表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

14/136

勇者達がビジターセンターを訪れたようです

【登場人物紹介】


( ^ω^)【戦士(ウォリアー)】:一時期サービスエリアのキッチンカーで牛串を売っていた。串打ち0年、裂き0年、食品衛生責任者資格1日での独立である。



 ( ’A`)【魔法使い(ウィザード)】:トイレと飲み物を買う以外の用事はないハズなのに、ついついお土産コーナーを周ってしまう。買わない。



(゜、゜*)【盗賊(シーフ)】:トイレが混んでいるのが嫌なので、聞いたこともない地名のパーキングエリアに寄る。そこも混んでると絶望。



( ・∀・)【道化師(クラウン)】:ニチレイのホットスナックの自動販売機にあまりノスタルジーを感じない。売店とかで買えばいいじゃんとか思う。



( ФωФ)【修道女】:ソフトクリームのミックスはどうやって綺麗に半分半分にしているのだろうか、長年の謎を胸に抱えている。



50 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/11(火) 18:10:00.00 ID:1399336



【アロスティ城下町 冒険者ギルド・ランクエス】



ξ ゜⊿゜)ξ「カッカ山のモンスター大量発生……?」



ξ ゜⊿゜)ξ「あ~、ありましたわね」



(゜、゜*)「その反応は、特に印象のないクエストだったということかしら」



ξ ゜⊿゜)ξ「そうですわねぇ。人里離れた山は魔力が豊富ですので、モンスターの繁殖も活発なんですの。だからカッカ火山は年に数回は何かしらのモンスターの大量発生が起きてますわ」



(゜、゜*)「そういう時って、やっぱり冒険者ギルドも賑わうの?」



ξ ゜⊿゜)ξ「もちろん!冒険者にとっては稼ぎ時ですわ!」



ξ ゜⊿゜)ξ「……あ。ちょっと思い出しましたわ。たしかにあの時は、いつもより多くの冒険者が来ましたわね!」



(゜、゜*)「あら。どうしてか理由は分かる?」



ξ ゜⊿゜)ξ「えぇ、それは討伐対象のモンスターですわ!」





51 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/11(火) 18:10:00.00 ID:1399336



【カッカ山ビジターセンター】



( ФωФ)「それで今回は"カッカ山の哨戒・調査"クエストですか!」



(゜、゜*)「ええ。ごめんなさいね、手伝わせちゃって」



(゜、゜*)「コボルトの失踪事件と関係してる可能性は低いけど……他に手がかりもないしね」



( ^ω^)「ええよええよ。新しいダンジョンってワクワクするしな」



( ^ω^)「それに、この山には温泉もあるらしいしな。調査が終わったら入ってこうぜ」



(゜、゜*)「あら良いわね」



( ^ω^)「んで、その半年前に大量発生したモンスターってのは?」



(゜、゜*)「それは……っていうか、後の二人は?」



(ФωФ )「魔法使いさんと道化師さんは、あっちにいますよ」





(・∀・ )「いやぁ~、よくできてるなぁ」



 (’A` )「……ああ、すげぇな~~」





(゜、゜*)「ちょっと、二人共なにしてんの!?」



( ・∀・)「あ、姉さん。見てみ、カッカ山のジオラマだって」



(゜、゜*)「なんでジオラマなんて見てんのよ」



 ( ’A`)「そりゃビジターセンターに来たら一回は見とかないと」



 (’A` )「結構面白いぜ?ほら、ここが今俺達がいる場所でぇ……麓からはこのルートを通ってきたんだ」



(^ω^ )「おぉ~~」



(ФωФ )「こう見ると、この一合目まででも結構登ったんですねぇ」



 (’A` )「なぁ」



(゜、゜;)「感心してないで、クエスト行くわよ!?」



(・∀・ )「へぇ~、この山150年前に噴火してるんだ」



(゜、゜;)「アンタは展示ガイド読まない!」



( ・∀・)「まぁまぁ。時間はまだ余裕があるんだし。それに、読んでみると面白いこと書いてあるんだよ、こういうの」



(゜、゜*)「いいから行くわよ!クエストから帰ってきてからまた寄ればいいじゃない」



( ・∀・)「そう言って帰りにビジターセンターに寄った記憶はねぇんだよ!」



 ( ’A`)「どうせ山降りる頃には閉館時間過ぎてるか、20分前くらいになっちまってんだ!」



(゜、゜*)「なんの記憶よ」



(^ω^;)「おい、ここの売店カレーパン売ってんぞッ!」



(;・∀・)「なにっ!」(;’A`)



( ’A`)「こういうトコの寂びた売店のカレーパンが旨ぇんだ!」



(^ω^;)「油しみっしみだでオイ!」



( ・∀・)「買わねば!」





(゜、゜*)「……」



(゜、゜*)「……あれ?もしかして私がおかしいの?」



(゜、゜*)「それとも世界が間違ってんの?」



( ФωФ)「まぁまぁシーフさん。大変な事件を追っていて、気負ってしまう気持ちは分かります」



( ФωФ)「けど時には気を緩めることも大事ですよ」



(゜、゜*)「修道女ちゃん……」



( ФωФ)「それに、クエスト前にこういった場所でダンジョンの地理や歴史を学ぶことも、冒険者には必要だと一般に言われてます」



(゜、゜*)「そうなんだ……」



(゜、゜*)「冒険者がビジターセンターに寄るのは常識なんだ……」



( ФωФ)「はい!」



( ФωФ)「そうだ。売店でソフトクリーム買おうと思うんですけど、シーフさんも食べます?」



(゜、゜*)「うん」



( ФωФ)「何味にします?」



(゜、゜*)「抹茶……」



( ФωФ)「分かりました!」



(゜、゜*)「あるんだ」



(;ФωФ)「あ、あ~すみません。抹茶はバニラとのミックスソフトしか無かったです」



(゜、゜*)「それは今日イチ理解できない」





52 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/11(火) 18:10:00.00 ID:1399336



【カッカ山 三合目】



 勇者達はカッカ山のモンスター調査クエストを進行中……



(;’A`)「すまんシーフ姉さん。久しぶりのビジターセンターで浮かれちまってた」



( ^ω^)「つい長居しちゃうよな」



(゜、゜*)「いいわよ。私もガラになく急かしちゃったわ」



(;・∀・)「申し訳ない……でもコレだけは覚えて欲しい」



( ・∀・)「ビジターセンターの展示には、俺達のような一部の人種を夢中にする何かがあるんだ……っ!」



(゜、゜*)「そりゃ、そういう人種が作った展示だものね」



( ФωФ)「あの。話は戻るんですが、いいですか?」



(゜、゜*)「いいわよ。脱線が酷すぎただけだから」



( ФωФ)「半年前にこの山で大量発生したモンスターって結局なんなんでしょう?」



(゜、゜*)「えっとね、"岩ネズミ"っていうモンスターだって」



( ^ω^)「微妙に弱そう」



(゜、゜*)「それは知らないけど、教えてもらった限りだとアルマジロみたいな見た目で、背中が岩で覆われてるんだって」



( ’A`)「大体イメージできるな。そいつの大量発生で、ギルドは大賑わいになったと」



( ’A`)「……なんで?」



(゜、゜*)「岩ネズミの背中の岩は、本体のネズミが育っていく中で拾ったり、くっついた石でできてるんだけど……たまーに、お金になるような鉱石を纏った個体がいるんですって」



( ・∀・)「金とか宝石とか?」



(゜、゜*)「そんな感じ。とはいっても純金を背負った岩ネズミは居ないと思うけど」



( ’A`)「それでも冒険者からしたら儲けモンだな。討伐ついでの一攫千金狙いって訳か」



(゜、゜*)「そういうことよ……さて、この辺りに"岩ネズミ"の巣があるみたいね」



(゜、゜*)「今日の調査のチェックポイントは6つ。上手くいけば日没前には終わる予定よ」



( ’A`)「了解」



( ^ω^)「んじゃ、調査はじめますか」





15 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/11(火) 18:10:00.00 ID:1399336



【カッカ山 ニ合目】



(゜、゜*)「……よし、全チェックポイント異常なし。下山しましょうか」



(;’A`)「疲れたー、殆ど歩いてただけなのに」



( ФωФ)「アップダウン激しいですからね……獣道は足元も悪いですし」



( ^ω^)「温泉寄ってこうぜ」



( ・∀・)「うん。時間もあるしね」



(・∀・;)「でも残念だったね、事件に関係するような手がかりが無くて」



(゜、゜*)「ぜんぜん。どうせダメ元だったし」



(゜、゜*)「……ちょっと期待してたけど」



( ・∀・)「?どうかした?」



(゜、゜;)「い、いや。なにも」



(゜、゜*)「あ、そうだ。アンタら、帰りにビジターセンターまた寄ってく?」



( ^ω^)「あー……でも時間ギリギリじゃない?」



( ’A`)「ほら、結局こうなるんだよ」



( ・∀・)「ダッシュで展示見て回るか」



(゜、゜*)「なんの意味があるの?」





15 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/11(火) 18:10:00.00 ID:1399336



【カッカ山ビジターセンター 正面入口】



( ^ω^)「あれ、閉まってんぞ。まだ閉館時間来てないのに」



( ’A`)「季節ごとに変わるタイプじゃないか?山の施設だとあるだろ」



( ФωФ)「こればかりは仕方ないですね、また来る時に寄りましょうか」



( ・∀・)「そうだね」



(・∀・ )「それじゃあシーフ姉さん、温泉行こうか」



(゜、゜*)「……」



(゜、゜*)「ちょっと待って、中に誰かいるわ」



( ^ω^)「職員さんじゃないの?」



(゜、゜*)「違う。これは……人の気配じゃあない」



(;ФωФ)「そ、それは一体?」



(゜、゜*)「……先に温泉行ってて。何事もなかったようにね」



( ’A`)「姉さんはどうすんだ?」



(゜、゜*)「ちょっと残業」



 そう言うと(゜、゜*)は素早く、そして音もなく、ビジターセンターの屋上に駆け上がった。



( ^ω^)「そういや元スパイだった」



( ’A`)「すげぇなSASUKEのそり立つ壁とか楽勝じゃん」



( ・∀・)「というかもう忍者じゃない?」





53 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/11(火) 18:10:00.00 ID:1399336



【カッカ山ビジターセンター 排気ダクト】



(゜、゜*)「気配はここからね」



(゜、゜*)「……さて、鬼が出るか蛇が出るか」



 彼女は換気口からビジターセンターの室内を覗いた。





【カッカ山ビジターセンター 応接室】



ミ*●ω●彡「ガハハハ、儲かる儲かる!笑いが止まらんわい!」



ミ●∀●*彡「ええ、その通りでゲス!流石は我らが"化け狸の隠れ里"の長・狸影(タヌカゲ)様!」



ミ*●ω●彡「ガッハッハ!まさか人間ども、ワシらがコボルトを誘拐し、カッカ山の地下施設で強制労働させ、魔王軍の為に軍資金を稼いでいるとは思いもよらんだろうなぁ!」



ミ●∀●*彡「おや?その割には狸影(タヌカゲ)様のお腹も肥えているように見えるでゲスが?」



ミ*●ω●彡「ゲハハハ、言いおる!これでも魔王様への忠誠心は魔王軍イチと自負しておるぞ?」



ミ●∀●*彡「これは失礼!いよっ大統領!」



ミ*●ω●彡「ま、利益の6割はワシの懐やけどなぁブヘへへへ!!」



ミ●∀●*彡「ゲースゲスゲス!!」





【カッカ山ビジターセンター 排気ダクト】



(゜、゜*)「……」



(゜、゜*)「狸が出るとは」



──カッカ山ビジターセンター、まさかの魔王軍前線基地(ホーム)ッ!!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ