勇者達は幽霊城で霊王と戦うようです その②
445 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/23(月)18:00:00.00 ID:1399336
幽霊城に閉じ込められた勇者達の前に遂に姿を表した魔王四天王・ネギシ。彼が召喚した元四天王の"樹王"と"竜王"の死霊が彼らの前に立ちはだかる!
2体の強大なモンスターを前に勇者達は万事休す……という訳ではなかった。
(’A`#)「おらァ、樹木なんて炎で焼き払っちまえばいいんだよッ!俺の炎魔法をくらえッ!」
(*^ω^)「ふぅー!一回ちゃんとしたドラゴンと戦ってみたかったんだ!」
(゜、゜*)「狭い城の中のドラゴンなんて、ただのでかい的じゃない」
( ФωФ)「皆さん!どんな傷でも治します!安心して戦ってください!」
(・∀・ )「僕なんかやることありますか?」
( ’A`)「ネギシさんの相手しといて」
魔法使いが魔法で"樹王"の枝葉を焼き、戦士が"竜王"をの翼を叩き切る。盗賊は彼らの眼や口、急所を狙い撃ち、修道女が回復魔法で勇者達をサポートする!
四大天使の力を授けられ、リナイ神社の神主の必勝祈願を受けた勇者達にとっては、もはや"樹王"も"竜王"も敵ではなかった。
(´<_`;)「なっ!なぜだ?なぜ我がコレクション最強の二人がかりで勝てん!」
( ・∀・)「弱いからじゃない?」
(´<_`;)「つっ立ってるだけのお前に言われたくねぇよ!」
( ・∀・)「トラブル対応の為にも人員にバッファを持たせておくことは大事なんだよね」
(´<_`#)「うるせぇ指示待ち人間!」
(゜、゜*)「そういうアンタもつっ立ってるだけじゃないの」
(´<_`;)「うっ……ぐ」
( ’A`)「つーかよ、こんなデカいだけの奴らより武王の方がよっぽど強かったぞ!」
"樹王"の核を焼き切り、魔法使いが霊王を挑発する。そして、その隣で戦士が壁を蹴って高く宙に飛び上がる。
( ^ω^)「いくぜぇ~~~俺の必殺技っ!」
( ^ω^)「"龍☆滅☆覇☆皇☆斬"!」
恥ずかしいほど単純な技名を叫びながら、"竜王"の脳天に大剣を振り下ろした。実体を維持できないほどのダメージを受けた"竜王"は、断末魔を上げながら霧散していくのであった。
446 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/23(月)18:00:00.00 ID:1399336
(´<_`;)「くそぅ、なかなかやるじゃあないか勇者共。伊達に他の四天王を打ち破ってはいないな」
( ・∀・)「そら見たか、分かったらさっさと解放するんだな!」
(´<_`#)「うるせぇ!テメェはなにもしてねぇだろ!」
(゜、゜*)「ともかく、アナタは私達には勝てないわ。さっさと降伏したら?」
(´<_`#)「……まぁ私に貴様らを倒す術がないのは認めよう」
(´<_` )「だが別に私は負けてはいない。なぜなら私の目的は貴様らをこの幽霊城に閉じ込め、時間を稼ぐことなのだからな」
(´<_` )「できればこの手で殺したかったが仕方がない。貴様らが餓死するまで待つとしよう」
(#^ω^)「てめぇ、卑怯だぞ!実体化してかかってこいや!」
(´<_`*)「卑怯?褒め言葉として受け取っておこう。貴様らにとって最も効果的な作戦を展開できたということだからな」
(#^ω^)「褒めてねぇよ!」
( ・∀・)「この……人でなし!」
(´<_`*)「無様だな勇者。手も足も出ずに悪口か」
( ・∀・)「無能!影が薄い!性格悪い!趣味も悪い!根暗!カス!」
(´<_`*)「くくく……負け犬の遠吠えとはまさにこのことだな」
( ・∀・)「休日の夕方は焦燥感に駆られながら怠惰に過ごしてそう」
(´<_` )「大抵の独身がそうだろ」
( ’A`)「今だっ『獄炎魔法:百花』!」
道化師の誹謗中傷によって生まれた隙をついて、魔法使いが炎を放つ。
(;ФωФ)「霊王に魔法は効かないハズでは!?」
( ’A`)「……いや」
普通ならば"霊体"である霊王に魔法は効かない。しかし、魔法使いが生んだ炎の花々は霊王のローブの裾に直撃すると、一気に燃え上がった!
( ’A`)「獄炎魔法は地獄の業火!霊体にも効くんだよ!」
(´<_`;)「なっ!貴様、まさか……っ!」
(´<_`;)「ぐわぁぁ……」
全身を炎に包まれながら、霊王の悲鳴が場内に響いた。
447 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/23(月)18:00:00.00 ID:1399336
( ^ω^)「やったか!?」
( <_ )「……」
(´<_` )「残念だったな、魔法使い」
(;’A`)「なっ……!?」
(;ФωФ)「魔法使いさんの獄炎魔法が……効いてない?」
(´<_` )「いやいや、少しは熱かったぞ?後でアロエ軟膏を塗らないとな」
(´<_` )「……だが、その程度だ。どうやら私を炭にできる程の獄炎は創れぬようだな」
(;’A`)「ちっ!」
(゜、゜*)「どういうこと?」
(;’A`)「魔法ってのは適正があるんだよ。獄炎魔法に合った性格じゃないと、火力の高い獄炎は生み出せないんだ」
(゜、゜*)「獄炎魔法に合った性格ってなによ」
(;’A`)「激情家だったり、執念深かったり……俺あんまりそういうタイプじゃないからなぁ。天使の力で使えるようにはなったけど」
(・∀・;)「付け焼き刃じゃダメだったか……」
(´<_` )「ふははは、ぬるい獄炎など怖くもないわ!」
(´<_` )「起死回生の一手だったようだが、とんだコケおどしだったな!」
(´<_` )「あーはっはっはっは!私を倒したくば、怒りと怨念に狂った獄炎を生み出してみろ!はっはっは!」
勝ち誇った霊王の高笑いが幽霊城に響き渡る。
448 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/23(月)18:00:00.00 ID:1399336
(# W )「"十万億土一切焦土"ッッ!!!」
しかし霊王の勝利の余韻は、憤怒怨嗟を煮詰めたようなしゃがれた叫喚によってかき消れた!
(´<_`;)「!?」
(#゜W゜)「『獄炎魔法:千紫万紅』!」
(;’A`)「老師ッ!?」




