勇者達がカチコミをかけるようです その②
【登場人物紹介】
( ^ω^)【戦士】:レスラー体型の勇者。「ばくだん丼」は、その名前に反して乗っけている具材に爆発力が足りない主張する人物。唐揚げか角煮を乗せたほうがいい。
( ’A`)【魔法使い】:ヒョロガリ勇者。異世界に召喚されたことで自分が抜けたプロジェクトが爆発炎上したのか、なんとか回っているのか密かに気になっている。
(゜、゜*)【盗賊】:スタイルグンバツ勇者。大人になってから爆笑していない気がする。
( ・∀・)【道化師】:イケメンハイスペ勇者。ボンバーマンがクソ上手い。
( ФωФ)【修道女】:勇者を導く僕っ娘。もしもの時にモンスターを道連れにする為、懐に爆弾を忍ばせている。
61 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/14(金)18:00:00.00 ID:1399336
【カッカ山 地下労働施設 正面入口】
地下施設カチコミ直前……
(^ω^ )「まさか異世界に来て手投げ爆弾を装備することになるとは」
(・∀・ )「強くなりたいとは願ったけど、これって願った強さなのかな?」
(^ω^ )「でも爆弾ってさ、あんまり強いイメージなくない?」
(・∀・ )「たしかにマンガだと爆発で人ってあんまり死なないよね」
(^ω^ )「人間の耐久力が異常なんだよな」
(^ω^ )「そういや、この世界に来て初めて戦ったオオカミ男いたじゃん?アイツも、銃で首を撃ち抜かれても意外とピンピンしてたし」
(・∀・ )「たしかに」
(・∀・ )「でもゲームだと強くね?防御無視だったり」
(^ω^ )「強ぇ~~~よなぁ~~~」
( ・∀・)「まぁ爆弾の強さ云々は置いといてさ」
(・∀・ )「目下の問題は、地下労働施設の入口が開いてない事だよね」
(^ω^ )「頑丈そうな鉄扉で固く閉ざされてるな。門番もいないし」
(・∀・ )「それだけ守りに自信があるんだろうね。なにはともあれ、あの門を突破する方法を考えなきゃ」
(^ω^ )「そりゃもう、貰った手投げ爆弾でドカンじゃない?」
( ・∀・)「いける?」
(^ω^ )「たぶん。でも、この爆弾どうやって使うの?」
( ・∀・)「ピン抜いて投げればいいんじゃない?」
(^ω^ )「こうか?」
爆弾を扉へ向けて投げる勇者。しかし……。
(^ω^;)「あぁっ!よく見たら鉄扉の横に、黄色ペンキで彩られた火気厳禁マーク付きドラム缶が密集しているッ!!」
(・∀・;)「伏せろっ!」
──"爆発"。それは、言うなれば"極小の雷嵐"ッ!ドラム缶を爆心地に閃光と共に衝撃波が放たれ、超音速で周囲の木や山肌を穿ち、削り、破壊の限りを尽くすッ!その威力、山を動かし、雲を貫き、空を揺らしたッ!!
そうして十数メートルは後方にふっとばされながら、彼らはその耳で捉える──それはまるで市街を破壊し尽くした凶竜が放つ勝鬨の咆哮、かくの如き"爆音"をッ!!
(・∀‐;)「ドラム缶の中身は何なんだよコレはよッ!?」
ドラム缶の中身は"マイナダイト鉱液"ッ!常温状態で液体となる希少な金属であるッ!マイナダイトは強い衝撃を受けると超高速で爆轟を起こし、TNT換算1トン以上、アメリカ陸軍の配備する燃料気化爆弾と同等の威力を、ドラム缶一本分の質量で実現する超危険物質であり、"岩ネズミ"の主食である!
(^ω^;)「だけど、こんだけの爆発なら扉なんてぶち破ってんだろ!!」
勇者、現状確認……ッ!
だがッ!しかし鉄扉……ッ!
微動だにせず……ッ!
(^ω^;)「なんでだよッ!」
<おい!入口の方からでかい音がしたぞ!
<こっちにも敵が攻めてきたか!?
(・∀・ )「あ、でも敵が異変に気付いた!」
<おい、どうする?扉開けて確認するか?
<いや。狸影様は何があっても決して開けるなと言っていた。俺達だけの判断で行動するのは危険だ。
(・∀・;)「クソッ!敵が意外に理性的だ!」
(^ω^;)「敵組織の下っ端はもう少し迂闊に行動しろッ!」
<たしかに。どうせ扉を破ろうと何かした時に、置き配を頼んだ"マイナダイト鉱液"に衝撃を与えて爆発させたんだろ。
(^ω^;)「しかも全てを見抜いてやがるぜ!」
(・∀・;)「IQ下げろ!」
<ん?なんか騒がしいな……
<もしかして、そこに誰かいるのか?
(^ω^ )「あ、気づかれたか」
( ^ω^)「……どうする」
(・∀・ )「……俺に考えがある」
勇者は鉄扉の前に移動すると、中にいる敵に呼びかける。
(・∀・ )「おい、テメェら。引きこもってないで出てこいよ」
<あ?テメェ、騎士団の奴らか?何バカ言ってんだ。出るわけねぇだろ。
(・∀・ )「さっきの爆発音聞いただろ?あれは俺達がやった。次は破壊してやる。大人しく従えば命だけは勘弁してやる」
<ハハハ!誰がテメェらなんかに従うかバカめ!この扉は魔法でコーティングされてるから、天変地異でもない限り壊されやしねぇよ!
(・∀・ )「なるほど」
(・∀・ )「つまり、お前らはこの鉄扉に守られてるだけの雑魚ってことか」
<……は?
<何が言いてぇんだテメェ。
(^ω^ )「いや雑魚っつってるじゃん」
(・∀・ )「ざぁこざぁこ」
<ぶっ殺すぞッ!
<男に言われても嬉しくねぇんだよ!
(^ω^ )「女だと嬉しいの?」
<顔と声による。
<テメェ、何話してんだボケッ!
(・∀・ )「ま、結局さ。怖いんだろ……俺達が?」
<なに?
(・∀・ )「お前らは、俺達が怖いから。この鉄扉の中に引きこもってんだ」
(^ω^ )「安全圏で強気になってワンワン叫んでるって訳だ!」
<んなワケねえだろ!
<テメェら、マジでぶっ殺すぞ!
(・∀・ )「へぇ、この扉で隔たった相手をどうやって殺すんだ?」
(・∀・ )「どうせ殺す気なんてないんだろ?」
(・∀・ )「安全な場所で、強い言葉を叫んで、強がってるだけだ。お前らは」
(^ω^ )「だっさ」
その時、鉄扉が開いた……ッ!!
彡#●Д●ミ「野郎、ぶっ殺してやるッ!!!」
彡#●□●ミ「テメェなんざ怖かねェッ!」
Ξ#●Д●Ξ「……あれ?誰もいねぇ……」
彡●Д●#ミ「クソ!どこ行きやがった!」
ミ ●A●彡「アイツらこそ怖くて逃げたんじゃねぇのか!?」
否……ッ!たしかに勇者達はダッシュでその場を離れていた。だが逃げたワケではないッ!
「くらえッ!」(・∀・ )
「手投げ爆弾ッ!」(^ω^ )
爆弾を投げる距離を稼いでいたのだッ!!
敵を煽り、アジトから出てきたところを爆弾で一網打尽の大作戦ッ!さながら天岩戸のアマテラスの如くッ!
彡;●Д●ミ「ひでぶッ!」
彡;●□●ミ「うわらばッ!」
Ξ;●Д●Ξ「へげえッ!」
ミ;●A●彡「ばわッ!!」
誘いに乗った敵タヌキ、全滅……ッ!!
そして地下労働施設、開門……ッ!!
(・∀・ )「よっしゃッ!突撃ィィッ!!」
(^ω^ )「ウォォォッ!!」
しかし……ッ!
ミ#●∀●彡「バカめッ!まだ構成員は沢山おるでゲスッ!!」
物陰に潜んでいたのか、扉の奥から大量のタヌキが押し寄せてきたッ!!
ミ#●∀●彡「多勢に無勢だッ!!いっけぇッ!!」
彡#●Д●ミ「うぉぉォッ!!」(#●Д●)
彡#●□●ミ「うぉぉォッ!!」ミ#●W●ミ
Ξ#●Д●Ξ「うぉぉォッ!!」ミ#●∩●彡
ミ#●A●彡「うぉぉォッ!!」ミ#●皿●彡
(・∀・;)「うわぁぁッ!!タヌキ津波だぁッ!」
(;^ω^)「逃げろォォッ!」
ミ#●∀●彡「野郎共、追えッ!狸影様に楯突く奴は皆殺しでゲス!」
──地下労働施設の鉄壁を突破した勇者、しかしタヌキ津波の面制圧には勝てないと判断し、決死の戦略的撤退を敢行……ッ!!
──勇者VSタヌキの大鬼ごっこ大会開催決定……ッ!!