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霊王の策略のようです

429名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/19(木)18:00:00.00 ID:1399336



【帝都ドナド】



(^ω^;)「ええっ!バアさん達、魔王城まで行かないの!?」



从*・⊿・从「うむ。元々わしらはオミカを連れ戻すのが目的じゃったからの。魔王の方はお前らでやっとくれ」



 (’A`;)「でもババア強いじゃん……あの雷魔法あったら対魔王戦も心強いんだけど」



从*・⊿・从「魔王を倒すのは勇者の役割じゃ。元々、わしら獣人にはあまり関係のないことじゃしな」



从*・⊿・从「ま、うんと強力な強化魔法はかけてやるから、それで我慢せい」



(ФωФ;)「"赤毛の戦士"さんもですか?」



( 十AФ)「すまないな。魔王云々は、そちらで片をつけてくれ」



(゜、゜*)「アンタも帰るの?」



(;ノ∀`)「えぇ……ほんの少しですが、四天王と対峙して分かりました。僕程度の実力では、これ以上は足手まといでしょう」



( ノ∀`)「だから僕は僕のできることをしようと思うんです。具体的には鉄王西ゼリヤに捕囚します」



(゜、゜*)「具体的には?」



( ノ∀`)「鉄王ブルシットを西ゼリヤに捕囚します。これで勇者様の邪魔はさせませんよ!」



(゜、゜*)「なるほど。放って置くよりは全然いいわね」



(・∀・ )「あの人大真面目に『くっ殺』言いそう」



( ノ∀`)「それに……」



(・∀・ )「それに?」



( ノ∀`)「獣人さん達は馬車を運転できないんで、僕が御者になるしかないんです」



(・∀・;)「あぁ、それは切実だね……」



( ノ∀`)「勇者さん、お嬢様のことは頼みましたよ!」



( ノ∀`)「必ず助け出してください!」



(゜、゜*)「うん」



(^ω^ )「まかせんしゃい!」





430名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/19(木)18:00:00.00 ID:1399336



 こうして、仲間と分かれた勇者達5人の初期パーティは魔王城に向かって新しい馬車を走らせた……その頃。



【魔城パンデモニウム】



(゜A゜*)「……」



(´<_`;)「ハァハァ……お呼びですか、魔王様」



(*゜A゜)「はやいな、霊王」



(´<_`;)「そりゃ魔王様からの招集命令ですからね、ダッシュで幽霊城から走って参りました」



(*゜A゜)「そうかそうか、いい心がけや」



(´<_` )「それで、今回はいかような?」



(*゜A゜)「つい先程や、お前以外の四天王が勇者に倒された」



(´<_`;)「なぁっ!?」



(´<_`;)「……ってなんで知っているんです?」



(*゜A゜)「これや」



 魔王は右手に持った水晶玉を掲げた。



(*゜A゜)「"女神の水晶玉"……こいつは千里眼の力を秘めとる」



(´<_`;)「!ということは、ついに女神としての力が……!?」



(*゜A゜)「ああ。少しずつだが覚醒してきとる、ウチが女神になるのもあと少しや」



(´<_`*)「なんと喜ばしい!それではさっそく降臨祭の準備を!」



(*゜A゜)「いや、それはウチがやる。お前にはそれよりもやることがあるやろ」



(´<_`;)「うっ……」



(*゜A゜)「勇者達は帝都を出発し、着々とここ魔王城に向かってきとる」



(*゜A゜)「霊王、お前はなんとしてでも勇者の到着を遅らせろ(・・・・)



(´<_`;)「殺さなくても?」



(*゜A゜)「そりゃあ殺せるなら殺してもいーけど、武王を倒したような奴らやからな……」



(*゜A゜)「ウチが女神に覚醒するまでの時間を稼いでくれれば十分やで」



(´<_`;)「……承知しました」



(´<_` )「幸い、我が幽霊城は一度入れば抜け出すのは困難!遅延行為には最適です!必ずやこの使命を果たしてみせましょう!」



(*゜A゜)「うむ。頼んだで!」



(´<_` )「ところで……四天王、鉄王達は……殺されましたか?」



(*゜A゜)「いや、捕らえられたり眠らされたりやな」



(´<_` )「そうですか……」



(´<_` )「残念ですな」





431名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/19(木)18:00:00.00 ID:1399336



 かくして、魔王四天王最後のひとり霊王ネギシの策略が待ち構えているとも知らず、帝都を発って数日後……勇者達はついに"城"へと到着した。



(;ФωФ)「ここが魔王の居城……!伏魔殿!魔城!パンデモニウム!」



 (;’A`)「崖っぷちに建てられた城……黒い雲、轟く雷……立ち煙るモヤ……百点満点の魔王城だな」



( ^ω^)「なんで魔王ってこんな辺鄙な土地に城を建てるんだろうな」



( ・∀・)「まぁ城って本来は砦だから、こういう場所に建っててもおかしくないよ」



(゜、゜*)「でも自分の国の中心にするなら、普通はもっと開けた場所の城を居城にしない?」



(;・∀・)「う~ん……たしかにそうなんだけど、でも結局、こういうのって皇帝の一存だし」



( ・∀・)「こういう場所が好きなんじゃない?」



 (;’A`)「嫌な趣味してんな……」



( ^ω^)「まっこれはこれで最終決戦の雰囲気が出ていいんじゃねぇの?」



(;ФωФ)「それでは、さっそく城の中に侵入しましょう!」



(゜、゜*)「そうね。みんな、私の後をついてきて」



 勇者たちはこっそり"城"の裏手に周る。盗賊のスパイ技術のおかげですんなりと城の内部へ入ることに成功した。



 ( ’A`)「こういうところはスパイ様々だな」



(゜、゜*)「もっと褒めてもいいわよ」



( ^ω^)「よっ!姉御の美人、才人、お大臣!」



(゜、゜*)「なんか思ってたのと違うわね。やり直し」



(;・∀・)「遊んでないで、さっさと城の中を探索しようよ」



( ФωФ)「はい!素早く受付嬢さんを見つけて、さっさと魔王を殺しましょう!」



(゜、゜*)「それもそうね。それじゃ、ここからは二手に分かれましょ」



( ^ω^)「おう!」(’A` )





432名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/19(木)18:00:00.00 ID:1399336



【幽霊城】


(´<_` )「くくく……馬鹿な勇者共め。まんまと私の罠にかかってくれおって。もはやお前らはこの幽霊城から出ることすら叶わん!」



(´<_` )「せいぜい、居もしない魔王様の影を探し続けるがいい……」



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