選帝会議 その⑤
【選帝会議出席者紹介】
(゜∀゜,)【マルク帝国 第13代マルク皇帝】
(゜∀゜.)【聖アガメマス教会高弟 ドナド】
(゜∀゜ )【次代皇帝候補 ロナルド】
(・ハ・王)【西ゼリヤ国王 ミラノフ=ウリアード一等侯】
( ^⊿^)【フィオレ国王 フィオレ=イシュ一等侯】
(´∀`王)【ハッシュ国王 ハッシュ=ポート一等侯】
(・E・ )【東部諸侯議会代表 マキャリテ二等侯】
(´L` )【立法長官 ツグマツ元老院長】
(-Дーイ)【行政長官 シャカ執政官】
(゜Д゜ム)【司法長官 シェイク法務官】
[━T━ ]【帝国軍総司令官 コンタレス将軍】
从*・⊿・从【獣人代表 ヨイノマの巫女】
( ●ハ●)【エルフ代表 マナグム長老】
( ^ω^)【戦士】
( ’A`)【魔法使い】
(゜、゜*)【盗賊】
( ・∀・)【道化師】
645 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/08/19(火)18:00:00.00 ID:1399336
【帝国議事堂 食堂】
( ^ω^)「作戦ターイム!」
(;・∀・)「午前中の会議じゃ、話したい事が全く議論できなかったからね」
(゜∀゜ )「仕方ないだろう。俺達以外の出席者にも、それぞれ思惑があるんだ」
(ー、ー*)「そうね。こっちの都合で一方的に話すなんてできないわよね。会議なんだから」
(゜、゜*)「……で、午後はどうするつもり?」
( ゜∀゜)「初っ端から俺がブチかましてやるさ。『聖アガメマス教会は帝国の管理下とする』ってな」
( ・∀・)「それはありがたいですね。でも、あのドナドって男が簡単に折れるとは思えない。なにか策はあるんですか?」
( ゜∀゜)「そりゃ、アイツの悪行を露呈させるのが一番手っ取り早い。『ドナドが"形代の女神"を使ってフィオレ王国を攻めた』ってな」
( ゜∀゜)「そうすりゃ"形代の女神"なんて巨大な戦力を、教会が独自で管理してる現状が危ういって事をみんなに知らしめられるし、帝国が教会を管理する名目にもなる」
(゜、゜*)「やっぱりそこよね。でも証拠がないじゃない。あの長男のせいにされるんじゃない?どうせ島流しなんだし」
( ゜∀゜)「まぁ、それはそうだろうな」
( ・∀・)「元皇帝が裏切ってくれる可能性とかは……」
( ゜∀゜)「ねぇな。ドナドが教会のトップにいれば、流刑先の島でも色々と便宜を図ってもらえるし」
(゜、゜*)「じゃ、どうやって坊さんの鼻を明かすつもり?」
( ゜∀゜)「ドナドは昔から口が上手くてな、こっちがアイツの悪い所を指摘しても、のらりくらりと躱されちまう」
( ゜∀゜)「だから……アイツの罪を暴くのは、アイツ自身にやってもらう」
(゜、゜*)「?」
( ^ω^)「……ん?」
(’A` )カチャカチャ
(^ω^ )「あれ。なにしてんの?」
(’A` )「そりゃ、お前……」
[●皿●天]「a problem has been detected and Golemeth has been shut down to prevent damage to your Golem. PRESS F8 KEY TO EXIT.」
( ’A`)「水の大天使の修理だよ」
(^ω^ )「まだ直ってなかったのかソイツ」
646 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/08/19(火)18:00:00.00 ID:1399336
【帝都ドナド 帝国議事堂】
( ゜∀゜)「さて、午後の会議なんだが……まずは俺が掲げる新世界秩序の肝となる構想について話をさせてもらいたい」
(゜∀゜,)「ほう、またなにを考えている?」
( ゜∀゜)「聖アガメマス教会を帝国の管理下とし、"協会庁"を設置する」
(゜Д゜ム)「?」
(´∀`王)「?」
(゜∀゜.)「まったく度し難い妄想ですね」
(゜∀゜.)「いいですか、ロナルド。この世界の秩序は"女神の加護"によって保たれている。しかし逆に言えば、それは世界を破壊することもできる強大な力だということ」
(゜∀゜.)「だからこそマルク帝国と聖アガメマス教会は、その出自が同じといえど互いに一定の距離を保っているのです。全ての教会権力を皇帝に集中させるのは危ういという、先人の知恵によってね」
(゜∀゜.)「それともロナルド、皇帝の立場を絶対的なモノとする為に女神様のお力を使おうというのですか?」
( ゜∀゜)「んなコト考えてねぇよ。皇帝に権力を集中させない為の"円卓会議"を新設するって、さっき言っただろ」
(´L` )「ふむ。ではロナルド様、なぜ教会組織を帝国に統合するのです?」
( ゜∀゜)「いまドナドが言った"女神の加護"。そのシステムは不完全だからだ」
( ゜∀゜)「俺はフィオレで国王と会談中、女神に襲われた」
(´L`;)「!?」(゜Д゜;ム)
(゜Д゜;ム「元老院長殿!"女神の加護"で敵戦力を攻撃する際には、元老院の承認が必要なハズですが、どういうことですか!?」
(-Дー;イ「そのような作戦行動……聞いておりません!」
(´L`;)「そ、そんなコトは元老院で承認した覚えはありませんぞ!仮にも選帝侯国の君主を襲撃するなど……!」
(゜∀゜,)「……」
(゜∀゜,)「すまぬ、元老院長。それは私の独断行動だ」
(´L`;)「マ、マルク陛下……!まさか、そんな……」
(´∀`;王)「襲撃は本当なのか?フィオレ侯殿」
(;^⊿^)「ええ、肝を冷やしました。しかし、その事件があったからこそ、私はロナルド殿の側に立つと決めたのです」
(゜Д゜;ム「なんという……被害はどのようなご状況で?」
(;^⊿^)「一部民間人が怪我をしてしまいましたが、幸い死者はでませんでした。宮殿はかなり派手に破壊されましたがね」
(´L`;)「え!?魔王をも倒せる、女神様の攻撃で死者ゼロ!?どういうことです!?」
( ゜∀゜)「"勇者"が守ってくれたのだ。俺とフィオレ侯をな」
(゜∀゜,;)「やはり……っ!勇者は最早、そこまでの力を保持しているのか!?」
( ゜∀゜)「ああ、四大天使から継いだ力が覚醒したのだ。それが4人もいれば、女神様をも上回ろう」
(゜∀゜.;)「……」ゴクリ
从*・⊿・从「流石は勇者。伝説になるだけはあるのう」
( ・∀・)(ま、全くのデタラメだけどね)
(゜、゜*)(実際は勝手に向こうが自滅しただけ……)
(’A` )(ただ、そんなコトを馬鹿正直に言うワケねぇけどな)
( ^ω^)(いまは"沈黙"!!それが正しい答えなんだ)
( ゜∀゜)「さて、話は少々戻るが……マルク兄貴よ」
(゜∀゜,;)「ん?」
( ゜∀゜)「アンタさっき女神によるフィオレ襲撃は自分の独断だと言ったがよ……」
( ゜∀゜)「そんなコトが可能なら女神の力は今も実質的に皇帝が持ってるようなモンじゃねぇか?」
(゜∀゜,)「あ」
( ゜∀゜)「だったらドナドの言い分……権力集中を防ぐ為ってのは最早、名目に過ぎねぇワケだ。それなら聖アガメマス教は国教化して、帝国が管理した方がいいだろう。安全弁も設けるわけだしな」
(゜∀゜.)「……」
(゜∀゜.)「……いや、兄上の独断ではない。私もそれを従いました」
( ゜∀゜)「!?」
(;・∀・)(えっ認めた?)
(゜、゜*)(こんなにあっさり?)
(;゜∀゜)「それは、ドナドもフィオレ襲撃に加担したという理解でいいのか?」
(゜∀゜.)「違います。私は女神様がフィオレを襲撃するとは思っていませんでした」
(;^⊿^)「どういうことです?」
(゜∀゜.)「私が女神様にお願いしたのは、あくまで"勇者の捕縛"のみ。ただ勇者が居た場所が、たまたまフィオレ殿の屋敷だったに過ぎません」
(゜∀゜.)「そしてフィオレ殿が襲われたのは、勇者が大人しく捕まらずに、抵抗した為に起きたイレギュラーです」
(;^ω^)(コイツ、流れるように責任転嫁しやがった!)
( ゜∀゜)「今は事件の経緯は関係ない!ドナド、アンタが兄貴の暴走に加担したか否かが問題なんだ!」
( ゜∀゜)「教会のトップが元老院を無視した皇帝の暴走を是とするなら、権力分散が成立してるとは到底思えん!」
( ゜∀゜)「教会組織を一度、大きく見直す必要がある!」
(゜∀ー.)「……その必要はありません」
(ー∀ー.)「此度の事件、私も深く反省しております。緊急事態だという兄上の命に、つい盲目的に従ってしまいました」
(゜∀゜.)「ですから、その反省を踏まえまして、私の指導の下で教会は帝国との関係を今一度見直そうと思います」
(;・∀・)(……コイツ……っ!)
(;・∀・)(面の皮が厚すぎる!)
(’A`;)(そこは責任取って辞めるって言えよ!)
(゜∀゜.)「……そもそも、"女神の加護"という秩序を見直すのに、わざわざ教会庁なんて組織を設置する意義は薄いですよね?」
(゜∀゜.)「皇帝と高弟。手を繋いで共に取り組んでいこうではないですか」
(゜∀゜.)「私達は兄弟なのですから」
(;゜∀゜)(よくも、兄貴に全責任を負わせたその口で言えたもんだな)
(゜∀゜.)「それともロナルド。もしかして、もっと別の狙いがあるんじゃないですか?」
(゜∀゜.)「そう、例えば……貴方が掲げる"新世界秩序"とやらにとって、現状の聖アガメマス教会が障害になるとか」
(´∀`王)「?教会が障害……どういうことだ?」
( ゜∀゜)「……」
(゜∀゜.)「前提の話は置いといて、まずは聞かせてくれませんか?」
(゜∀゜.)「貴方が、どのように"秩序"を変えようとしているのか」
(゜∀゜.)「そこに"勇者"が、どのように関わっているのか」
( ゜∀゜)「……」
( ゜∀゜)「俺が変えようとしているのは……"神"だ」
( ゜∀゜)「"形代の女神"を廃し、真の女神を復活させる……ッ!」
( ゜∀゜)「これが"新世界秩序"だッ!」
(゜∀゜.;)「ッ!」




