選帝会議 その⑥
【選帝会議出席者紹介】
(゜∀゜,)【マルク帝国 第13代マルク皇帝】
(゜∀゜.)【聖アガメマス教会高弟 ドナド】
(゜∀゜ )【次代皇帝候補 ロナルド】
(・ハ・王)【西ゼリヤ国王 ミラノフ=ウリアード一等侯】
( ^⊿^)【フィオレ国王 フィオレ=イシュ一等侯】
(´∀`王)【ハッシュ国王 ハッシュ=ポート一等侯】
(・E・ )【東部諸侯議会代表 マキャリテ二等侯】
(´L` )【立法長官 ツグマツ元老院長】
(-Дーイ)【行政長官 シャカ執政官】
(゜Д゜ム)【司法長官 シェイク法務官】
[━T━ ]【帝国軍総司令官 コンタレス将軍】
从*・⊿・从【獣人代表 ヨイノマの巫女】
( ●ハ●)【エルフ代表 マナグム長老】
( ^ω^)【戦士】
( ’A`)【魔法使い】
(゜、゜*)【盗賊】
( ・∀・)【道化師】
647 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/08/21(木)21:00:00.00 ID:1399336
【帝都ドナド 帝国議事堂】
(゜∀゜,;)「"真の女神"を復活させる、それが"新世界秩序"だと?」
(´L`;)「女神様なら聖地に御わすではないですか!"真の女神"とは一体どういう了見ですか!」
( ゜∀゜)「……道化師、こっからはお前ら勇者が直接説明した方がいい。頼む」
( ・∀・)「うん。分かった」
( ・∀・)「聖アガメマス教会が信仰し、聖地に降臨する女神。それを僕達は"形代の女神"と呼んでいます」
( ・∀・)「"形代の女神"は、かつて"真の女神"がワンオペ業務に疲れた際に作った……言うなれば"身代わり"のような存在なんですよ」
(´L` )「ワンオペ業務に疲れたって何?」
イ;-Дー)「ドナド様、勇者が言っているコトは真実なのですか?」
(゜∀゜.)「……」
(ー∀ー.)「不勉強ですな。ツグマツ元老院長殿、シャカ執政官殿」
イ;-Дー)「えぇ?」
(゜∀゜.)「彼の言っている内容は"天地創世記"にきちんと記されていますよ……ただし教会の正しき見解とは、少々解釈が異なるようですがね」
(゜∀゜.)「たしかに女神様は"形代"をお作りになられたのですが、それは女神様が二度とワンオペ業務でも疲れぬ身体を望んだ為です。女神様の御霊は、その"形代"に入り、今も私達を見守ってくれているのです」
(;・∀・)「その解釈だと、女神はずっと働いてるってこと?」
(;’A`)「ブラック労働過ぎんだろ……」
(゜∀゜.)「いえいえ、四大天使を生みワンオペ業務は無くなりましたから、十分仕事も楽になったことかと」
(゜∀゜.)「しかし世界に平和を、人々に加護を齎す為に、そこまでするとは。なんと女神様の慈しみ深きことか!」
(゜∀゜.)「貴方達は、その御身の違いによって女神様を、"形代の女神"・"真の女神"などと分けて考えているようですが、まったく表層しか見ていないと言えますね!」
(゜∀゜.)「女神様の"形代"であろうとも、それを皆が女神様と信ずるならば、それは女神様なのです!」
(゜∀゜.)「およそ"真の女神"を復活とは、"女神様"を"形代"から解放することを指しているようですが、それが一体なんになるというのですか!」
( ・∀・)「いや、逆ですね。ここで神学議論をするつもりはありませんので、"事実"を言います」
(゜∀゜.)「……"逆"?"事実"とは?」
( ・∀・)「"真の女神"自身は、水の天使の中で眠っています。いま現在アナタが女神様と呼んでいるのは、その力を注がれて神格を得た"形代"に過ぎない。それが"事実"です」
( ・∀・)「そして僕達の望みは、眠ってる女神を叩き起こし、"形代"を"女神"から解放すること!」
(゜∀゜.)「……!」
(゜∀゜.)「あ~~~~……そういうことですか。"真の女神"を復活などと言うから何事かと思えば……」
(゜∀゜.)「勇者よ、どうやらアナタ達は修道女を、"形代"を人間に戻す方法を知ったのですね?」
( ・∀・)「ええ。もしかして、アナタも既に知っていたんですか?」
(゜∀゜.)「いえいえ、具体的な方法は知りませんでしたよ。ただ、何百という異端信仰の知識だけはありますので、そこから推察しただけです」
(ー∀ー.)「しかし、困りましたねぇ。そんな異端の儀式は、聖アガメマス教会の高弟として認める訳にはいきません」
(゜∀゜.)「……なるほど。だから"私"が邪魔なのだな?勇者」
( ・∀・)「理解が早くて助かるよ」
648 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/08/21(木)21:00:00.00 ID:1399336
【帝都ドナド 帝国議事堂】
(´L`;)「ド、ドナド様。申し訳ありませんが、先ほどから私には全く理解が及ばず」
イ;-Дー)「私もです。"形代"とは一体?人間に戻すとはどういうことでしょうか?」
(゜∀゜.)「ふむ。そうですね、それは……」
(;,゜∀゜)「ちょ、ちょっと待てドナド!まさかお前、言うつもりか!?あれは皇帝家と高弟のみに伝わる……」
(゜∀゜.)「……もはや無駄ですよ、兄上。どうせ勇者によって西ゼリヤ王やフィオレ王には伝わっているのです」
(;,゜∀゜)「あ」
(゜∀゜.)「そして、諸侯は勇者の言説を事実だと信用した。それでよろしいですか、ミラノフ侯殿?」
(王・ハ・)「ええ。天使様の証言もありましたしね。あまり知りたくはありませんでしたが。よもや我々の平和を守る加護が"それ"だとは」
ム;゜Д゜)「そこまで仰られるとは……"形代"とはなんだと言うのです?」
(゜∀゜.)「女神様の御霊の器として選ばれた少女のことです。その"形代"に女神様は入り、女神様の加護を我々に齎しているのです」
ム;゜Д゜)「!?」(´L`;)
(;,⊃∀⊂)「……」
イ;-Дー)「そ、それはつまり……人身御供、ということですか?」
(゜∀゜.)「滅多なことを言うものではありませんよ、執政官。人身御供や生贄とは、全く違います」
(゜∀゜.)「なぜなら"形代"となった少女は生きているからです。彼女達は女神様の大いなる力に包まれ、理想の世界を生きられるのです」
(;・∀・)「理想の世界……?」
(゜∀゜.)「ええ。女神様の慈悲によって、少女は自分が夢見る世界で、一生を幸せに過ごせるのですよ」
(゜、゜*)「それ、ただ夢見てるだけじゃない?」
(゜∀゜.)「少女にとっては、それが現実となるのです」
(゜∀゜.)「……いいのですか勇者よ。そんな修道女の幸せをアナタ達は壊そうとしているのですよ?」
( ^ω^)「いいよ」
(゜∀゜.;)「即答!?」
(’A` )「俺達はなぁ、旅の中で幾度となく寝坊してるアイツを叩き起こしてきたんだよ」
(゜、゜*)「幸せそうにヨダレ垂らしてる修道女ちゃんを布団から引っ張り出してね。それと一緒よ」
(゜∀゜.)「……"鎹"の修道女、彼女がその夢見を望んでいるとしても?」
( ・∀・)「ホントのホントに望んでるならね」
( ^ω^)「俺達は修道女から何も聞かされてねぇからな。一度、アイツを起こして本心を聞かねぇことには納得できねぇな」
(゜、゜*)「その上で修道女ちゃんが二度寝したいっていうなら、どうぞ?」
(゜∀゜.)「……チィッ」
(゜∀゜.)「身勝手な者共めが」
649 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/08/21(木)22:00:00.00 ID:1399336
ム;゜Д゜)「あ、あの……ドナド様……」
(゜∀゜.)「ん?どうしましたか、シェイク法務官」
ム;゜Д゜)「いや、そのぉ……なんと申し上げたらいいか……」
ム;゜Д゜)「いまの話が全て本当なら……その、"形代"となった少女は死んでいないとしても、なんらかの法に反しているのですが……それは例えドナド様が皇帝家と言えど……」
(゜∀゜.)「……なにを言っているのですか?」
ム;゜Д゜)「え?」
(゜∀゜.)「先ほども言ったでしょう」
(゜∀゜.)「"当たり前"や"大前提"は、わざわざルールになりません」




