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選帝会議 その②

【選帝会議出席者紹介】

(゜∀゜,)【マルク帝国 第13代マルク皇帝】:三つ子の長男

(゜∀゜.)【聖アガメマス教会高弟 ドナド】:三つ子の次男

(゜∀゜ )【次代皇帝候補 ロナルド】:三つ子の三男

(・ハ・王)【西ゼリヤ国王 ミラノフ=ウリアード一等侯】

( ^⊿^)【フィオレ国王 フィオレ=イシュ一等侯】

(´∀`王)【ハッシュ国王 ハッシュ=ポート一等侯】

(・E・ )【東部諸侯議会代表 マキャリテ二等侯】

(´L` )【立法長官 ツグマツ元老院長】

(-Дーイ)【行政長官 シャカ執政官】

(゜Д゜ム)【司法長官 シェイク法務官】

[━T━ ]【帝国軍総司令官 コンタレス将軍】

从*・⊿・从【獣人代表 ヨイノマの巫女】

( ●ハ●)【エルフ代表 マナグム長老】

( ^ω^)【戦士(ウォリアー)

 ( ’A`)【魔法使い(ウィザード)

(゜、゜*)【盗賊(シーフ)

( ・∀・)【道化師(クラウン)

637 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/08/16(土)20:00:00.00 ID:1399336



【帝都ドナド 帝国議事堂】



(王・ハ・)「さて、それでは早速だが……結論を先に決めておくべきですな」



(王・ハ・)「マルク陛下の退位、及びロナルド殿下の新皇帝即位。これはミラノフ家、ハッシュ家、フィオレ家そして東部諸侯議会の総意……」



(王・ハ・)「ツグマツ元老院長はじめ各政務官殿。これに異存はありますかな?」



(´L`;)「元老院は選帝侯の意見を尊重し、これを承認いたします」



(-Дーイ)「執行部は右に同じ」



(゜Д゜ム)「裁判所も承認します」





(王・ハ・)「うむ。それでは陛下、ロナルド殿下。異存はありますか?」



( ゜∀゜)「……久しぶりだな、兄貴。少し痩せたか?」



(゜∀゜,)「貴様のような男など知らん。我が末弟ロナルドは夭折している。貴様に兄と呼ばれる筋合いはない」



( ゜∀゜)「今更それを抜かすか。兄貴以外の、ここにいる全員が認めてるぜ?俺がロナルドだってな」



( ゜∀゜)「みんな分かってんだよ。俺の死が、帳面を(いじく)っただけだってコトがな」



(゜∀゜,)「なんのコトを言っているのか皆目見当がつかんな、この……詐欺師め」



(;゜∀゜)「詐欺師……そこまで言うか」



(゜∀゜,)「ああ、言ってやろうではないか!傍聴席も含めて皆の衆、よく聞け!」



(゜∀゜,)「よいか?ロナルドを名乗るこの男は、自称(・・)勇者共が担ぎ上げただけの、権力目当ての詐欺師に過ぎん!皇帝足り得る能力も、資質も、正当性も!なにも持ってなどいない!」



(゜∀゜,)「選帝侯は、その詐欺師の誇大広告にまんまと騙されているのだ!」



王#´∀`)「……」



(;´ハ`)「陛下が彼の出自を疑うのも無理はありません。しかしこちらで、彼の魔力紋が、過去にロナルド殿下から採取したモノと一致していることを確認しています」



(゜∀゜,)「そんなもの……どうにでもなろう!」



(王・ハ・)「ふむ。つまり陛下は、我々の擁立する"ロナルド殿下"には帝位を継がせない……そう仰るわけですな」



(゜∀゜,)「その通りだ」



(王・ハ・)「それでは、陛下は納得しておられないようだが……ロナルド殿下、勇者殿。なにか申し開きはございますかな?」



(゜∀゜,)「またロナルドって言ったぞ!ソイツはロナルドじゃないのに!」



( ・∀・)「……陛下、分かりました。それでは仮に私の隣に座る男が、真のロナルド殿下ではない、ただの詐欺師だとしましょう」



( ・∀・)「それで、なにか問題でも?」



(゜∀゜,)「は?」



(゜∀゜,;)「……あ?いや、問題ありすぎだろう!」



( ・∀・)「帳面上では矛盾しているかもしれませんが、私を含め、ここに居る陛下以外の全員が彼を、そして自身を真のロナルド殿下だと認めています……いや、以前にロナルド殿下にお見えしたことのある全ての人は、彼をそうだと認めるでしょう」



( ・∀・)「そして彼が"ロナルド陛下"として玉座に着いたならば、帝国臣民はそこに御わす者を"ロナルド陛下"として信ずるでしょう」



( ・∀・)「であれば、最早ここに居る男こそ"真のロナルド殿下"だと言って過言ではありません」



 (’A` )「ド過言」



( ^ω^)「なに言ってんの?」



( ・∀・)「でしょう?ドナド殿下」



( ^ω^)「ドナド殿下も困ると思うよ。こんな詭弁のキラーパス渡されてもさ」





(゜∀゜.)「ふふ……たしかに、その通りですね」



( ^ω^)「狂人同士で通じ合うの止めてくれん?」





(ー∀ー.)「かの者がロナルドの"身代わり"であったとしても、それを皆がロナルドと信ずるならば、それは本人だと言って問題ありません」



(゜∀゜.)「すなわち、偶像や大樹、山や炎と同じです」



(゜∀゜,;)「ドナド、お前はなにを言っているのだ!何故こやつらの味方をするのだ!」



(゜∀゜.)「そのつもりはありません。ただ、この議論には意味がありませんので。聖職者として見解を述べただけです」



(゜∀゜,;)「意味がない!?」



王#´∀`)「そもそも!我らがロナルド殿下を擁立した理由は、マルク陛下!貴方の帝位を廃することにあるからです!」



 痺れを切らしたハッシュ国王が声を荒らげる。



王#´∀`)「それに比べれば、選帝侯が好しとするならば、誰が帝位に着くかなど些事!」



(゜∀゜,;)「なっ何故だ!何故お前らは、そこまでして私を!?」



王#´∀`)「まだ分かっていなかったのですか!魔王撃退後の陛下の横暴は目に余りまする!」



王#´∀`)「地方の富をいたずらに収奪し、己が帝都に注ぎ込む!いくら戦後復興の為とは言え、度が過ぎますぞ!」



(゜∀゜,)「都はマルク帝国の心臓、経世済民の中核だ!ここが潰えてしまえば地方も腐り落ちる!いまはどのような犠牲を払ってでも、帝都の建て直しに力を入れねばならん時なのだ!なぜ分からんか!」



王#´∀`)「その犠牲をこちらに押し付けておいて、なにを抜け抜けと!陛下の行為は腹を満たす為に、手足の肉を齧るようなものですぞ!」



王#´∀`)「よろしいか陛下!我々選帝侯は陛下の奴隷ではなく、帝国の臣!であるからして、陛下を助く為には可能な限り協力は惜まぬ所存!それなのになぜ我々に協力を頼むのではなく、力で脅して掠め取ろうとするのか!」



(゜∀゜,;)「!」



王#´∀`)「つまるところ、陛下は我々家臣を信じていないのでは……!」



(王・ハ・)「ハッシュ殿」



王;´∀`)「!」



(王ーハー)「怒る気持ちは分かるが、抑えられよ。ここは議論の場であり、陛下を諌める場ではない」



王;´∀`)「……すまない、ミラノフ殿」



(王・ハ・)「そしてツグマツ元老院長殿。陛下に助言と諫言を与えることが元老院の役目にありませぬか。ハッシュ殿の発言、本来は貴方が陛下に言うべきことだと自覚しなされ」



(´L`;)「……返す言葉もございません」



(王・ハ・)「シャカ執政官、シェイク法務官。貴方がたも無関係ではないぞ。分かっておられるな?」



(-Дー;イ「承知しています……」(゜Д゜;ム



(王・ハ・)「うむ。よろしい」



(王・ハ・)「ロナルド様からは、なにかございますか?」



( ゜∀゜)「政務官諸君、今回の選帝会議の原因の一端がお前達にあることはミラノフ侯の述べた通りだ。だが、今すぐに更迭するつもりはない」



(´L`;)「へ?」



(゜Д゜;ム「よろしいのですか?」



(゜∀゜,;)「貴様、我が帝国を乗っ取るつもりではないのか!?」



(゜∀゜,;)「あっまさか政務官を籠絡するつもりだな!」



( ゜∀゜)「んな駆け引きをしてるつもりねぇよ。ただ俺が皇帝になった暁には、この帝国を大きく変えるつもりでな」



( ゜∀゜)「その時には経験豊富な官僚が必要なんだ。期待してるぜ?」



(´L`*)「は……はい!」



(゜Д゜*ム「よろしくお願いします!」



(-Дー*イ「新皇帝陛下バンザイ!」



(゜∀゜,;)「くそっ!てめぇら自分の地位が安泰だからって!」



(゜∀゜,;)「……」



(゜∀゜,)「私もどうにかなんない?」



(王・ハ・)「陛下はチャリス島に島流しです」



(゜∀゜,;)「どこだよ!?」





638 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/08/16(土)20:00:00.00 ID:1399336



【傍聴席】



ミ ゜ω゜)「あ、実家」



(ーωー;)「えっ?」




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