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親子が再会するようです

601 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/31(木)18:00:00.00 ID:1399336



【帝都ドナド 玉座の間】



(;,゜∀゜)「なにっ諜報員が裏切ったぁ!?」



(━十━;)「はっ!西ゼリヤ王国・ゴタハにて消息を絶ちまして、周辺を調査した所、何者かと接触した形跡が見つかりました」



(━十━;)「恐らく接触した相手は、勇者かと」



(;,゜∀゜)「ぐっぐぬぬ……あの小僧め、育ててやった恩を忘れたか!」



(#,゜∀゜)「帝国東に展開している調査団を西ゼリヤ王国に集結させろ!確実に勇者を捕らえるのだ!」



(゜∀゜.)「その必要はありませんよ、兄上」



(#,゜∀゜)「ドナド!どうなっている、貴様の子飼いの諜報員が裏切ったぞ!」



(゜∀゜.)「ええ、聞きました。しかし、そんなのは最早どうでもよいことです」



(゜∀゜.)「たった今、女神様覚醒の儀を終えましたので」



(;,゜∀゜)「なっ!?」



(;,゜∀゜)「待て!元老院の承認も得ずにか!?性急すぎる!」



(゜∀゜.)「緊急事態ゆえ致し方ありません。片手間にダラダラと捜索するだけでは、勇者に先手を打たれてしまいます」



(゜∀゜.)「兄上……最悪の場合、アナタが殺されるかもしれないのですよ」



(;,゜∀゜)「……」



(;,゜∀゜)「女神様は、いまどちらへ?」



(゜∀゜.)「北へ、向かっています」





602 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/31(木)18:00:00.00 ID:1399336



【フィオレ王国 受付嬢私室】



ξ*゜⊿゜)ξ「まったく……お父様ったら帝国の言いなりになって!」



ξ*゜⊿゜)ξ「そんな弱腰だから帝国につけこまれるのですわ!」



(=ω=*)「お嬢様、旦那様には旦那様の考えがあるんですよ」



ξ*゜⊿゜)ξ「どうかしらね。国を守る為に国土を切り売りしていては世話ないですわ。世界初の"土地なし王国"でも作る気かしら」



(=ω=*)「斬新なアイデアですね」



ξ*゜⊿゜)ξ「……そうだ!勇者さんに頼むのはどうでしょう!」



(=ω=*)「勇者?伝説の?」



ξ*゜⊿゜)ξ「ええ、冒険者ギルドで働いてた時に出会ったんですわ!すごく強いから、帝国に負けないように騎士団を鍛えて貰うんですわ!」



(=ω=*)「勇者の無駄遣いでは?」



(=ω=*)「それで、勇者さんはどこに居るんです?」



ξ;゜⊿゜)ξ「あ」



(=ω=;)「なにも考えてなかった……」



(;´ハ`)「お嬢様、大変です!」



ξ*゜⊿゜)ξ「あら、どうしたのセバスチャン?そんなに慌てて」



ξ*゜⊿゜)ξ「帝国軍でも攻めてきましたの?」



(=ω=*)「洒落になってないよ」



(;´ハ`)「勇者殿がいらっしゃいました!」



(=ω=;)「……へ?」



ξ*゜⊿゜)ξ「あら!ナイスタイミングですわ!メイドさん、お茶を沸かしておいて頂戴!」





603 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/31(木)18:00:00.00 ID:1399336



【フィオレ王国 領主館】



ξ*゜⊿゜)ξ「勇者さーん」



ξ*゜⊿゜)ξ「お久しぶりで……すわ?」




(;^⊿^)「これはこれはロナルド殿下!まさかご無事だったとは!」



(゜∀゜ )「久しぶりだなフィオレ候。その節は世話になった」




ξ;゜⊿゜)ξ「皇帝陛下ッ!?なぜここにィ!?」



(゜∀゜ )「ん?君は……」



(;´ハ`)「お嬢様、あの方は皇帝陛下の弟君のロナルド様であらせられます」



ξ;゜⊿゜)ξ「え?陛下の弟って、ドナド様だけでは?」



(゜∀゜ )「いやなに、話すと長くなるんだがな……今日、ここへ来た理由と合わせて説明しようか」



(;^⊿^)「それでは、こんな玄関口ではなんですので応接室にでも……」



(ФAФ*)「それじゃ、お言葉に甘えさせてもらいますぅ~」

(ФДФ )「お邪魔しまーす」

(ーωー )「ここがフィオレの領主館か、凝った意匠だなぁ」

[㊤皿㊤天]「タットム式建築ですね」

ミ● ● 彡「ウェルカムドリンクは緑茶をホットで頼む」

(・ω・`)「お腹減ったんで何かつまむものもセットで」

(゜ω゜ 彡「肉と酒!」



(;^⊿^)「……」



(;^⊿^)「なんか前に来た時より多くない?」



 (’A` )「仲間って増えるもんなんで」



(;^⊿^)「……話し合いは別室で行いましょうか」





604 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/31(木)18:00:00.00 ID:1399336



【フィオレ王国 領主館 会議室】



(・∀・ )「かくかくしかじか」



(;^⊿^)「なるほどいまの皇帝陛下を……」



(^ω^ )「このやり取りも飽きてきたな」



 (’A` )「まぁ多分これが最後だ」



ξ*゜⊿゜)ξ「お父様、これですわ!私達も勇者さんに協力しましょう!そうすれば皇帝の無茶な要求に従う必要もなくなりますわ!」



(;^⊿^)「う、うむ。たしかに西ゼリヤ王国もロナルド様を支持しているとなれば勝ち目はあるのでしょうな……しかし」



(;ー⊿ー)「しかし……いま少し、考える時間を頂けませんか?」



ξ#゜⊿゜)ξ「お父様!なぜですの!?なにをそんな気にすることがありましょうか!」



(゜、゜*)「色々とあると思うけど」



(゜∀゜ )「ああ。言っちゃなんだがリスクも大きい。俺が無事皇帝になれると決まってるワケじゃねぇしな」



(;^⊿^)「……ロナルド様に実力がないと言っているワケではありませんが、私は恐ろしいのです。もしも帝国が、貴方様に協力した者たちへ報復を開始した時のことを考えると」



ξ*゜⊿゜)ξ「勇者さんがいるから大丈夫ですわ!」



 (’A`;)「信頼が厚すぎる……」



(;^⊿^)「勇者殿の実力も知っています。しかし、向こうには女神様のご加護が……」



ξ*゜⊿゜)ξ「また"ご加護"ですの?それを言うなら、私達だって聖アガメマス教徒ですわ?女神様のご加護なら、私達にもついていますわ!」



(;^⊿^)「いや、"ご加護"というのは、そういうのではなくてな」



 フィオレ国王が口を挟んだその時だった。領主館全体に金切り声が響き渡った。



「キィヤァァァァァァッ!!!」



(;^⊿^)「なっなんだァっ!?」



(^ω^;)「この声、行商のオバちゃん!?」



(゜、゜;)「もしかして……」



(゜∀゜;)「帝国の奴らに勘付かれたか!?」





605 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/31(木)18:00:00.00 ID:1399336



【フィオレ王国 領主館 応接室】



 悲鳴の現場では、お茶を運んできたメイドと行商人一家が、目を見開き石のように固まっていた。



(;ФAФ)「ア、アンタ。まさか」



(;゜ω゜)「…………」



(;ФДФ)「ウソだろ」



(=ω=;)「えっ、えっ?」



 三人の顔を何回も何回も見て、彼女は恐る恐る、蜘蛛の糸に縋るようにそっと訊ねた。



(=ω=;)「お兄ちゃん……?」



(;ФДФ)「……ああ」



(=ω=;)「お父さん?」



(;゜ω゜)「こりゃあ、たまげたな……」



(つω〒*)「お……お母さん!」



(;ФAФ)「……」



 十年前に生き別れた家族が、いままさに目の前にいる。その事実は彼女の感情を昂らせた。涙を迸らせながら母親に彼女は駆け寄ると、その胸に強く抱きついた。



(つω〒*)「お母さん!お母さぁん!」



(;ФAФ)「……」



 しかし行商人の方は、現実を受け止めるのに時間がかかっているのか、娘に抱きつかれながら、ただ呆然としていた。無理もない。娘とは戦火の中で散り散りになり、もはや亡くなったと思っていたのだ。



(;ФAФ)「あ、幽霊?」



(つω〒;)「生きてるよ!」



(;ФAФ)「そうか、そうよね……生きてる、生きてる」



(;ФAФ)「……」



 本人も気づかぬ内に、行商人の目にみるみる涙が溜まってゆく。それが決壊するのに、さほど時間はかからなかった。



(;τAτ)「あ……あぁ……」



(;τAτ)「あぁぁぁ!よかったなぁ!生きてててよかったなぁ!」



(つω〒*)「うん!生きてるよ!お母さん、お父さん!私、生きてるよ!」



( つωT)「あぁ……」





(^ω^ )「……なんか急いできたけど……」



(^ω^ )「どういうこと?」



( ・∀・)「だいたい分かるでしょ。感動の親子の再会だよ」



(゜、゜*)「昔、戦争に巻き込まれたりとか言ってなかった?」



(゜、゜*)「あのメイドの子ってずっとここで働いてるの?」



ξ*゜⊿゜)ξ「元々はブルシットのメイド長でしたわ。私が魔王城から解放された時に一緒に解雇されちゃったから、実家のメイドとして雇ったんですわ。いい子ですわ」



(゜、゜*)「そう。魔王の侵略に巻き込まれたのかしらね」



ξ*゜⊿゜)ξ「いいえ、実はあの子も故郷はフィオレみたいですの。詳しくは話してくれませんでしたけど」



(゜∀゜ )「……フィオレで戦争に巻き込まれた?」



(゜∀゜;)「……まさか!」





606 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/31(木)18:00:00.00 ID:1399336



 親子が再会を果たしたその時。フィオレ国王の館の上空で神々しい光が羽ばたいた。



( ΘωΘ)「どうやら、ここにいるようですね」



( ΘωΘ)「ここで神の雷を落とせば、勇者を殺すことは可能ですが……無関係の信徒を巻き込んでしまいますね」



( ΘωΘ)「それはいけません。無差別大量殺人など預言書に(もと)ります」



( ΘωΘ)「直接、手を下すことにしましょう」



( ΘωΘ)「勇者……いえ、平和を乱す者よ」



( ΘωΘ)「裁きの時です」




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