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武王は覚悟を決めるようです

【登場人物紹介】


( ^ω^)【戦士(ウォリアー)】:レスラー体型勇者。候補者が自分しかいない学級委員長選挙で落選した。


 ( ’A`)【魔法使い(ウィザード)】:ヒョロガリ勇者。学級委員や生徒会という組織に関わったことがない。というか学生時代にリーダーになった経験がない。


(゜、゜*)【盗賊(シーフ)】:スタイルグンバツ勇者。一回だけ学級委員になったことがあるが、なにかしたという記憶はない。


( ・∀・)【道化師(クラウン)】:イケメンハイスペ勇者。中学生の時に生徒会副会長だった。


( ノ∀`)【キュミノー君】:西ゼリヤ王国の貴族の息子。今まさに人生で初のリーダー職に就いている。


(゜∀゜ )【武王】:元・魔王四天王の武人。自分は上に立つには向いていないと思っている。


(■ー■ 川【ブルーシー】:元・魔王四天王の"鉄王"ブルシットの仮の姿。大多数の民衆の前で演説すると、とても気分が昂ってくる。


[㊤皿㊤天]【水の大天使】:四大天使のゴーレム。女神の端末であるという意識しかない。


(*ФAФ)【行商人】:行商のオバちゃん。人を引っ張る気質はあるが、会社組織は向かないタイプ。


(ーωー )【旦那】:行商人の旦那さん。いつもは妻をたてているが、やるときゃやる男。


( ФДФ)【息子】:行商人の長男。魔王軍工兵科では班長だった。魔王軍部隊の最小単位で、班長1人に対し班員は3人。


ミ ● ●彡【隠神】:狸獣人の長老。面倒事は部下の狸影に放り投げているつもり。


558 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/19(土)18:00:00.00 ID:1399336



【前回のあらすじ】



( ・∀・)「武王を皇帝になれば、俺達が安全に帝都に入れる」



( ・∀・)「西ゼリヤ王国とラクシズと獣人とエルフを仲間にすれば、現皇帝に対して圧力をかけられる。彼らを仲間にするために……」



( ・∀・)「もっかい世界を周ろう!」



(゜∀゜ )「目的に対して手段が大きすぎる」





559 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/19(土)18:00:00.00 ID:1399336



【カナイ・デ・ハナイ 市庁舎】



( ・∀・)「そうと決まれば、さっそく準備だ!」



(゜∀゜;)「いや待て!まだ決まってねぇだろ!」



( ゜∀゜)「他の戦士ども!お前らもさっきから黙ってねぇで、コイツに反論しろ!やろうとしてることがメチャクチャだ!」



(゜、゜*)「……」



(゜、゜*)「いや、悪くないかもしれない」



( ゜∀゜)「てめぇも気が触れたか」



(゜、゜*)「正気よ。でも考えてみると、ただ私達が潜入して修道女ちゃんを助け出しても、その後が問題なのよね」



( ゜∀゜)「その後」



(゜、゜*)「結局、私達は帝国からすれば逃亡犯に過ぎない訳だから、どうやって生活していくのかって話よ。修道女ちゃんだって捕まれば死刑になるでしょう?」



( ゜∀゜)「隠神ジジイの里に匿ってもらえばいいんじゃねぇか?」



(゜、゜*)「あんまり迷惑かけたくないの。それに追手に怯えて隠れて生きるなんて、もう嫌なのよ」



(゜、゜*)「それより、なによりの問題は……修道女ちゃんが居なくなったところで、皇帝達はまた新しい"形代の女神"を造るってことよ」



(゜、゜*)「"形代の女神"が、現状でどういう働きをしてるのか分からないけど……誰かを生贄にする慣習なんて、なくしたほうがいいわ」



(■ー■ 川「当然、スペアなり用意しているだろうな。高弟ドナドという男は」



( ゜∀゜)「……魔法使いは?」



 (’A` )「俺も姐さんの案に賛成だな」



(;゜∀゜)「……」



(^ω^*)←俺にも賛成か反対か聞いてくれよの顔



(;ー∀゜)「……戦士は?」



(^ω^*)「皇帝に吠え面をかかせてやりてぇ!」



(^ω^*)「暴力はしねぇけどな!」



( ゜∀゜)「武力を盾にした譲位要求なんざ、殆ど暴力なんだよ」



(*・∀・)「よっしゃ満場一致!さっそく準備だ!」



(゜∀゜#)「待て!まだ俺が賛成してねぇだろ!」



 ( ’A`)「残念だが俺達のチームは民主主義でな」



(゜∀゜;)「ぐぬ……」



(;゜∀゜)「おい!ブルシット!キュミノー君!」



(ノ∀` )「僕は勇者様に従います!」



(■ー■ 川「はっはっは。勇者の案、実に面白いじゃないか。私も賛成だ」



(■ー■ 川「それに元々、魔王様が勝利した場合にもドナドの玉座は貴様のモノになるはずだったのだ。すこし物事の流れが変わっただけだろう?」



(;゜∀゜)「ぐっ……」



 ( ’A`)「そうなの?」



(■ー■ 川「ああ。ただ当然だが都は遷都するし、武王も皇帝でもなんでもない、地方都市の知事として就任するだけだがな」



(ノ∀`*)「僕と同じですね!」



(;゜∀゜)「一緒にするな!」



(■ー■ 川「しかし勇者。仲間にする勢力は、まだ足りないぞ」



(;・∀・)「えっホント?」



(■ー■ 川「まずは旧アガメマス帝国地域……つまりは魔王様が支配していた、この辺り一帯の帝国東部地方だ」



(■ー■ 川「魔王様の敗北で、我々に従っていた領主や貴族の多くは没落してしまった。しかし、どんな弱小勢力でも身を寄せ合えば、それなりの勢力になる」



( ・∀・)「なるほど、ブルシットがその人達をとりなしてくれると」



(■ー■ 川「ああ。むしろ、貴様ら勇者にはできないだろうな」



(゜、゜*)「自分たちを没落させた原因だものね」



(■ー■ 川「そして、貴様らが仲間にすべきもう一つの勢力……!」



(■ー■ 川「それは……」



(ノ∀`*)「帝国北部のフィオレ王国です!」



(■ー■#川「貴様ッ!ここ一番を横取りするな!」



(゜、゜;)「あぁ、受付嬢さんね……」



(■ー■#川「そうだ!姫が私の敵方につくことなど二度とあってはならぬ!」



(■ー■#川「他の勢力など実質どうでもいい!フィオレ王国……いや、姫だけは仲間に!」



(ー、ー;)「あ~~はいはい。分かった分かった」



(*・∀・)「よっしゃ!これで6対1、武王擁立派の勝ちぃ!」



(*・∀・)「さっそく準備に……」



(゜∀゜;)「まっ待て!まだ行商人一家3人と隠神ジジイとゴーレムがいるだろ!」



(゜∀゜ )「コイツら全員が反対すれば6対6で同票だ!!」



(;・∀・)「粘るなぁ……」



(^ω^ )「まぁ学級委員長とか就きたがる奴なんて殆どいないしな」



 (’A` )「スケールが違いすぎる」



(゜、゜*)「根っこは同じでしょ。めんどくさいし」



(゜∀゜#)「そもそも俺の意志が無視されてんだよ!」



( ・∀・)「自分の意志で皇帝になる人の方が少ないんじゃない?」





560 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/19(土)18:00:00.00 ID:1399336



【コーポ手羽元】



( ・∀・)「……という訳でアンケートです。武王くんが皇帝になるのに賛成な人!」



[㊤皿㊤天]「はい」



(ФAФ*)「はい」



(ーωー )「はい」



(ФДФ )「はい」



( ・∀・)「はい。それでは9対1で武王くんには皇帝になってもらいます!」



(*・∀・)「拍手ッ!」



(ФAФ*)「わぁ~~」パチパチ



(ーωー )「おめでとぉ~~」パチパチ



(゜∀゜;)「待て待て待て待て!なんでアンタらは賛成なんだ!?俺が皇帝になって、アンタらになんの得がある?」



[天㊤皿㊤]「僕は勇者様の意思決定に従うよう設計されています」



(゜∀゜;)「AIに参政権は早すぎたか……ッ!」



(*ФAФ)「それになぁ。昼間、街で行商しとったらお客さんが教えてくれたんやけど、皇帝が税金を上げるらしいのよ」



(*ФAФ)「教会税に贅沢税、人頭税も値上がりするし、関税も増える。消費税なんてのも新しくできるみたいね」



(ーωー )「もろもろ合わせて九公一民だね」



(*ФAФ)「そんなに取られたら、うちら庶民は生きてかれへんわぁ」



(゜∀゜;)「なっ!バカ兄貴……!」



 (’A`;)「復興の為に増税は仕方ないとはいえ、やりすぎだろ」



(ーωー )「だね。それを変えてくれるなら僕は賛成だね」



(ФДФ )「俺は……まぁ魔王軍にいたし、むこうの皇帝に好い印象はないですし」



(ФДФ*)「それに武王様なら、もっと良い治世を行ってくれると思います!」



(;ー∀゜)「くっ!善良な一般庶民の期待が辛い……ッ!」



(;゜∀゜)「だがアンタら、俺はただ強いだけの男だぞ?いまのマルク皇帝より悪徳な王になるかもしれんぞ?」



(ФAФ*)「ん~……?」



(;゜∀゜)「なんだ、じっと見てきて」



(ФAФ*)「うん、アンタは大丈夫や。そんな悪いことはせん!」



(;゜∀゜)「はぁ?なにを根拠に……」



(ФAФ*)「商売人の勘や」



 (’A` )「根拠はなかった」



(ーωー )「いやいや意外と当たるんだよコレが。それで命拾いしたこともある」



(;゜∀゜)「はぁ……そうかい」



(;ー∀゜)「……」



(;゜∀゜)「……分かったよ、俺が皇帝になるよ」



(^ω^ )「ようやく腹を決めたか」



( ゜∀゜)「ああ。お前らアホ勇者には、なに言われても響かねぇけどよ」



(^ω^ )「誰がアホ勇者じゃい」



 (’A` )「少なくともお前」



( ゜∀゜)「民に"なってくれ"と言われちゃあ……やるしかねぇよな!」



( ・∀・)「よっしゃ!ありがとう!さっそく準備だ!キュミノー君経由で船を呼べぇッ!」



( ・∀・)「まず目指すはウッソー原生林!エルフを仲間に引き込むぞォ!」





561 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/19(土)18:00:00.00 ID:1399336



(^ω^ )「ところで隠神爺さんが投票してなくね?」



ミ ● ●彡「そもそも我はお前らの仲間になった覚えはない」



(^ω^ )「ハナから武王の勝つ可能性ゼロで草」



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