狐は騙されていたようです その①
584 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/26(土)18:00:00.00 ID:1399336
【猩々寺】
从*ー⊿ー从「なるほどなるほど。マルク皇帝を引きずり降ろし、そこの弟をその座に据えると」
从゜ワ゜*从「いいじゃんそれ!エフワードなら強いから、私いいよ!」
(十AФ;)「オミカ……国の主は強さで決めるものではないぞ」
( 十AФ)「勇者殿も、その者に皇帝としての資格を感じ取ったのだろう?聞かせてくれ」
(・∀・ )「え?そこら辺にいたから……『あ、コイツ皇帝にしたれ』って」
( 十AФ)「聞かなきゃよかった」
从゜ワ゜*从「理由なんてどうでもいいじゃん。リーダーに必要なのは強さとカリスマ性、アイドルと同じだよ!」
(゜∀゜ )「アイドルと同じかは知らねぇけど、ガッデムの言う通りだ。理由なんて後からついてくる」
( 十AФ)「……ふむ、何故だろう。オミカが言っても薄っぺらいのに、ロナルド殿から同じ事を聞くと説得力がある」
(’A` )「カリスマ性の差じゃね?」
从#゜ワ゜从「なんつったテメェっ!!」
(’A`;)「うわっ!ひっかくな!」
( 十AФ)「そういう所だ、オミカ」
从#゜ワ゜从「つーかババァッ!いつまで悩んでんのよ!?」
从;ー⊿ー从「う~~ん……うぅ~~~ん…………」
从;ー⊿ー从「うぅぅぅう~~~~~~~~ん」
(゜、゜*)「いくらなんでも悩みすぎでしょ」
(^ω^ )「深夜の冷蔵庫みてぇな音だな」
从;゜⊿゜从「いや、しかしじゃな……皇帝交代を容認することは、皇帝のもう一人の弟ドナドを裏切ることになる」
从;ー⊿ー从「信仰は違えど聖アガメマス教会には世話になっとるし、そう安安と縁を切ることなどできんのじゃ」
ミ● ● 彡「……我々タヌキは早々に裏切ったくせに」
从#゜⊿゜从「隠神、聞き捨てならんぞ!わしがいつお前らを裏切った!?」
ミ● ●#彡「なに!?忘れたとは言わせんぞ!街道の建設会社から裏金を貰ったのは貴様じゃないか!」
从゜ワ゜#从「はぁっ!?なにそれっ??」
(十AФ;)「ババ様、どういうことですか?」
从;゜⊿゜从「あっちがう、ちがうぞ。あれは……」
ミ● ●#彡「なにが違う!言い分があれば答えろ!」
从゜ワ゜#从「ババアどういうつもり!?私達の森を奪った奴らと一緒になって、私達を騙してたってこと!?」
(十AФ;)「オ、オミカ。落ち着け」
从;゜⊿゜从「ち……ちがちがわ」
从*T⊿T从「わ、わぁ」
(^ω^;)「泣いちゃった……!」
从*T⊿T从「わしは、わしは……っ」
从*T⊿T从「わしは騙されたんじゃああああっ!!」
ミ● ●;彡「……へ?」
585 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/26(土)18:00:00.00 ID:1399336
【猩々寺】
从*つ⊿T从「たしかにわしは建設会社の社員から金を受け取った……ただ、それは賄賂じゃあない。強引な建設行為を悔やんだ社員本人からの浄財じゃと、そう言われたんじゃあ」
从*つ⊿T从「わしはぁその浄財が少しでもタヌキの里の助けになればとぉ……」
从*;⊿;从「じゃが、それは全くのデタラメ、詐欺じゃった!その社員はリナイ神社の土地を狙っておったんじゃ!」
ミ● ●;彡「なぜ土地を狙う奴がお前に金を渡すんだ」
从*;⊿;从「あやつ言葉巧みに土地売買契約書に御朱印を書かせようとしとったたんじゃ!」
(’A` )「んなもん無効に決まってんだろ」
从*;⊿;从「じゃが金は既に受け取ってしまった!それを売買だと言い張られたら、獣人であるわしは裁判に勝てん!」
(゜、゜;)「そうなの?」
(゜∀゜ )「まぁ、当時はな」
从*;⊿;从「隠神よ、あの時お前が本堂に乗り込んで来たから、間一髪で御朱印をせんで助かったのじゃ」
从*;⊿;从「勘違いされたのは分かっとった……じゃがわしは、お前にずっと礼を言いたかったんじゃ……」
ミ● ●;彡「くっ……」
ミ● ●;彡「だが、我の怒りはそれだけではないぞ!お前は人間との交渉の日に来なかったじゃないか!」
从;・⊿・从「なっなにを!わしに裏切られたと思うて、交渉に来なかったのはお前じゃないか!」
ミ● ●;彡「はぁっ?なにを言っている!お前が交渉は始まっても来なかったじゃないか!だから我はリナイ神社に行ったんだ!」
从;・⊿・从「おぁっ?お、お前もしかして……交渉の日付を間違えたんか!?」
从;・⊿・从「たしかに一度だけ日付変更があったが、手紙を送ったじゃろう。『向こう都合で13日に変更』じゃと!」
ミ● ●;彡「なに!?交渉は12日だっただろうが!」
从*・⊿・从「いやいや13日じゃったって。お前が読み間違えたんじゃないのか?」
ミ● ●#彡「なにをっ!?」
隠神は懐に手を突っ込んだかとおもうと、一通の手紙を取り出した。
ミ● ●#彡「見ろ、この手紙を!あの時、お前から送られてきた手紙だ!ちゃんと12日と書かれている!お前の筆跡だ!」
从;・⊿・从「!?!?」
ミ● ●#彡「……」
从;・⊿・从「たしかに、わしの字じゃ」
从;・⊿・从「わしが間違えてしもうたんか?わしの勘違いで、タヌキの里が?」
ミ● ●;彡「!」
从*T⊿T从「そんなぁ」
ミ● ●;彡「……」
ミ● ●;彡「だが」
从*T⊿T从「?」
ミ● ●;彡「お前は裏切っていなかった」
ミ● ●;彡「それを知れてよかった」
从*T⊿T从「隠神……」
(・∀・ )「あの、ごめんなさい。ちょっといい?」
(゜、゜*)「なによアンタ。今いいところじゃない」
(・∀・ )「いや、二人の話に変なトコロがあってさ」
ミ;● ●彡「変なトコロ?」
(・∀・ )「キツネ婆さんは人間側の都合で交渉日を変更したって言ってたけど……タヌキ爺さんは交渉が始まったって言ってたよね」
(・∀・ )「じゃあタヌキと交渉してたのは誰?」
ミ;● ●彡「たしかに!」
从;・⊿・从「口論に夢中で気づかんかった!」
(゜∀゜ )「その時の人間側の交渉役は誰だ?ミラノフか?」
从;・⊿・从「い、いや。街道建設は帝国主体で行われておった。あの時の帝国代表は……」
从;ー⊿ー从「……まさか……」
从;・⊿・从「……………………ドナドじゃ」
(・∀・ )「じゃあ裏切ったの、ドナドじゃない?」




