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One for all, All for one~つくろう、あたらしいミライ~

579 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/24(木)18:00:00.00 ID:1399336



 新世界秩序構想を完成させた勇者達。彼らは一般市民に酷評だったスローガン【One for all, All for one~つくろう、あたらしいミライ~】を抜本的に変更すると、その足で西ゼリヤ国王・ミラノフ=ウリアードの下へと赴いた。



【西ゼリヤ王国 アロスティ城】



(・ハ・王)「なるほど。そこにおわす皇帝の弟君こそ、真の皇帝に相応しいとな」



( ・∀・)「はい、これが私共の考える新世界秩序……スローガンは【明日をつくる、国づくり~あなたの『好き』が、きっと見つかる~】です」



(・ハ・王)「しかし……はて。皇帝の弟君はドナド様ただひとりのハズでは?」



( ゜∀゜)「とぼけるなミラノフ王、何度も会ったコトあんだろ。なんならお前らんとこの騎士団長に確認させるか?」



(ーハ・王)「……いや」



(・ハ・王)「その口の利き方で貴方様だと分かりますよ、ロナルド(・・・・)殿下」



( ・∀・)「ロナルド?」



 (’A` )「ロナルド?」



(゜、゜*)「ロナルド?」



(^ω^ )「ロナルド?」



( ゜∀゜)「ロナルド?」



(・ハ・;)「いやアナタがその反応はおかしいでしょ」



( ゜∀゜)「……」



(;゜∀゜)「あ、そっか。ロナルドって俺の名前か!」



(^ω^ )「自分の名前忘れるってそんなコトある?」



(;゜∀゜)「何年も偽名で過ごしてたからなぁ」



(・ハ・;)「……まぁ詳細は聞かないでおきますよ。現に、ロナルド殿下は夭折されたことになっていますしね」



( ゜∀゜)「へぇ、そんな扱いなのか。完全に存在が消されてる訳じゃないのな」



( ゜∀゜)「まぁ今となっちゃ、そこら辺は些細なことだ。それよりもミラノフ王、どうだ俺達と一緒に帝国を新しくしねぇか?」



(ーハー王)「……はぁ、ロナルド殿下も無茶を言いなさる」



(ーハー王)「……」



(・ハ・王)「いいよ」



( ^ω^)「いいんだ」



(・ハ・王)「うむ、殿下には悪いが、今の皇帝陛下には思うところがある」



(・ハ・王)「魔王を生んだのは帝国の歴史であって、陛下自身が引き起こしたものではない……とはいえ、魔王に対して有効打を打つことができず、だらだらと戦争を長期化させ、遂には一度帝都を落とされてしまった。これは、陛下自身に帝国の平和を守りきる力量が不足している証左に他ならない」



(・ハー王)「現在は帝都復興に奔走しているが、それも随分と強権的で……おっと、これはいいか」



(・ハ・王)「つまるところ殿下、そして勇者殿。貴方達に協力しましょう」



(;・∀・)「っ!はい、ありがとうございます!」



( ゜∀゜)「感謝する、ミラノフ王」



( ゜∀゜)「それと……すまないが、即位後の国際秩序を整えるためにも、今のうちからエルフ達とも歩調を合わせておきたい。頼めるか?」



(・ハ・王)「分かりました殿下。早急に密使を遣わせようと思います……が」



( ゜∀゜)「が?」



(・ハ・王)「ひとつ意見がございます」



( ゜∀゜)「ああ、そんなことか。いいぞ、なんだ?」



(・ハ・王)「スローガン変えろ」





580 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/24(木)18:00:00.00 ID:1399336



 さて西ゼリヤ国王との協力を取り付けることに成功した勇者達は、その成功体験の勢いを残したまま、スローガンだけは修正しつつ、ラクシズへと向かった……



【蒸気都市ラクシズ 市庁舎】



(ラハ` )「なるほど……それが勇者殿の新世界秩序という事ですね」



( ・∀・)「はい」



( ・∀・)「ちなみにスローガンは【一人ひとりが輝ける"くに"~つながりがつくる、僕らの未来~】です」



(ラハ` )「まずスローガンは変えましょうか」



( ・∀・)「はい……」



(ラハ` )「しかし、それ以外は十分に賛同できます。西ゼリヤ王国が支持しているのであれば……そうですね、私共もぜひ参画しましょう」



( ・∀・)「本当ですか!!ありがとうございます!」



(ラハ`;)「いえいえ。勇者殿には以前ラクシズの危機を救って頂いたご恩がありますしね……ははは」



(゜、゜*)「本当にそれだけ?」



(ラハ`;)「うっ……いやはや盗賊殿は人の機微をよく見ておられですね」



(ラハ`;)「実は先日、帝都より通達が来ましてね。要約すると、戦後復興の為にタービンタワーの経営権を皇帝家に寄越せと」



(#ラハ`)「ふざけた話です。ラクシズのタービンタワーが停止した時も、市がエネルギー転換事業を行っていた時も、戦争を理由に援助を断り続けてきたくせに、タービンタワーの運転再開の目処が立った途端にこれですよ!」



 (;’A`)「市長、かなり怒ってんな」



(゜、゜;)「そりゃあ、やってることは強盗と変わらないもの」



(ラハ`#)「殿下、貴方はタービンタワーの接収など考えていませんよね!?あれはラクシズの歴史であり象徴なのです!」



(;゜∀゜)「いっいや、そんなこと考えてもいなかったな」



(ラハ`*)「ならOKです!」



(;゜∀゜)「ああ……感謝する」





581 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/24(木)18:00:00.00 ID:1399336



 こうして、西ゼリヤ王国とラクシズを味方につけた勇者達。彼らはラクシズの宿にてささやかに祝杯をあげることにした。



【ホテル・ラクシズ】



( ゜∀゜)「えー、これで西ゼリヤ王国とラクシズの協力を得られたということで、えー……」



( ゜∀゜)「えー……」



(;゜∀゜)「乾杯っ!」



 (’A` )「懐かしいな、この感じのグダグダな挨拶」



(゜、゜*)「後輩にいきなり挨拶を振られた先輩社員がしがちよね」



( ^ω^)「スパイ組織にも飲み会ってあんの?」



( ・∀・)「……はぁ」



 しかしグラスの掲げる道化師は、どこか浮かない表情をしていた。



(^ω^ )「どうした道化師、どこか悪いのか?」



( ・∀・)「うん……」



( ・∀・)「俺の考えたスローガン、なにが悪かったんだろうって……」



(^ω^ )「ぜんぶ」



(;・∀・)「センス!?」



(^ω^ )「まぁそれも込みだよ、耳の悪さも」



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