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勇者達は帝都を目指すようです その②

1話飛ばして投稿してしまってました。本日分の投稿は前話、138話「勇者達は帝都を目指すようです その①」として割り込み投稿しました。


【登場人物紹介】


( ^ω^)【戦士(ウォリアー)】:レスラー体型勇者。刺し身の"つま"に醤油をかけて飯をかっ食らう。


 ( ’A`)【魔法使い(ウィザード)】:ヒョロガリ勇者。エビフライは尻尾ごといく。


(゜、゜*)【盗賊(シーフ)】:スタイルグンバツ勇者。梅干しは天神様まで食べる。


( ・∀・)【道化師(クラウン)】:イケメンハイスペ勇者。彼の食べ終えたフライドチキンの骨には一片の肉も付いていない。


[㊤皿㊤天]【水の大天使】:四大天使のゴーレム。ゴーレムは食事を摂らない。


(*ФAФ)【行商人】:行商のオバちゃん。お弁当のパセリを残すとキレる。


(ーωー )【旦那】:行商人の旦那さん。サンマの骨はカリカリになるまで焼いて晩酌の肴に。


( ФДФ)【息子】:行商人の長男。幼い頃はパンの耳を揚げて砂糖をまぶしたアレが好きだった。


ミ ● ●彡【隠神】:狸獣人の長老。はじかみを赤い部分まで食べる。

538 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/14(月)18:00:00.00 ID:1399336



【東の地方都市 カナイ・デ・ハナイ】



(ФAФ*)「日が暮れてきたな……」



(*ФAФ)「今日のところはこの街で休もか」



(゜、゜*)「それはいいんですけど……いちおう私達、お尋ね者みたいなもので……」



(゜、゜*)「普通の宿屋に泊まってしまうと、憲兵に捕らえられてしまうかも」



(ーωー )「大丈夫だよ、この街には僕達の息子が住んでいる。今夜はそこに泊まらせてもらおう」



(゜、゜*)「息子さんも商人?」



(ーωー )「いや、大工だよ」



(*ФAФ)「父ちゃんも元は大工やったけど、戦争で足を悪くしてしもうてなぁ」



ミ● ● 彡「それは災難だったな……」



ミ● ● 彡「……」



ミ● ● 彡「なぜ我も馬車に乗っている?」



(゜、゜*)「ちゃんと神主さんと話し合いなさいよ。取り持ってあげるから」





539 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/14(月)18:00:00.00 ID:1399336



【コーポ手羽元】



ピンポーン♪



(ФДФ )「……ん?こんな時間に誰だ?」



(ФДФ )「はーい」ガチャ



(*ФAФ)「久しぶり、お邪魔するでぇ」



(ФДФ;)「お、お袋!?なんで?」



( ーωー)「いやぁ、いきなりごめんね」



(ФДФ;)「親父まで!どうしたんだいったい!?」



( ーωー)「なに、ちょっと帝都まで行商しにね。悪いけど今日、泊まらせてくれないかな?」



(ФДФ;)「帝都ってドナドのこと?お袋、もう西には行きたくないって言ってなかったか?」



(*ФAФ)「色々と事情があんのや。なんや泊めるの嫌か?」



(ФДФ;)「い、嫌ってワケじゃ……急に来られても部屋とか片付いてないし……」



(*ФAФ)「見られちゃいけないものでもあんの?」



( ^ω^)「エロ本まみれか!」



(ФДФ;)「ちがっ……誰だお前!」



( ・∀・)「当然の疑問」



(*ФAФ)「女か!女つれこんどるんか!?」



(ФДФ;)「ちっちがわい!」



( ーωー)「ふむ。ソファにタオルケットと、クッションではない"枕"が置かれている……お前、ソファで寝てるな?」



(*ФAФ)「というコトはつまり、寝室に誰かいるということか!」



(ФДФ;)「なにを推理してんだよ!」



 (’A` )「さすがは夫婦、息ぴったりだな」



(ФДФ;)「そんでお前らは誰なんだよ!」



( ・∀・)「当然の疑問」



(ФДФ;)「分かってんなら答えてくれよ!」



(*ФAФ)「それじゃ、寝室のドア開けるでぇぇ」



(;ФДФ)「勝手に部屋に上がんな!」



(*ФAФ)「オープン!はじめましてぇ、息子の母ですぅ!」



(˘∀˘ )スヤァ……



(;ФAФ)「男ォッ!!!」





540 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/14(月)18:00:00.00 ID:1399336



【コーポ手羽元】



(*τAτ)「うぅ……」シクシク



(;ーωー)「ま、まぁ愛の形は人それぞれだからな……」



(ФДФ;)「ちょっと待って!違うんだ、これにはワケが」



(*τAτ)「うう……アタシにはもうアンタしか居らんのよ?孫の顔、見してぇな……」



(ФДФ;)「だから話を聞いて、変な勘違い止めてくれ!そんなんじゃないんだ!」



(ФДФ;)「この人は戦場で倒れてたんだよ!俺が見つけて、ここで看病してるだけだ!」



(゜、゜*)「……戦場で?」



(ФДФ;)「ああ、俺は少し前まで魔王軍の工兵としてドナドに居たんだ。だけど魔王四天王が伝説の勇者に敗れた途端に帝国軍が攻めてきて……逃げるようにここまで帰ってきたんだ」



 (’A` )「あぁ……君もあそこにいたんだ」



( ^ω^)「反撃とかしなかったの?」



(ФДФ;)「俺は工兵だぞ?そりゃ鉄血兵団の中には打って出た奴も居たけど……こっちは陣地を建てたり、橋とか道路とかを整備したりが仕事で、戦闘訓練なんて受けてないからよ。戦っても死ぬだけだよ」



(*つAτ)「そう、アンタはそれでいいのよ……」



(;ФДФ)「……その逃走中に見つけたのが、この人だよ」



(˘∀˘ )スヤァ……



(ФДФ;)「まだ息もあるし、放っておいたら死んじゃうかもしれないだろ?だから台車に乗っけて走ったんだよ」



(゜、゜*)「偉いわねぇ」



[㊤皿㊤天]「人間の鏡ですね」



 ( ’A`)「……ん?」



 ( ’A`)「つーか、よく見たらコイツ、魔王四天王の"武王"じゃね?」



( ^ω^)「あっホントだ」



(;ФДФ)「えっ!?」



(;ーωー)「"武王"って言ったらあの!?」



(;ФAФ)「魔王四天王の!?」



 (’A` )「だからそう言ったじゃねぇか」



(^ω^ )「なんで顔見て気づかなかったん?」



(;ФДФ)「だって、そりゃあ魔王四天王なんて一般兵からしたら雲の上の存在だしよ。"鉄王"様は演説とかでよく見たけど……"武王"様は人前に出てこないで有名な方だったし」



( ・∀・)「ふぅん。まぁ海底遺跡であった時も単独行動してたしね。なんか理由があるんでしょ」



(ФДФ;)「だ、だとしたらよ!"武王"様はずっと意識不明で起きる気配がないんだけど……!このまま死んだら、どうしよう!?」



 ( ’A`)「あぁ、それなら大丈夫だ」



 ( ’A`)「そいつ、俺の睡眠魔法で眠らせただけだからな」



(ФДФ;)「ハァッ!?」



ミ ● ●彡「なぜそのようなコトを?」



 (’A` )「魔王と戦ってる最中に横入りされたら困るだろ?」



ミ ● ●彡「ふむ。納得だな」



 ( ’A`)「まぁ折角オバちゃんの息子が助けてくれたんだ。解除してやるか」



 ( ’A`)「『解』……とまぁ、これで魔法は解けたから、明日の朝にでも起きるだろ」



(ФДФ;)「ッ!?"武王"様の顔を知っていて、超高等呪文も使えて……魔王様とも戦った!?」



(ФДФ;)「ア、アンタ……いや、アンタ達、いったい何者なんだッ!?」



 ( ’A`)「あれ?俺なんかやっちゃいました?」



( ・∀・)「あっ!くそ、それ俺やりたかったヤツ!」



(゜、゜*)「そんなことより、私もう疲れたから寝たいんだけど」



( ^ω^)「だな。もう寝るか」



(ФДФ;)「なんで頑なに答えようとしねぇんだよ!」




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