勇者達は再び海底遺跡を訪れるようです
【登場人物紹介】
( ^ω^)【戦士】:レスラー体型勇者。力持ち。
( ’A`)【魔法使い】:ヒョロガリ勇者。火に強い。
(゜、゜*)【盗賊】:スタイルグンバツ勇者。毒がある。
( ・∀・)【道化師】:イケメンハイスペ勇者。飛込競技で溺れたことがある。
(*ФAФ)【行商人】:狸隠れの里に出入りしている行商のオバちゃん。
( ´皿`)【漁師】:行商人の知り合いの漁師。マラック海溝まで船を出してくれた。
[㊤皿㊤天]【水の大天使】:四大天使の一柱であるゴーレム。元々は神殿の給仕だった。
524 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/11(金)18:00:00.00 ID:1399336
【マラック海溝 海上】
( ´皿`)「どうだ、ここが指定されたポイントで合ってると思うが」
漁師は、船に搭載された測量器から視線を魔法使いに移した。魔法使いの指が測量器と手元のメモに記載された座標を交互する。
(’A` )「……うん。以前に来た時と殆ど同じです。ありがとうございました」
( ’A`)「みんな。それじゃあ行くぞ、【水の天使神殿】……いや」
( ’A`)「【古代アガメマス神殿】へ!」
"預言書"を手がかりに修道女を救う手立てを水の天使が持つ可能性に辿り着いた勇者達。その数日後、彼らは漁船に乗って海底遺跡のあるマラック海溝まで来ていた。
(;ФAФ)「いってらっしゃい、気ぃつけてな。怪我せんようにな」
(^ω^ )「大丈夫だって。一回行ったことあるし」
(;ФAФ)「そういって油断してる時が一番危ないの!」
(・∀・;)「はは……そうですね。気をつけます」
(゜、゜*)「それにしても、行商さんも本当にありがとうございます。船を出して頂ける方を仲介してくれたばかりか、ここまでついてきてくれるなんて」
(*ФAФ)「いいのよ!ただアナタ達を応援したいだけなんだから!」
(*ФAФ)「それに、いちおうこの船はアタシ名義で借りさせて貰ってるんだから、アタシは乗ってなきゃいけないのよ。ねぇ?」
(´皿`;)「いや、別に港で待っててもらってよかったが……しかしオバちゃんが丸一日船を借りたいなんて何事かと思ったら、まさか海底遺跡に行きたいなんてな」
(´皿`;)「やっぱり冒険者ってのは命知らずというか、奇特な奴らだな」
(*ФAФ)「そんなコト言っちゃダメよ。この子達は友達の為に頑張ってるんだから!」
(´皿`;)「はぁ。というより、そもそもここから海底遺跡なんて、どうやって行くんだ?」
( ’A`)「そこは問題ないです。俺の魔法で潜水できるんで」
(´皿`;)「えっ?」
(゜、゜*)「酸素とかはどうするの?前はキュミノーさんが魔法をかけてくれたけど」
( ・∀・)「"環境適応の魔法"なら俺が覚えといたよ」
(゜、゜*)「いつの間に」
( ・∀・)「時間ならたくさんあったからね」
( ・∀・)「海の中に入ったら俺が光魔法で周囲を照らすから、魔法使いは操縦に専念して大丈夫だ」
( ’A`)「おっけー了解」
( ’A`)「それじゃあ改めて……行くぞ!」
( ・∀・)「おう!」(^ω^ )
(゜、゜*)「それじゃあ船長さん。帰りもまたよろしくお願いしますね」
(;´皿`)「おっ……おう……」
こうして手際よく準備を整えた勇者達は、球体のバリアに包まれて海中へと沈んでいった……
525 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/11(金)18:00:00.00 ID:1399336
【マラック海溝 海上】
(;´皿`)「見たことねぇ魔法をポンポンと……オバちゃん、アイツらは本当に何者だ?」
(*ФAФ)「さぁ?」
(´皿`;)「知らねぇのかよ!」
(*ФAФ)「アタシも取引先の人から紹介されただけだから、詳しい素性は知らないの」
(´皿`;)「そんな奴らの為にこの船まで借りたのか!?」
(´皿`;)「……アンタ、商人にしちゃ人が良すぎるよ」
(*ФAФ)「あはは!そうかもね!」
(*ФAФ)「……でも」
(´皿` )「ん?」
(*ФAФ)「あの子達を助けることが、巡り巡ってアタシの為にもなる」
(*ФAФ)「そんな気がするんだよ……」
526 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/11(金)18:00:00.00 ID:1399336
【水の天使神殿】
( ’A`)「というワケでここまで来ました」
(^ω^ )「速いな」
( ’A`)「既に一回来てるからな」
(゜、゜*)「さて、天使はどこかしら?」
ぷぁ~~~~ぷぁぱぱぱ~~~~~~
( ’A`)「……この笛の音は」
[㊤皿㊤天]『東の空から日が昇る~~♪』
[㊤皿㊤天]『東の空から夜が来る~~♪』
[㊤皿㊤天]『東の果てには何がある~~♪』
[㊤皿㊤天]『東の果てには神がいる~~♪』
[㊤皿㊤天]『あゝ我らのアガメマス~~♪』
[㊤皿㊤天]「どうも皆様、お久しぶりです。女神様が霊魂、水の天使です」
( ’A`)「……やっぱり水の大天使の出囃子だったか」
( ・∀・)「相変わらず歌詞の中身スッカスカだな」
[㊤皿㊤天]「しかしまた、どうしてここへ?無事、"形代の女神様"は復活され世界は平和になったというのに……」
[㊤皿㊤天]「あ、もしかして神殿のご参拝ですか!?それなら僕がガイドしますよ!」
(゜、゜;)「……ごめんなさい、今日はまた別の用事があって来たの」
[㊤皿㊤天]「そうですか……いえ、勇者様のことです。なにか重要な事情でもあるでしょう」
[㊤皿㊤天]「それで、どのようなご用事で?」
(゜、゜*)「実は、あの。せっかく世界が平和になってアレなんだけど……」
( ^ω^)「"形代の女神"を無しにしたいんだ!」
[㊤皿㊤天]「……なにを言ってるんです?」
(;^ω^)「いや、アレだぞ!?魔王みたいに女神を倒すんじゃなくて、修道女を元に戻したいだけなんだ!」
[㊤皿㊤天]「余計になにを言っているか分かりません」
(;^ω^)「だから"形代の女神"は修道女で、このままじゃ修道女は"形代の女神"のままだから、修道女が"形代の女神"になったのを無しにしたいんだよ」
[㊤皿㊤天]「……」
[㊤皿㊤天]「……」
[㊤皿㊤天]『文章解析処理を実行中に致命的なエラーが発生しました。』
( ^ω^)「なにもしてないのに壊れた」
( ・∀・)「したんだよ」
(’A` )「脳に負荷をかけ過ぎたな」
(゜、゜*)「言葉でロボットって殺せるのね」
( ^ω^)「えっ死んじゃったの!?」
(’A` )「まぁ再起動すれば大丈夫だろ」
(;^ω^)「死んだのに起動するの……?」
527 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/11(金)18:00:00.00 ID:1399336
【水の天使神殿】
( ’A`)「……っとあったあった。これが主電源かな?」
( ’A`)「ぽちっとな」
[㊤皿㊤天]「テンテレンテン♪テンテンテン♪」
(;’A`)「WindowsXP!?」
528 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/11(金)18:00:00.00 ID:1399336
【水の天使神殿】
[㊤皿㊤天]「……なるほど。つまり勇者様は、"形代"となった修道女殿を解放したいと」
( ・∀・)「理解が早くて助かるよ」
(゜、゜;)「正直に答えてちょうだい?一度"神"になった人間を元に戻すことは可能なの?」
[㊤皿㊤天]「はい。可能ですよ」
(゜、゜;)「ウソッ!ホントッ!?」
[㊤皿㊤天]「僕は嘘をつけるようには出来ていません」
(;^ω^)「どうすればいいんだ!?」
[㊤皿㊤天]「単純です。形代ではない、真のアガメマスの女神様を覚醒させればいいのです」
( ・∀・)「真の……ってたしかワンオペに疲れて"形代の女神"を作った方か」
[㊤皿㊤天]「はい。終わりない労働に疲れた女神様はいま、悠久の眠りについていますからね。それを叩き起こします」
(;’A`)「覚醒ってそっちの覚醒か」
(゜、゜*)「ちょっとかわいそうだけど、仕方ないわよね。修道女ちゃんの為だから」
[㊤皿㊤天]「……ですが、本当によいのですか?」
( ^ω^)「なにが?」
[㊤皿㊤天]「女神様が目覚めるということ。それはつまり」
[㊤皿㊤天]「貴方達は二度と、元の世界に帰れなくなるということです!」
(;・∀・)「!!?」(’A`;(゜、゜;)
( ^ω^)「ここ日本に帰れる系異世界だったんだ」




