おお……っ!遠路はるばるご苦労であったな!」



(・ハ・王)「知り合いか?ハッシュ殿」



(王´∀`)「いや、個人としては初だがな。彼の氏族は、有人島としては世界最南端の群島、シャゴモ・チャリス群島に住んでいるのだ」



(王´∀`)「そこも一応、我が国の領地でな……4年に一度、シャゴモ・チャリス群島では最強を決める祭りが開かれてな。そこで見事最強の称号"ウルバルスカ"を手にした者が、私の下に謁見しに来るという伝統があるのだ」



(・ハ・王)「ほう。その者が、彼という訳か」



(王´∀`)「ああ。ここまで来た理由は違うようだが」



(´L`;)「そ、それがなんだと言うのです?腕が立つかは知りませんが、辺境のいち部族の人間が、この帝国議事堂に乱入していい理由にはなりませんよ!」



(王´∀`)「……私が責任を持つ。発言を許してやってくれ」



(´L`;)「えっ!?」



(゜∀゜.)「どういうことです、ハッシュ殿。なぜその者の肩を持つのです?」



(王´∀`)「最強の戦士"ウルバルスカ"……それはハッシュ王国において副王と同等の地位を持つからだ」



(゜∀゜.;)「えっ?なんで?」



(王´∀`)「強いから」



(゜∀゜.;)「理由になってません!」



( ^ω^)「ブルボンゴ君、偉かったの?」



(゜ω゜ 彡「別にそんなコトない。実際はただの名誉職だ」





658 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/08/27(水)18:00:00.00 ID:1399336



【帝都ドナド 帝国議事堂】



(゜∀゜.)「……いいでしょう、分かりました。ハッシュ殿に免じて、その者の発言を認めます」



(゜∀゜.)「しかしハッシュ王。副王と言えど、会議に乱入してくる者の味方をするとは。どういうお考えですか」



(王´∀`)「いやなに。友ために海を越えて来た者が、その友の窮地を救おうとしているのだ。その行動を無下にするワケにはいかないだろう?」



(゜∀゜.)「?」



(王´∀`)「それに、先ほど彼は。ドナド殿下、貴方を"間違っている"と断言したのだ。気になるじゃないか、なにが間違っているのか」



(゜∀゜.)「……」



(´L`;)「え、えっと。では発言を許可します、ブルボン君」



ミ ゜ω゜)「ブルボンゴです」



ミ ゜ω゜)「……それでは皆様。主張に入る前に、まずは私の故郷についてひとつ、お話いたします」



(-Дーイ)「故郷?」



( ^⊿^)「それなら先ほどハッシュ殿から聞きましたよ。なんでも世界最南端の有人島の出身だとか」



ミ ゜ω゜)「ええ、その故郷の"信仰"の話です」



( ^⊿^)「信仰?」



ミ ゜ω゜)「我々ドドゴンボンゴ族と、隣の島のゴゴルオルブ族はともに、はるか昔よりマグダ・マリマの竜神様を信仰しているのです」



( ・∀・)「あぁ、あのマグマドラゴン」



 ( ’A`)「たしかにお供え物してたな」



(゜∀゜.)「……ん?」



(゜∀゜.;)「お待ち下さい。マグダ・マリマと言えば『炎の天使神殿』が建っている場所ではありませんか!そんな場所に竜神ですと?」



(゜∀ー.;)「あぁ~~……少しお待ち下さい、いま思い出しました。シャゴモ・チャリス群島といえば聖アガメマス教会の支部もあるではないですか!」



( ・∀・)「あるんだ」



(゜、゜*)「ホントに世界宗教ね」



(゜∀゜.;)「ということは、アナタ方の部族も聖アガメマス教徒ではないのですか!?」



ミ ゜ω゜)「教会にお参りすることもあるし、竜神様に祈ることもある」



(゜∀゜.;)「なんですかそのハイブリッド信仰は!ちゃんと"預言書"の作法に従いなさい!」



( ^ω^)「え、別に普通じゃね?お盆に墓参りして、クリスマスパーティーして、除夜の鐘撞いて、神社に初詣に行くようなもんだろ?」



( ・∀・)「それが異常なんだよ」





659 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/08/27(水)18:00:00.00 ID:1399336



【帝都ドナド 帝国議事堂】



(;^⊿^)「えー……ブルボンゴ殿。アナタが女神様ではなく竜神様を信仰していることは分かりました」



( ^⊿^)「しかし、それが一体、どのような話に繋がるのでしょうか?」



(゜∀゜.)「……えぇ、私のなにが間違っているか、是非聞きたいものですね」



ミ ゜ω゜)「はい。今からそれを実証しましょう」



(゜∀゜.)「実証?」



 腰蓑をまさぐり、黒曜石のナイフを取り出したブルボンゴ君。彼は、その切っ先を自身の左腕に押し当てると……



ミ#゜ω゜)「……ふんっ!」



 思いっ切りに上腕を切り裂いた!



(゜Д゜;ム「ひィッ!!き、君いきなり何を!?」



 ざっくりと開いた傷口から吹き出したドス黒い血が円卓に飛び散る!



ミ;゜ω゜)「ふぅ~~……ふぅ~~……この傷は本物ですよ」



(´L`;)「な、なにを当たり前のコトを!ド……ドナド様、申し訳ありませんが、緊急です!回復魔法を!」



(゜∀゜.;)「あぁ!君、大丈夫か!?」



ミ;゜ω゜)「いや……」



ミ;゜ω゜)「要らない……使える(・・・)……」



(゜∀゜.;)「……は?」



ミ;゜ω゜)「"回復魔法(・・・・)"!」




( ゜∀゜)「!!」(゜∀゜.)

(;^⊿^)「!!」(・ハ・;王

イ;-Дー)「!!」(´L`;)



 ドナドの治療を拒否したブルボンゴ君が呪文を詠唱すると、柔らかい光が傷口を包みこんだ。そして、やがて光が収まる頃には傷口はすっかり塞がっていた。



(゜Д゜;ム「な……回復魔法!?」



(゜Д゜;ム「回復魔法使えるの君ィ?」



ミ ゜ω゜)「マルク帝国大学出身です」



(゜Д゜;ム「まさかの同窓生!?」





660 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/08/27(水)18:00:00.00 ID:1399336



(王´∀`)「……ふ、ふふふ」



(王´∀`)「はっはっは!たしかに、たしかに"間違っている"な、ブルボンゴ君!」



(王´∀`)「……そしてドナド殿下!」



(゜∀゜.;)「……」



(王´∀`)「貴方は先ほどから、女神様への信仰と回復魔法を紐づけて話していたが、どうだ、全く関係ないではないか!」



(王´∀`)「女神様に対する信心がなくとも、回復魔法は使える!それを彼はいま実証したのだ!」



ミ ゜ω゜)「その通りです、ハッシュ王様。回復魔法は"奇跡"でも"加護"でもない」



ミ ゜ω゜)「人類の英知が生み出した、純然たる"技術"です。私のような大学の魔導学部を卒業した者なら、誰でも扱えるレベルの」



(´L`;)「で……では何故、いま回復魔法を使えるのは聖アガメマス教会の神官だけなのですか?」



(王´∀`)「そんなの単純だろう、元老院長殿」



(王´∀`)「『技術の独占』ですな?……ドナド殿下」



(王´∀`)「たしかに、貴方の回復魔法を通した秩序形成という話も本当でしょう。ただ、私はそこで疑問に思った」



(王´∀`)「それでは何故、聖アガメマス教会は回復魔法そのものを普及させないのか。女神様への信仰が回復魔法の根底なら、技術さえ知っていれば庶民でも使えるのが道理だし、人々を死の不安から遠ざけるということなら、誰でも回復魔法を扱えた方がいいだろう……しかし、しかしだが……」



(王´∀`)「技術を独占し、回復魔法を使える者を制限すれば、その分、回復魔法は貴重になる。そうなれば、教会へのお布施も高額になりますなぁ?」



(゜∀゜.)「……下衆の勘繰りは止めなさい、ハッシュ殿」



(゜∀゜.)「教会が回復魔法を庶民に伝えないのは、それが危険も併せ持つからです」



(王´∀`)「理由?」



(゜∀゜.)「その理由、そこの貴方なら分かるでしょう」



ミ ゜ω゜)「……たしかに、回復魔法には危険もある。第一に魔力の消費量が、普通の魔法に比べて桁違いに多いことだ」



ミ;゜ω゜)「いま、たった一度使っただけでも、もう全身が疲労しきってしまいました。ウルバルスカである自分でさえです」



王;´∀`)「なっなんと!?しかし、教会の神官達は、一日何十人も診ているではないか!」



(・ハ・;王「神官の中には老齢の者も多い。とても彼よりも魔力を持っているとは思えないが……」



(ー∀ー.)「……」



(゜∀゜.)「そうです。それを可能にするのが"女神様の加護"……と言ったところでしょうか」



(゜∀゜.)「我々聖アガメマス教会の神官は、女神様から魔力を頂いているのです。しかし、それには女神様への深い信心と修行が必須!」



(゜∀゜.)「いたずらに使えば、彼のように魔力を多量に消費してしまい、最悪死に至ることもあるのです!」



(゜∀゜.)「故に、だからこそ!回復魔法は我々が責任を持って管理しているのです!」



王;´∀`)「ぐっ!?」





661 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/08/27(水)18:00:00.00 ID:1399336



ミ ゜ω゜)「……待て、ドナド。いま女神様から魔力を貰ってると言ったか?」



(゜∀゜.)「ええ、言いましたが?」



ミ ーωー)「……」



(゜ω゜ 彡「……だそうだが?」



(゜∀゜.)「誰に向かって話しているのですか?」



(´ ω )「いやぁ~~、やっと口を滑らせたね」



(゜∀゜.;)「……その声は!?」



(´・ω・)「お久しぶりです、ご依頼者様(・・・・・)



(゜∀゜.;)「諜報員ンン!!貴様、生きていたのか!」





( ^ω^)「……さっきも似た展開なかった?」



 (’A` )「それより、俺達まったく議論の輪に入れてないんだけど。これってどうなの?一応、この会議の提唱者よ?」



( ・∀・)「だって知らない話ばっかすんだもん」



(゜、゜*)「どうだっていいわよ。最終的に修道女ちゃんが救えるなら」



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