魔王をぶっ殺したようです
486 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/02(水)18:00:00.00 ID:1399336
(#ΘωФ)「ウオオオオオ!」
(゜A゜*)「せやああああ!」
ついに始まった修道女と魔王の……いや、女神と女神の最終決戦。
( ΘωФ)「"神は世に遍く陽の光の如く。よりて人は地に立ち、虹を見る"!」
(゜A゜*)「"神は夜に囁く海の闇の如く。よりて人は地に満ち、夢を見る"!」
"光"を放つ修道女と"闇"を集める魔王の大激突。ふたりは城の壁を打ち砕き、宴会ホール床を貫き、天井を落とし、魔城パンデモニウムを破壊しながら、ついには空高く飛び上がった!
(;´_ゝ`)「うわぁ!魔城が、聖地がぁぁぁ!!」
(;・∀・)「ちょっこの期に及んで動けないんだけど!?崩落に巻き込まれて死ぬんじゃない!?」
(’A`;)「いちおう、俺達の周りは不自然なくらい瓦礫が飛んできてないけど……修道女のおかげだったり」
(;^ω^)「そんな余裕あるなら俺達を解放してくれ!戦えるから!」
(’A`;)「流石に空を飛ばれちゃ加勢できなくね?」
(#^ω^)「気合だッッッ!」
( ・∀・)「無茶」
(゜、゜;)「修道女ちゃん……」
しかし、この状況でも勇者達はなにもできない。
487 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/02(水)18:00:00.00 ID:1399336
(゜A゜;)(……クソッ!なんやコイツ……前に戦った"形代の女神"とは、まるで別モンやないか!?)
互いに繰り出した攻撃を躱し、あるいは打ち消し、一撃でも直撃を許せば終わり、そんな土俵際の攻防の中で、魔王は違和感を覚えていた。
(゜A゜;)(前のヤツの攻撃の一つ一つは、こんなにエネルギーの密度が高くはなかったし……人間だった頃のウチの攻撃を防ぐのですら、いっぱいいっぱいやった!)
(゜A゜;)(それなのn「ソコッ!」(ΘωФ )
(#゜A゜)「ちぃっ!なら、これはどうや!」
空中旋回の僅かな隙をつかれて放たれた光弾をすんでで躱し、修道女との間合いを一気に詰める魔王。
(*゜A゜)(元は後方支援役、白兵戦ならッ!)
かつて騎士団長だった彼女は槍の腕も超一流である。エネルギー弾で一撃必殺を狙わずとも、具現化した槍で脇腹か太腿でも貫いてやればいいのだ。
しかし、様子がおかしい。どれだけ距離を詰めようとしても、修道女はどんどん離れていく。
「──」(ΘωФ )
(;゜A゜)「なっ……ウチよりも速いやとぉッ!?」
なおも修道女から連続で放たれる光の矢を槍で切払いながら、魔王は息を呑む。
(;゜A゜)(コイツ、戦いの中で成長……いや、んな馬鹿なコトはありえへん!女神の力の侵食が進んどるだけや!)
(;゜A゜)(しかし、何故これほどの力が!?)
(;゜A゜)(……ッ!)
その時、魔王は気がついた。
"形代の女神"の胸元に、燦然と輝く赤きネックレス──
(;゜A゜)「あのターピュライトの輝きはッ!?」
(;゜A゜)「いったい幾つの命を吸っと──」
その動揺を修道女は見逃さなかった。迫りくる魔王の胸を狙い、彼女は速度に特化した光の束──レーザービームと言って遜色のないそれを放った。
「──」(ΘωФ )
それは魔王の叫びを劈いて、
(;゜A゜)「るッ!?」
女神の胸を貫いた。
488 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/02(水)18:00:00.00 ID:1399336
胸に赫く首飾りが砕け、飛沫となって空に散る。魔王は撃たれたカラスのように墜ちていく。
489 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/02(水)18:00:00.00 ID:1399336
ミ● ● 彡(魔王よ……あゝ情けない、敵に油断して負けるとは)
ミ● ● 彡(いや、それともあの小娘に負い目でも感じたか?)
(*゜A゜)(うっさいわ、お前が作ったターピュライトの質が悪かったせいやぞ)
ミ● ● 彡(ん?貴様が女神になれるくらいには純正品だが)
ミ● ● 彡(しかし一度は勝った"形代"だが、なぜ此度は?)
(;ーAー)(ウチが勝ったのは、燃料切れの女神に過ぎんかったワケや)
ミ● ● 彡(燃料か……なるほど、たしかに眼の前の女神は燃料満タンだな)
(*゜A゜)(しかも大容量と来とるで、こちとら省エネ仕様やっちゅうのに)
(*゜A゜)(クソ教会め……)
ミ● ● 彡(しかし魔王、これでは貴様が提示した同盟の約束が果たされんではないか。どうしてくれる)
(*゜A゜)(ははっ、せやな。これでマルク帝国も復活や。ウチによる世界平和の夢も潰えたわ)
(*゜A゜)(だがな、お前の望みは叶えられるで。帝国だけは潰せる、世界はひっくり返せる)
ミ● ● 彡 (ほう)
(*゜A゜)(勇者を……助けてやれ)
ミ● ● 彡 (は?)
(;ーAー)(アカン、眠く……もうムリ)
ミ● ●;彡(おい!ちゃんと説明しろ!なんであやつらを助けなければならんのだ!なにからだ!?)
( ーAー)(…………)
490 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/02(水)18:00:00.00 ID:1399336
ミ● ● 彡「ちっ、魔王め……」
ミ● ● 彡「勝手にひとり死におって……」
ミ ● ●彡「……とりあえず、逃げるか」
491 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/02(水)18:00:00.00 ID:1399336
【魔城パンデモニウム(崩壊)】
(^ω^;)「おっ……おぉ!?」
(^ω^ )「動ける、動けるぞ!」
(’A` )「さっきの攻撃、修道女が勝ったのか!?」
(;・∀・)「たぶん、そうだと思うけど……それより早くここから逃げないと!」
(゜、゜*)「ちょっと!修道女ちゃんがまだよ!」
すると、勇者達の近くに女神が降り立った。
(;ΘωФ)「お怪我はありませんか?勇者様たち……」
(゜、゜;)「修道女ちゃん!」
(^ω^;)「怪我はねぇか!?」
( ΘωФ)「はい、大丈夫です」
(・∀・;)「ねぇ、さっき修道女は女神の"形代"になるとか言ってたけど……それって生贄」
( ΘωФ)「違います。僕は女神の中にまだ生きています」
(’A`;)「でもいずれ死ぬとか言ってたけど」
(゜、゜;)「ねぇ、もう魔王は倒したんだからいいでしょ?元の修道女に戻ったら……?」
( ΘωФ)「不可能です」
(゜、゜;)「え?」
( ΘωФ)「"形代の女神"となった僕には、世界を守る使命があるからです」
(’A` )「そんな使命捨てちまえば?」
( ΘωФ)「そんな無責任はコトをしてしまえば、第二第三の魔王を生んでしまうかもしれません。そうしたら再び、かつての僕のような悲劇が起きてしまう」
(’A`;)「あ、ゴメン……」
( ΘωФ)「……"白夜"の日、兄と姉が命と引き換えに僕を守ってくれました。祭司様が命からがら僕を救ってくれました。僕はそんな命の上に生かされたのです。」
( ΘωФ)「だから多くの命の為にこの命を使うことに、なんの躊躇もありません」
(゜、゜*)「……間違ってるわ」
( ΘωФ)「それも正しい感情かもしれませんね」
女神はそう言うと、再び宙に浮き上がった。
(^ω^;)「あれ、なに?どうしたの?」
( ΘωФ)「そろそろお別れですね」
( ΘωФ)「神は天に帰らなければなりません」
(・∀・;)「そんな……」
(’A`;)「もう少しくらいここにいても良いだろ」
(゜、゜*)「そうよ、私達が天寿を全うするくらい!」
(;’A`)「それは長くね」
(*ΘωФ)「ふふっ申し訳ありません」
(*ΘωФ)「……勇者様」
( ΘωФ)「僕は"鎹"の修道女。勇者様をこの世界に繋ぎとめ、導くことが使命でした」
(^ω^ )
(;ΘωФ)「まさか四人も導くことになるとは思ってもみませんでしたが……」
(’A` )
( つωФ)「……」
(・∀・ )
(*ΘωФ)「おかげで楽しい旅でした。ありがとうございました!」
(゜、゜;)「……」
( 、 *)「やめなさいよ、そんなこと言うの」
( ΘωФ)「……貴方たちのことは、ずっと天から見守っていますよ」
( ΘωФ)「さようなら」
491 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/02(水)18:00:00.00 ID:1399336
女神は天へと昇っていった。この時、世界中に奇跡が起こり、戦いで壊された建物は新築同然に修復され、焼かれた森には再び芽が吹き出し、そして、人々が負った傷や病が癒やされたという……
492 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/02(水)18:00:00.00 ID:1399336
(゜∀゜,)「なんと美しい……」
その奇跡を前に皇帝マルクは、おのずと跪き、女神を仰いだ。
493 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/07/02(水)18:00:00.00 ID:1399336
( ΘωΘ)
「あゝ、神よ……」(゜∀゜,)




