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選帝会議 その④

【選帝会議出席者紹介】

(゜∀゜,)【マルク帝国 第13代マルク皇帝】

(゜∀゜.)【聖アガメマス教会高弟 ドナド】

(゜∀゜ )【次代皇帝候補 ロナルド】

(・ハ・王)【西ゼリヤ国王 ミラノフ=ウリアード一等侯】

( ^⊿^)【フィオレ国王 フィオレ=イシュ一等侯】

(´∀`王)【ハッシュ国王 ハッシュ=ポート一等侯】

(・E・ )【東部諸侯議会代表 マキャリテ二等侯】

(´L` )【立法長官 ツグマツ元老院長】

(-Дーイ)【行政長官 シャカ執政官】

(゜Д゜ム)【司法長官 シェイク法務官】

[━T━ ]【帝国軍総司令官 コンタレス将軍】

从*・⊿・从【獣人代表 ヨイノマの巫女】

( ●ハ●)【エルフ代表 マナグム長老】

( ^ω^)【戦士(ウォリアー)

 ( ’A`)【魔法使い(ウィザード)

(゜、゜*)【盗賊(シーフ)

( ・∀・)【道化師(クラウン)



642 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/08/18(月)22:00:00.00 ID:1399336



【帝都ドナド 帝国議事堂】



(゜∀゜.)「エルフ・獣人を帝国市民として迎え入れるのであれば、聖アガメマス教会への改宗は、当然してもらわねばなりませんな?」



(゜Д゜;ム「そっそれは……治安や住民のことを考えれば、改宗はありがたい限りですが」



(;゜∀゜)「無理だろ。いきなり違う神を信じるなんて……そもそも、そんな法律ねぇだろ?」



(゜Д゜;ム「ええ、まぁ」



(゜∀゜.)「"当たり前"や"大前提"は、わざわざルールになりません」



从*・⊿・从「法に根拠のない条件を押し付けられたらかなわんぞ、坊主よ?」



从*ー⊿・从「いや、己等からすれば平常運転か。法を無視した押し付け」



(゜∀゜.)「……おやおやババ様。少し会わないうちに変わりましたね。怒ると顔の皺が増えますよ?」



从*・⊿・从「わしゃまだピチピチじゃ!」



(゜∀゜.)「お戯れを」



(゜∀゜.)「ただ、なんと言われようが聖アガメマス教会としては、改宗は絶対条件なのですよ」



从*・⊿・从「…………なぜじゃ?」



(゜∀゜.)「少し歴史の話をしましょう。時は千年前……」





643 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/08/18(月)22:00:00.00 ID:1399336



【帝都ドナド 帝国議事堂】



( ^ω^)「……」



( ^ω^)「……なぁ、魔法使い」



 (’A` )「ん、どうした?」



( ^ω^)「暇」



 (’A` )「なんてこと言うんだ」



 (’A` )「……」



 (’A` )「分かる」



( ^ω^)「信じてたぜ」



 ( ’A`)「なんかさっきから小難しい話が続いててさ、いや大事な話なんだろうけどね?でも実際問題、俺達に関係ねぇ話だしさぁ」



( ^ω^)「ああ。昔話とかされても知らねぇよな」





(゜∀゜.)「勇者マルクは女神の加護を受けて大陸各地を巡り……その胸に信仰と世界の平和を願って……」




 ( ’A`)「あのドナドとかいうお坊さんも説法なれしてるのか気合いれて話してるけど、早く本題に入って欲しいわ」





从*・⊿・从「じゃがそれは……」



( ●ハ●)「それは違うぞ若造……」





(^ω^;)「いや、無理だな。婆さんやエルフ長老が昔話に茶々入れて、激論を繰り広げている」



 (;’A`)「あ~あ……」



( ^ω^)「他の人達って、ちゃんと話は聞いてんのかな?」



 (’A` )「聞いてるだろ。頭の中でなに考えてるかはしらんけど」



 (’A` )「……ん?」





「……………………」[━T━ ]





 (’A` )「あのさ、ちょっと気づいたんだけど」



( ^ω^)「なに?」





「……………………」[━T━ ]





 (’A` )「あの皇帝の隣に座ってる甲冑の人さ」



( ^ω^)「うん」



 (’A` )「会議始まってから一言も喋ってないんだけど」




 (’A` )「寝てない?」




(;^ω^)「いや、まさか」



 (’A` )「でも甲冑で顔は隠れてるし、寝ててもバレないじゃん?」



( ^ω^)「息遣いとかで分かるだろ」



 (’A` )「いや、どうかな~?案外、分かんねぇだろ。甲冑着てるし」



( ^ω^)「甲冑の防御性能を高く見積もり過ぎている」



( ^ω^)「だいたい、こんなん少し耳をすませば……」





「……………………フゴッ」[━T━ ]





( ^ω^)「寝てるわ」



 (’A` )「だろ?」



( ^ω^)「"フゴッ"なんて音、眠ってる人間からしか発せられないもん」



 (’A` )「意外と発動条件が厳しいスキルだよな」



( ^ω^)「しかし、こんな重要そうな会議でいびきをかいて眠れる、その肝っ玉のデカさ……皇帝の隣に座れるだけあるな」



 (’A` )「神経が図太いだけだろ」



(゜∀゜.#)「そこ、私語は慎みなさい!私の話を聞いているんですか!?」



 ( ’A`)「はーい聞いてまーす」



(゜∀゜.)「なら私の話の内容を説明して下さい」



 ( ’A`)「右の耳で聞いた言葉は、そのまま左の耳から抜けていきました」



(゜∀゜.)「じゃあ聞いてねぇじゃねぇか」



(゜∀゜.)「そっちの甲冑の勇者は?」



(^ω^ )「道化師くんノート見せて」



( ・∀・)「取ってるワケねぇだろ」





644 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/08/18(月)22:00:00.00 ID:1399336



【帝都ドナド 帝国議事堂】



 こうしてエルフと獣人の市民権付与と改宗を巡って、選帝会議出席者は大激論を繰り広げた(一部を除く)……



(゜∀゜.)「マルク帝国が千年帝国として平和を享受できたのは、民が同じ神を信じ、同じ価値観を共有していたからだ!」



( ゜∀゜)「多文化共生という言葉もあるだろう!双方の歩み寄りが……」



(゜∀゜,)「甘いぞロナルド、そんなものは理想論に過ぎん!夜に生きる者と昼に生きる者は同じベッドで眠れない!」



(;^⊿^)「徒に市民権だけを与えてしまえば、民衆の差別感情を刺激してしまうかも……」



(´L` )「だからこそ価値観の統合だけでも図る必要はあるかと」



[━T━ ]「………………プギッ」



 議論は白熱し、そして……



从*・⊿・从「……市民権は全ての獣人に一律に与えるのではなく、希望する氏族に与えるのはどうじゃ?希望しない者、改宗したくない者は引き続き"準市民"。そういう選択肢をもらいたい」



( ●ハ●)「エルフからも是非。なにしろ全てのエルフが、私の命に従う訳でもないし、森の奥地でひっそりと暮らしたい者もいる」



( ・∀・)「そりゃ帝国の価値観に合わせたくない人もいるもんね。どっかの狸爺とか」



(-Дー;イ「そうなると、手続きに時間がかかりそうですが」



(゜、゜*)「でも"権利拡大"に賛成と言うなら、獣人達にも選択肢がないとね。明日から一斉に改宗して下さいじゃあ、単なる強要よ」



(-Дー;イ「大変だなぁ……事務員増やさなきゃ」



( ゜∀゜)「……だいたい、修正案の大枠は決まったな」



(゜∀゜.)「ええ。この内容であれば教会としても許容できる」



 遂にエルフ・獣人の権利拡大についての話し合いに結論が出た。そして、同時にそれは道化師が虎視眈々狙っていた機会!



( ・∀・)(……いまだ!ここで"教会庁"の話題を挙げる……!)



( ・∀・)(エルフと獣人が、一応はドナドの要求に譲歩する形で議論が集結したいま、ここがドナドから譲歩を引き出すチャンス!)



( ・∀・)「あの。次は教会庁について……」



 キィーンコォーンカァーンコォーン



(;・∀・)「え?」



( ━十━)「皆様、お昼になりましたので一度休憩をとりたいと思います」



(;・∀・)「ええええええ?次の議論はぁぁ!?」



( ━十━)「午後の部に持ち越しです」



(;・∀・)「俺の想定が、崩された……?」



(;・∀・)「ハッ!これも、もしかして向こうの作戦!?」



(゜、゜*)「普通によくあることよ」



 (’A` )「会議なんて想定通り進むほうが珍しいからな」



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