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キュミノー君は成り上がったようです

【登場人物紹介】


( ^ω^)【戦士(ウォリアー)】:レスラー体型勇者。キュミノー君の知事就任を知り、感情に任せて市庁舎に押しかけた。


 ( ’A`)【魔法使い(ウィザード)】:ヒョロガリ勇者。キュミノー君の知事就任を知り、感情に任せて市庁舎に押しかけた戦士の背中を追いかけた。


(゜、゜*)【盗賊(シーフ)】:スタイルグンバツ勇者。キュミノー君の知事就任を知り、感情に任せて市庁舎に押しかけた戦士の背中を追いかけた魔法使いと一緒に来た。


( ・∀・)【道化師(クラウン)】:イケメンハイスペ勇者。途中で一回コンビニに寄った。


( ノ∀`)【キュミノー君】:西ゼリヤ王国の貴族の息子。新しくカナイ・デ・ハナイの知事に就任した。


(゜∀゜ )【武王】:元・魔王四天王の武人。実はマルク帝国皇帝の末弟。


(■ー■ 川【ブルーシー】:キュミノー君の妻を名乗る女性。その正体は元・魔王四天王の"鉄王"ブルシット、その人である。



<今回は登場しない人物>

[㊤皿㊤天]【水の大天使】:四大天使のゴーレム。コーポ手羽元でお留守番している。


(*ФAФ)【行商人】:行商のオバちゃん。知事就任のパレードで賑いを見せる大通りで行商に精を出している。


(ーωー )【旦那】:行商人の旦那さん。小売は奥さんに任せ、商材の仕入れ中。


( ФДФ)【息子】:行商人の長男。折角の休みなのに、母親の横で必死で会計を担当している。


ミ ● ●彡【隠神】:狸獣人の長老。せっかくなので初めて来た街を散歩している。

550 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/17(木)18:00:00.00 ID:1399336



【カナイ・デ・ハナイ 庁舎】



(O∀O;)「新知事殿、お忙しいところ失礼します!」



( ノ∀`)「はい。どうしましたか?」



(O∀O;)「実は、新知事殿のお知り合いを名乗る者たちがロビーに押しかけてまして」



( ノ∀`)「知り合い?ここまで東方に来たのは、今日が初めてなのですが……まぁいいでしょう。連れてきてください」





551 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/17(木)18:00:00.00 ID:1399336



(^ω^#)「おらぁ!キュミノー君よぉ!久しぶりじゃねぇかコラ!」



(*ノ∀`)「勇者様!?」



(*ノ∀`)「驚きました!まさか生きておられたとは!!」



 (’A` )「驚いたのはこっちだよ」



 (’A` )「なにこの短期間で結婚してんだ」



(・∀・ )「しかも元・魔王四天王の人と」



(゜、゜*)「というかアンタ、受付嬢さんが好きなんじゃなかったの?」



(;ノ∀`)「いや、あのこれには深いワケが……」



(゜、゜*)「言ってみなさい」



( ノ∀`)「話してみると意外と趣味が合うって分かったんですよ」



(゜、゜*)「浅瀬じゃない」



(・∀・ )「まぁ同じ人を好きだったから説得力はあるよね」





551 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/17(木)18:00:00.00 ID:1399336



(■ー■ 川「なんだ"武王"、貴様生きていたのか」



(゜∀゜ )「お前もなブルシット。つーか、お前は女好きじゃなかったか?やめたの?」



(■ー■ 川「ふん、馬鹿なことを。これは政略結婚というものだ。私にとって、この選択が生き残る上での最適解だったに過ぎん」



(■ー■*川「心の中には常に"姫"がいるのだ」



(゜∀゜ )「相変わらずキメェな」



(■ー■*川「それよりも、なぜ貴様が勇者達と一緒にいるのだ」



(;ノ∀`)「そ、そうですよ!勇者様、僕と帝都で別れた後に何があったのか、説明してください!」



(^ω^;)「えぇ……さっきも武王に説明したばっかなんだけど」



(・∀・;)「仕方のないことだけど、あと何回繰り返し説明するんだろうね」





551 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/17(木)18:00:00.00 ID:1399336



( ・∀・)「かくかくしかじか」



【説明中】



(■ー■ 川「なるほど。魔王様が(たお)れたことは知っていたが、まさか皇帝が勇者の抹殺を企んでいたとは」



(■ー■ 川「勇者の力を恐れたか知らんが……愚かを超えて哀れな男だな。武王、貴様の兄上は」



(゜∀゜ )「王ってのは、得てして疑心暗鬼になっちまうモンさ。ま、元々気の小せぇ兄貴だったけどよ」



(;ノ∀`)「……西ゼリヤ王国にいた僕達に伝えられたのは、"皇帝率いる帝都の残存勢力が起死回生の反撃にでて魔王を討った。"という報告で、そこには勇者の"ゆ"の字もありませんでいた」



(^ω^;)「そんなコトになってんの!?」



( ・∀・)「まぁ、実際俺達も別に魔王倒してないし」



 (’A`;)「だとしてもアイツも魔王に顔面サッカーボールキックされただけじゃん!」



(゜、゜*)「修道女ちゃんの功績も無かったことにしてるの、ムカつくわ」



(;ノ∀`)「ええ、なにか変だとは思いましたが……なぜ、勇者様の存在を抹消するようなコトを?」



(゜∀゜ )「兄貴の、いやマルク王室の常套手段さ。自分にとって都合の悪いモノはさっさと処分して、情報を操作し、記録を編纂し、事実を闇に葬る。そうすりゃ、目に映るのは都合のいい"真実"だけ」



(;ノ∀`)「……分かりません、なんの為にそこまでの労力をかけて?」



(゜∀゜ )「言っただろ?王ってのは疑心暗鬼なんだよ。"安心"の為さ」



(゜∀゜ )「安心して食事をして、安心して眠って、安心して子育てする為。それが手に入るなら……王にとって、人の命なんて安いモンだ」



(;ノ∀`)「……」



(゜∀゜ )「俺だって、兄貴の安心の為に"消された"人間のひとりさ」



(;^ω^)「そうなの?」



(■ー■ 川「おや。私は、貴様は"帝国から逃げだして"、魔王軍の門を叩いたと聞いたが?」



( ゜∀゜)「それも間違っちゃいねぇよ。ただ城から逃亡したすぐ後に俺は兄貴が差し向けた刺客に殺された……ってコトになってる。ふつうに金で解決したけど」



( ゜∀゜)「まぁ、その事実も既に消えてるな。"俺は最初から存在しなかった"ことになってる。たぶん、家系図にはマルクとドナドの二人だけしか載ってないんだろうな」



( ゜∀゜)「だから皇帝兄弟の末弟が"武王"なんて事実はない。反権力の奴らが流布する噂程度の与太だな」



(■ー■ 川「ふん、聞けば聞くほど愚かな男だ。自身の心の安寧の為に、見て見ぬふりをしているだけではないか」



(゜、゜*)「まぁでも人間ってそういうトコロあるわよね」



(^ω^ )「税務署から来る重要書類を無視し続けたり」



 (’A` )「進捗ゼロだけど上長にはオンスケで報告したり」



(・∀・ )「遅刻確定の時間に起きた時は、いっそ二度寝したりね」



(■ー■ 川「それはただのダメ人間じゃないか」



(゜、゜*)「根本は同じでしょ」



(;゜∀゜)「皇帝がダメ人間じゃ困るんだよ」





552 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/17(木)18:00:00.00 ID:1399336



【カナイ・デ・ハナイ 庁舎】



(・∀・ )「というか、なんでキュミノー君はこんな東の都市の知事に?西ゼリヤ王国からはかなり離れてるよね」



( ノ∀`)「皇帝様から"報奨"として承ったのです」



(・∀・ )「"報奨"?」



 (’A` )「なんの?」



(;ノ∀`)「あ、いや……あの、さっき皇帝が勇者様の存在を消したって言ったじゃないですか?」



(^ω^ )「言ったね」



( ノ∀`)「だから勇者様が四天王を倒した手柄が全部、僕のところに来たんです」



(^ω^;)「全部ッ!?」



(^ω^;)「勲章と、一生暮らす分には困らない程度の年金と、領地の全部ッ!?」



( ノ∀`)「勲章と、一生暮らす分には困らない程度の年金と、領地の全部です」



(^ω^#)「……クソがっ!!」



(・∀・ )「まぁ勇者の存在を無視するとなると、帝都に向かう馬車の中にいた人間ってキュミノー君だけだからね」



(゜、゜*)「私達の戦功が全部のせになったワケね」



 ( ’A`)「バアさんも居たけどな」



(・∀・ )「獣人はたぶん元から……」



 ( ’A`)「?」



(^ω^ )「くそ~いいなぁキュミノー君、ひとりだけ成り上がっちゃって」



(;ノ∀`)「いやいや、大変ですよ。西ゼリヤ王国の田舎で趣味の考古学をしながら、のんびり暮らそうと思っていたのに、いきなりこんな都会の領地経営を任されるなんて……」



(^ω^ )「悩みが贅沢すぎる」



 (’A` )「貴族だからな」



(・∀・ )「成り上がりかぁ……」



( ノ∀`)「そう言えば、皆さんは本日どのようなご用事で?」



(^ω^ )「金貸(゜、゜*)「あら、私達を捕まえたりしないの?」



(゜、゜*)「勇者を皇帝に差し出せば、皇帝の覚えがめでたいわよ」



(;ノ∀`)「そ、そんなコトするワケありませんよ!」



(#ノ∀`)「僕だって勇者様の仲間じゃないですか!」



(・∀・ )「はい言質」



(;ノ∀`)「え?」



 (’A` )「思えば中盤から加入してから、かなり長い間一緒に旅したしな」



(゜、゜*)「そうよね、ごめんなさい。アナタも私達の共犯(なかま)だわ」



(゜、゜*)「だから、ちょっと私達を手伝ってくれない?」



( ノ∀`)「手伝うって、何をですか?」



(^ω^ )「俺達これからさぁ、修道女を助ける為に帝都に潜入しようと思ってんだよ」



(^ω^ )「その手助けとして……」



(^ω^ )「……」



( ^ω^)「なにをキュミノー君に頼もうとしてたんだっけ?」



 (’A` )「未定」



(゜、゜*)「大通りで姿を見つけて、勢いだけで来たからね」



(;゜∀゜)「そもそも潜入作戦の計画が白紙なんだから、ここで援助を求めてし仕方ねぇだろうよ」



(;ノ∀`)「……」



(;ノ∀`)「……あの、ということはつまり……?」



(゜∀゜ )「すまねぇな知事。今日は着任祝いの挨拶だけだ」



(■ー■ 川「ふん、品のない挨拶だな」



(゜∀゜ )「仲間内なんてこんなもんだろ」



( ゜∀゜)「じゃ、またなにか決まったら頼むわ」



(;ノ∀`)「はぁ……」





553 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/17(木)18:00:00.00 ID:1399336



( ・∀・)「ちょっと待って!」



(゜∀゜ )「ん?どうした道化師」



( ・∀・)「キュミノー君の成り上がりを見て、いい作戦を思いついた」



( ノ∀`)「僕?」



(゜∀゜ )「へぇ、どんな作戦だ?」



( ・∀・)「"武王"……この作戦には君が重要になってくる」



(゜∀゜ )「俺が?」



( ・∀・)「うん。君、"皇帝"になってよ!」



(゜∀゜ )



(゜∀゜ )



(゜∀゜ )



(゜∀゜;)「はぁ!?俺が"皇帝"にィ!?」





( ^ω^)「そんな魔法少女みたいな」



(゜、゜*)「なにが見えてるの?」




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