ババアの昔話が長いようです その②
415名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/16(月)18:00:00.00 ID:1399336
从*ー⊿ー从「でな……が……さらに……もう……」
从*・⊿・从「そうおもうか……はー!」
从*ー⊿ー从「……じゃろ……」
从*・⊿・从「……ふぅ、ちょいと休憩じゃ。お茶お茶」
(^ω^ )「…………」
( ^ω^)「いまどこらへん?」
(’A` )「黎明編、乱世編、修業編を経て、望郷編が始まったところだな」
( ^ω^)「このババア火の鳥朗読してる?」
从#・⊿・从「お前、ちゃんと話を聞かんか!」
(^ω^ )「だってババアの話長いし……魔法使い、俺にも理解できるように要約してくれん?」
(’A` )「ついに本格的な道路工事が始まり、このままでは故郷が失くなると思ったガッデムが人間に勝つ為にオオカミ仙人の下で修業を積んだ結果、活殺自在系アイドルとしての才能が開花。再び故郷に戻ってきたところだな」
(^ω^ )「サンプル数1の場合は系統とは呼ばないのでは?」
(’A` )「理解する気0の着眼点やめろ」
(ФωФ*)「神主さん、続きは……ガッデムはその後どうなるんですか?」
从*・⊿・从「まぁまぁ、落ち着け落ち着け。この梅干しを食べ終えてからじゃ」
(^ω^ )「なんで修道女はこんなに食いついてんの?」
(’A` )「ガッデムが故郷に帰ってきたら森が完全消滅してた場面で休憩に入ったからな」
(^ω^;)「このババアいっちょまえにクリフハンガーしかけてやがった!」
从*ー⊿ー从「ゴクン……さて、それじゃ話していこうかの」
从*・⊿・从「オミカがわしらと袂を分かった出来事を」
416名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/16(月)18:00:00.00 ID:1399336
【回想】
从#゜ワ゜从「もう我慢できない!今こそ、私達獣人が団結する時だよ!」
从#゜ワ゜从「団結して人間どもの国をぶっ潰すんだ!」
ミ#◎Д◎彡「オミカちゃんの言う通りだ!人間は僕達から故郷を奪った!アイツらの故郷も同じ目に合わせてやる!」
──その日は、わしら西ゼリヤ王国の獣人達の集会の日じゃった。オミカは集会で『獣人達が団結して、人間に対抗する』という目標を掲げたんじゃ。
──しかし……
ミ´・ω・彡「う~ん……獣人が団結することは良いことだと思うけど、人猫商会としては人間に対対立するのは反対ニャ」
ミ ФハФ彡「コボルト族総代としても同意見じゃな。人間はたしかにワシらにとって脅威じゃが、真っ向から対立して勝てる相手ではない。それは歴史も証明しとる」
从゜ワ゜#从「それはアンタら年寄りが腑抜けだっただけでしょ!」
从゜ワ゜#从「東の方では魔王とかいう奴が人間と戦ってるんでしょ?魔王にできて私達にできないことはないでしょ!」
从*ー⊿ー从「魔王も結局は人間じゃ。人間同士が殺し合っとるだけじゃ……嘆かわしい」
从*・⊿・从「あっちなみにリナイ神社も反対じゃ。オミカよ。いたずらに人間と反目し合うのではなく、人間と協力することじゃ肝要じゃぞ?」
从゜ワ゜#从「そんな説教は聞きたくない!タヌキとカワウソはどう?」
彡゜ω゜=ミ「……我々カワウソ漁協は狼娘の提案に賛成だな」
从;・⊿・从「なに?」
彡゜ω゜=ミ「最近の街道整備工事で出た残土や廃棄物が、我らの川に垂れ流しになっている。このままでは川から魚が居なくなるどころか、人狼と同じく我らの住処もなくなってしまうことは必至だからな」
从゜ワ゜*从「そうよ!カワウソはよく分かってるわね!」
ミ;ФハФ彡「だが人間と戦うなんて無謀すぎやしないか」
彡゜ω゜=ミ「なにも人間と本気で戦争する必要はない。我ら獣人の怒りを買うとどうなるかを人間どもに知らしめ、我らを無視した傍若無人な行いをさせなくするだけだ」
ミ;´・ω・彡「そんなことしたら人猫商会の商品を買ってもらえなくなっちゃうニャ!」
彡゜ω゜=#ミ「なんだと!?人猫共は結局、自分たちの利益優先か!」
ミ;´・ω・彡「う……しょ、商売人が利益を優先してなにが悪いんニャ!」
从゜ワ゜#从「開き直るつもり!?私達は故郷をなくしてるのよ!」
ミ#´・ω・彡「だからって武力に頼れば、いよいよ獣人は人間に潰されるニャ!他の方法を探るべきニャ!」
ミ;ФハФ彡「まぁまぁ君達、ここは落ち着いて……」
彡゜ω゜=#ミ「おやおや、中立派きどりですか、コボルト族のご隠居。かつて人間を恐怖に陥れた"赤毛"も今やお飾りという訳ですかな?」
ミ;ФハФ彡「そ、それは違うぞ!今は武力でどうにもなる時代ではないと……」
从゜ワ゜#从「この……"ネコ野郎"!」
ミ#ФハФ彡「"ネ"っ……この小娘!侮辱は許さんぞ!」
ミ・ω・`#彡「侮辱!?アナタも結局ネコを差別しているニャ?」
ミ;ФハФ彡「あっ……いや違っ……これは言葉の綾で……」
彡゜ω゜=#ミ「お言葉ですがご隠居。オオカミ、カワウソの次は貴方達の番ですよ?コボルト族の住処のパラッハ草原、あれだけ開けた平地を人間が放って置くワケがない」
ミ;ФハФ彡「ぬ、ぬぅ、それは……」
ミ#´・ω・彡「そう言えば、コボルト族はラクシズ当局と出稼ぎ労働者の派遣に関する協定を結んだとか。どのような取引があったかは知りニャせんが……」
ミ#´・ω・彡「僕の予想が正しければ、労働力と引き換えに故郷を守った……というところでしょうかニャ?」
ミФハФ;彡「なっ!お主、どこでその話を!?」
从゜ワ゜#从「なによジジィ!だからアンタも他人事だった訳ね!」
彡゜ω゜=#ミ「自ら人間に屈し、人間社会の奴隷に成り果てるか!誇り高きコボルトも堕ちたものだ!」
ミ#ФハФ彡「黙れ!大事なのは一族の存続じゃ!いっときの怒りに身を任せて血が途絶えることこそ、愚かの極み!」
彡゜ω゜=#ミ「矜持を失えば生きる屍と同じよ!」
ミ#ФハФ彡 「ケンケン」彡゜ω゜=#ミ
ミ#´・ω・彡「ガクガク」从゜ワ゜#从
从*ー⊿ー从「あーはいはい。気持ちは分かるが、そう熱くなるな小童共。獣人の間で仲違いしとっては話にならん」
从*・⊿・从「『会合で提案があった場合は多数決』じゃろ?それに従って考えればよい」
ミ*´・ω・彡「なら今回は人猫、コボルト、人狐の3票が集ニャったから、獣人としては人間と仲良くするということで……」
从゜ワ゜#从「あァん!?」
从*・⊿・从「いや、まだひとり意見を聞いとらんじゃろう?」
ミ;´・ω・彡「えっ誰ニャ?」
从*ー⊿ー从「……タヌキじゃ」
ミ● ● 彡「……」
从;゜ワ゜从「い、いたの……?隠神じいちゃん」
彡=゜ω゜ミ「万年欠席の狸爺が。いまごろ何用だ?」
ミ● ● 彡「ふむ、今回の会合は面白いものが見れると感じてな」
ミ● ● 彡「いやはや、お前らの諍いは本当に愉快だった。もう帰っていいか?」
ミ#ФハФ彡「いいワケないじゃろ!」
从*・⊿・从「総代の言う通り。会合に参加したならお前も決議に参加してもらうぞ?」
ミ● ● 彡「面倒だな……まぁいいだろう」
从*ー⊿ー从(ふんっどうせお前の魂胆は分かっとるがな)
ミ● ● 彡「……人間と協力するが3票に、抵抗するが2票か」
ミ● ● 彡「ククク……ならばワシらタヌキも対人間に1票を投じよう。理由は……人間共は昔から気に食わなかった、とでも言おうか」
从*ー⊿ー从(いま考えたな)
ミ;´・ω・彡「っ!!ということは、これで3対3ニャ。意見が拮抗するのは久しぶりニャ……」
彡=゜ω゜ミ「長らく狸爺が欠席していて奇数だったからな。しかし……我らにとってはありがたい」
从*゜ワ゜从「なに?この場合はどうなるの?」
ミ;ФハФ彡「それは……」
从*・⊿・从「臨時特別決議じゃな」
417名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/16(月)18:00:00.00 ID:1399336
【現在】
从*・⊿・从「……ということで、その会合の1週間後、臨時特別決議が開催されることになったのじゃ」
(^ω^ )「…………」
(^ω^ )「……zzz」
从#・⊿・从「おい!寝るんじゃない!」
(^ω^ )「ジジイ共の会議風景なんてどこに需要があるんだよ」
(’A`;)「まだ袂を分かつ出来事にたどり着いてねぇんだけど」
从 ・⊿・从「この話をしなかったら後々の説明がしにくいからのう」
(’A`;)「つーか会議の多数決で決まったのが臨時特別決議って、どんだけ会議したいんだよ」
(^ω^ )「人間の年寄りと同じだな」
(ФωФ )「臨時特別決議ってなにをするんですか?」
从 ・⊿・从「各派閥の代表が決闘して勝った方の意見に従うんじゃ」
(’A` )「急に知能指数を下げるな」
(ФωФ )「決議とは?」
(^ω^ )「分かりやすくて逆に俺は好き」
从 ・⊿・从「そしてこの決闘の代表に選ばれたのが……」
从 ・⊿・从「人狼族の"銀狼"オミカとコボルト族の"赤毛の戦士"だったのじゃ!」
(ФωФ )「おぉ……ここで二人が!」
(^ω^ )「満を持しての対決ってワケか」
(’A` )「それで、結果はどうなったんだ?」
从 ・⊿・从「それはな……」
从 ・⊿・从「……」
从;ー⊿ー从「ふぅ、ちょっと休憩じゃ。喋り疲れた」
从*・⊿・从「疲れた時はリナイ神社特製のハチミツ梅干しじゃ!」
(’A` )「クソが。CMに入りやがった、アンビリバボーかよ」
(^ω^ )「いっちょまえにクリフハンガー使いやがって」




