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勇者達は海賊船の船長と再会するようです

【登場人物紹介】


( ^ω^)【戦士(ウォリアー)】:レスラー体型勇者。バカンスといえばハワイ。行ったことはない。


 ( ’A`)【魔法使い(ウィザード)】:ヒョロガリ勇者。バカンスとは言わないまでも休みが欲しかった。10年くらい。


(゜、゜*)【盗賊(シーフ)】:スタイルグンバツ勇者。リゾート会員権を持っている。自分で泊まったことはない。


( ・∀・)【道化師(クラウン)】:イケメンハイスペ勇者。バカンスといえばハワイ。毎年行ってた。


(*ФAФ)【行商人】:行商のオバちゃん。年齢も年齢だし子供も独り立ちしたので、そろそろバカンスでもと思っている。


( ーωー)【旦那】:行商人の旦那さん。保養地に行くなら温泉があるとこがいいなと思っている。


( ФДФ)【息子】:行商人の長男。バカンスそのものより、一緒に行ってくれる恋人がほしい。


从*゜∀从【船長】:セルコア海賊団の女船長。若い頃は夫と共にリゾート地に向かう豪華客船を略奪したりしていた。

562 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/20(日)18:00:00.00 ID:1399336



( ノ∀`)「勇者様。ここから南へ行った港街に迎えの船を寄越すように伝えました」



(・∀・ )「ありがとうキュミノー君」



(^ω^ )「それじゃあさっそく出発だな!」



(■ー■ 川「バカか。たったいま連絡したばかりなのだ。そんなに早く船が着くはずもないだろう」



(^ω^ )「あ。そっか。どれくらいで到着するか分かる?」



( ノ∀`)「約2週間で港街に到着するようです」



(^ω^ )「待機時間が長すぎる」



( ゜∀゜)「船なんてそんなもんだ」



( ゜∀゜)「まぁ、ここから港まで馬車使って数日はかかる。準備期間として考えりゃ、そんな悠長でもないだろ」



(゜、゜*)「そうね。この間に色々と作戦をブラッシュアップしときましょう」



( ・∀・)「エルフたちへの手土産とかも用意しないとね」



(^ω^ )「……」



( ^ω^)「ねぇジジイ、転移魔法は使えないの?」



ミ● ● 彡「使えないのではない……!」



ミ● ● 彡「使いたくないのだ……カッカッカ」



( ^ω^)「狸爺がよぉ」



──こうして勇者は西ゼリヤ王国のエルフの村に向かう船に乗るため、元・魔界の港街へと来たのだった。





563 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/20(日)18:00:00.00 ID:1399336



【元・魔界の港街・チミンショク】



从*゜∀从「やぁやぁ、久しぶりだな勇者サマ」



(^ω^ )「おかげさまで」



从*゜∀从「キュミノーから聞いたぜ、遂にお尋ね者だってな。おめでとさん」



 (’A`;)「祝われることじゃないんだよなぁ」



从*゜∀从「しっかし、またエルフの村かい。西へ東へ大忙しだな。今度はどんなお使いだ?それとも逃避行か?」



(^ω^ )「う~ん、営業?」



从*゜∀从「営業?」



(・∀・ )「詳しくは船の上で話すよ。この街にもあまり長居したくはないからね」



(゜、゜*)「昨日あたりから警備の人数が多くなったのよ」



从*゜∀从「ハッハッハ。こうなりゃ勇者の肩書きも形無しだな!」



(゜、゜*)「無かったことにされたからね」





564 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/20(日)18:00:00.00 ID:1399336



【海賊船ジョリー号】



(ФAФ*)「アタシ、こんな大きな船で船旅なんて初めてよぉ」



(ーωー )「僕もだよ。いやぁ、海はいいねぇ」



(ーωー )「そうだ。知ってるかい?南の方には、こんな船をひっくり返してしまうほどの嵐が常に吹き荒れている海域があるんだ」



(ФAФ*)「なんでそんな怖い話すんの。南といったら嵐なんぞよりリゾートやろ」



(*ФAФ)「そうや!この旅が終わったら家族全員で南のリゾートに行かんか?」



(ーωー )「おっいいじゃないか。たまには気晴らしに」



(*ФAФ)「せやろ?なぁ、アンタも」



(ФДФ )「……」



(*ФAФ)「どうしたん?」



(ФДФ )「……流れでついてきたけど、仕事どうしよう」




 初めての船旅に浮かれた行商人一家を横目に、勇者達から事の経緯を聞いた船長が深いため息を吐いた。



从;ー∀从「はぁ~~~相変わらずバカなこと考えるなぁ、アンタらは」



从;゜∀从「お嬢ちゃんを助ける為とはいえ、マルク帝国の頭を挿げ替えようなんてトチ狂ってる」



 (’A` )「それ、褒め言葉か?」



从*゜∀从「心からの誹謗中傷さ」



(・∀・ )「どうですか、船長さんも一枚噛んでみません?きっと武王くんがよりよい国にしてくれるハズですよ」



(゜∀゜ )「保障はしねぇけどな」



从*ー∀从「……アタシら海賊は海に生きる人間よぉ」



从*゜∀从「すまんが陸の政治にゃ興味ないね」



(・∀・ )「そうですか……残念だけど仕方ないね」



(^ω^ )「あれ?でも今はキュミノー君の家の商船で稼いでるんじゃなかった?」



从*゜∀从「表向きはな。中身はしっかり海賊よ」



从*゜∀从「まぁ、今回のよく分からん作戦に首を突っ込む気はないけどよ、もし作戦が失敗して、晴れて身も心もアウトローになったらアタシのところに来な」



从*゜∀从「いい就職先を紹介してやるよ」



 (’A` )「海賊になることを就職の範疇に収めていいの?」



(゜、゜*)「いやよ。生計立てるために略奪するなんて」



从*ー∀从「いやいや、略奪なんてもう古い。今はもっと賢い稼ぎ方があんだよ」



(^ω^ )「なにすんの?」



从*゜∀从「北の海でのカニ密漁」



(^ω^ )「俺の人生は結局そこにたどり着いちまうのか」





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