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選帝会議 その⑦

650 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/08/23(土)10:00:00.00 ID:1399336



【帝都ドナド 帝国議事堂】



(王´∀`)「ドナド殿下、そして勇者諸君。熱い議論を交わしているところ悪いが、ちょっといいかな?」



 それまで議論をじっと聞いていたハッシュ国王が、ここへきて口を挟んだ。



(王´∀`)「"形代"云々の話は一旦置いといてだ。つまり勇者諸君は、教会が管理している"加護"という名の世界秩序を新しく更新しようと……そう言っているのだよな?」



(・∀・ )「ええ、その通りです」



(王´∀`)「ならば、誰が、どのように秩序を守るというのだ。まずそこを聞かねば、諸君の"新世界秩序"とやらに賛同するもなにもない」



イ;-Дー)「たしかに、ハッシュ殿の言う通りですね……信仰を揺るがすような事実に気を取られていましたが、本来の論点はそこです」



(・∀・ )「そうですね。それでは説明いたしましょう」



(・∀・ )「"新世界秩序"。それは我々4人の勇者が"平和の守護者"となり、マルク帝国を、そして世界の平和を守ることです!」



(;.゜∀゜)「は?"平和の守護者"?」



王;´∀`)「……諸君が世界の平和を守る……?」



(´L`;)「まぁ、女神様からフィオレ殿を守ったというからには、相応の力は持っている……のか」



イ;-Дー)「伝説の勇者、ですしね。一応」



ム;゜Д゜)「……だが、しかし」



ム;ーДー)「うぅ~~ん……」(ーLー;)



王;´∀`)「不安」




(・∀・;)「えぇ!?なんで!?」



 (’A`;)「言っとくけど、こんな見た目だけどちゃんと強いぞ?」



(^ω^;)「自分、海割れます!」



ム;゜Д゜)「"強さ"は疑ってませんよ。ただ、なんといったらいいか……」



(王´∀`)「はっきりいうと、卿ら勇者の人となり(・・・・)を知らないから、信用がない」



(´L`;)「今日が初対面ですしねぇ……」



(・∀・;)「えぇ~~~そんな事言われても」



(王´∀`)「ちゃんと言われた通り平和守れる?」



(^ω^ )「そんな『ママとの約束守れる』みたいな……」



(゜、゜*)「私達が約束を反故にしたり、勝手な行動を取ったりしないかが気になってるなら問題ないわよ」



(゜、゜*)「ちゃんとロナルド陛下のお墨付きだから」



(゜∀゜ )「ああ。コイツら勇者が責任はちゃんと果たす奴らだってのは、俺が保証する。なんてったって、"伝説の勇者"として召喚されて、この世界を救う為に戦ってきた奴らだからな」



(゜∀゜ )「俺が同じ立場なら、自分と無関係の異世界を救うなんて御免だな。悠々自適にスローライフでも送りたいぜ」



 ( ’A`)「俺も最初はそう思ってたんだけどなぁ」



从*・⊿・从「勇者の人徳なら、わしも太鼓判を押すぞ!少々アホじゃが、悪い性は持っておらん!」



从*ー⊿ー从「個人的に、タヌキ族との復縁を手伝ってもくれたしの」



( ●ハ●)「うむ。我々エルフも勇者には多大な恩がある。ゴブリン大王を討ち、ウッソー原生林に平和を齎してくれた」



(;^⊿^)「私は今の女神様に殺されかけましたしね。そりゃあ勇者殿が平和を守ってくれるのなら、そっちの方がいいです」



(王´∀`)(……なるほど。ロナルド殿下の威光もあるとは言え、西ゼリヤ王国やフィオレ王国の協力を取り付けただけはあるようだな。勇者も、なかなか大した奴らだ)



王;´∀`)「……」



(王´∀`)「ミラノフ侯殿の勇者評は」



(王・ハ・)「御しやすそうだなって」



王;´∀`)「黒っ!」



(´L`;)「……ま、まぁ。ミラノフ・フィオレ両侯殿や、獣人・エルフの代表の折り紙付きとあらば、我々としても安心はできますかね?」



ム;゜Д゜)「そうですな。変に反対する材料も……」



(ム゜Д゜)「あっ!いや、ありますぞ!途轍もない大問題が!」



(・∀・;)「え?なんですか、大問題って?」



(ム゜Д゜)「勇者殿!貴方達は女神様と違って寿命があるではないですか!」



(´L`;)「たしかに!死んでしまったら"平和の守護者"もなにもない!」



(ム゜Д゜)「数十年間はたしかに秩序を守れましょう。しかし、その後に世界が混乱に陥ってしまうのではありませんか!?」



(^ω^ )「大丈夫です。なんやかんやで不死身になるので」



ム;゜Д゜)「なんやかんやで不死身……ッ!?」



(´L`;)「不死身ってそんな適当な感じでなれるものなのか!?」



 (;’A`)「これに関しては説明が難しいからなぁ。ま、女神の力だ」



王;´∀`)「神の力とは恐ろしいものだな……」





651 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/08/23(土)10:00:00.00 ID:1399336



【帝都ドナド 帝国議事堂】



(・∀・ )「そんな訳で僕達勇者は、平和の守護者として末永く世界を守る所存であります」



ム;゜Д゜)「むむ。寿命という問題が解決されるのならば、特別問題はない、か?」



(王´∀`)「少なくとも、今すぐには思い浮かばないな」



ム;ーДー)「……となれば、あとは当事者のドナド様がご納得頂けるかどうかですが」



(゜∀゜.)「もちろん、私は反対ですよ?」



ム;ーДー)「ですよねぇ」



(゜∀゜.)「しかし、それは決して私の個人的な感情や、地位への固執などが理由ではありません」



( ^ω^)(ウソつけい)



(゜∀゜.)「……勇者が大変な思い違いをしているからです」



(;・∀・)「思い違い?」



(゜∀゜.)「アナタ達は、"女神様の加護"を、その『強大な力による、反帝国勢力に対する抑止力』という一面しか見ていないのです」



(;・∀・)「んッ?」



 (’A`;)「他にも何かあんのか?」



(゜、゜*)「たしかに私達じゃあ女神みたいに信仰対象にはなれないでしょうけど」



( ^ω^)「脱げば?」



(゜、゜*)「死ねば?」



(゜∀゜.)「それは別に加護でもなんでもありません」



(゜∀゜.)「そも"女神様の加護"の本質は、人々を不安や厄災から遠ざけることです」



(゜∀゜.)「もっと直接的に言えば、『死』から人々を守る力です」



(;・∀・)「死……」



(゜∀゜.)「『戦火を未然に防ぐ力』は、たしかに多くの人々を死から守っています」



(゜∀゜.)「けれど、もっと身近に、もっと個々に。死を防ぐ(・・・・)奇跡の力をアナタ達は身をもって知っているはずですよ」



 (;’A`)「身をもって……なんだ?」



(゜、゜*)「戦士、アンタ何回も死にかけてるじゃない。心当たりないの?」



(;^ω^)「え~~?んなコトいっても、死ぬような重症になる前に修道女が回復魔法で(・・・・・)……」



( ^ω^)「……回復魔法(・・・・)?」





652 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/08/23(土)10:00:00.00 ID:1399336



【回想】



( ФωФ)『はい回復魔法』



( ^ω^)『うぉぉぉぉぉぉッ!!肩の怪我、全治ッ!』



 (’A` )『よく考えたら回復魔法ってチートじゃね?』



(・∀・ )『よく考えなくてもそうだよ』



(ФωФ )『回復魔法は聖アガメマス教会の専売特許ですからね!異教徒には使えませんし効果もありません!』





653 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/08/23(土)10:00:00.00 ID:1399336



(;^ω^)「……ああっ!」



(゜∀゜.)「そう、やっと気が付きましたか!信仰を通して女神様の力を賜ることで得られる、聖なる力!回復魔法(・・・・)こそ、"女神様の加護"のもう一つの側面!」



(゜∀゜.)「"形代"を廃するというのは、すなわち人類が回復魔法(・・・・)を失うと同義なのです!」



(゜∀゜.)「……勇者よ。"新世界秩序"とやらを掲げるのならば当然、その代替案もあるのでしょうな?」



(;・∀・)「……ぐぬぅ」




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