勇者達が洞窟を冒険するようです その④
【登場人物紹介】
( ^ω^)【戦士】:レスラー体型の勇者。人生で一番高かった買い物は車。一年経たずに売却。
( ’A`)【魔法使い】:ヒョロガリ勇者。人生で一番高かった買い物はパソコン。もちろん虹色に光る。
(゜、゜*)【盗賊】:スタイルグンバツ勇者。人生で一番高かった買い物はマンション。タワマンの高層階。
( ・∀・)【道化師】:イケメンハイスペ勇者。人生で一番高かった買い物はスーツ。最初のボーナスで奮発した。
( ФωФ)【修道女】:勇者を導く僕っ娘。自分のお金で何かを買ったことがない。
( ´W`)【トレジャーハンター】:今回のクエストの依頼者。人生で一番高かった買い物は今の家。
41 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/08(土)07:30:00.00 ID:1399336
【ホラーナ洞窟 最奥】
トレジャーハンターが持ってきたツルハシで崩落現場の壁を砕くと、"それ"はすぐに姿を現した。
(;´W`)「これが"ターピュライト"、賢者の石だ」
彼の手の平では、ブローチ大の赤い宝石がおぞましく輝いている。
(;´W`)「千の命を使って、この大きさか……」
(・∀・;)「すごい暗い紅色ですね。深く切った時の血みたいだ……」
(’A`;)「血でできた琥珀っていうのか?そんな感じだな」
(^ω^;)「これが人間の血の塊と思うと、ぞわぞわするな」
(ФωФ;)「……」
(;-ωФ)「うぅっ」
(;’A`)「大丈夫か、修道女……気分が悪いなら少し離れるか」
(;-ωФ)「そ、そうですね。すみません……」
(’A`;)「すまん、俺も向こうで修道女を看ておくよ」
( ´W`)「いや。こんな曰くつきの代物だ。拒絶反応を起こすのも無理はない」
(・∀・ )「しかし、トレジャーハンターさんは何故これを探していたのですか?」
( ´W`)「"金"……という答えは望んでいないのだろうな」
(・∀・ )「まぁ本当にそれだけなら、それでもいいんですけど」
(・∀・ )「でも、アナタが元々鉱山で働いていたこと。"ターピュライト"が眠っている場所を正確に知っていたこと……そして、ここに来た時のアナタの表情」
(・∀・ )「色々考えると、純粋にお宝を求めるトレジャーハンターには思えないんですよ」
( ´W`)「ふぅ……流石は道化師、よく人を見とる」
( ´W`)「……この"ターピュライト"はな、事故で偶然生まれたものではない」
( ´W`)「人為的に造られたモノだ」
(^ω^;)「……ッ!」(・∀・;)
42 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/08(土)07:30:00.00 ID:1399336
【ホラーナ洞窟 最奥】
( ´W`)「ホラーナ鉱山会社……そもそも、この鉱山を開いた会社の目的こそ、"ターピュライト"の生産だったのだ」
( ´W`)「質の良い鉱山を餌に坑夫を集める。素材に足る人数が集まったところで"事故"を起こす。そうすれば数十年後に"ターピュライト"が生まれる。製造工程は極めて単純だ」
( ´W`)「事故の後すぐに閉山したのもその為。もはや鉱山としての価値は無いのだからな」
(^ω^#)「人の命をなんだと思ってんだ、その会社はぁ……ッ!」
(・∀・ )「うん。千人もの命を奪って、それに鉱石や宝石が沢山取れる鉱山を捨ててまで……それほどのモノなんですか、"ターピュライト"は!」
「そうだよ」( ω )
(;・∀・)「ッ!?」
(;^ω^)「誰だ!?」
「君達に名乗る名前は持ってない」(・ω・`)
「爺さん、その"賢者の石"。渡してもらおうか」(・ω・`)
43 名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/03/08(土)07:30:00.00 ID:1399336
【ホラーナ洞窟 最奥】
(;´W`)「き、貴様は……まさか、まだ会社に残党がいたのか?」
(・ω・`)「会社?残党?なんのことだか。僕はクライアントから"賢者の石"の回収を依頼されててね。ここへは単なる仕事で来ただけだよ」
(・ω・`)「まぁ、クライアントは詳しいコトを教えてくれないから、アナタをつけてきたんだけど」
(#^ω^)「てめぇ!いきなり現れてゴチャゴチャと!誰が渡すか、これは爺さんのモンだ!」
(#^ω^)「早い者勝ちはトレジャーハンターの常識だろうがッ!!」
(・ω・`;)「そんな常識知らないよ……そもそも僕はトレジャーハンターじゃないし」
(・∀・ )「というか爺さん、あの人、アナタの仲間じゃなかったんですね」
( ´W`)「どういうことだ?」
(・∀・ )「いや、なんかずっと後ろに誰かいる雰囲気があったから……もしかしたら、宝を発見したら口封じの為に俺達を殺そうとしてるのかと」
(;´W`)「そんなワケなかろう!最近、誰かに監視されてる気配があったから念には念をいれて護衛を雇っただけだ!」
(・ω・`;)「あっれ?僕、結構バレバレだった?へこむなぁ」
(・ω・`)「まぁでもスパイ活動なんて本業じゃないし、別にいいか」
(・ω・`)「さて、申し訳ないけど会話を楽しむ暇はないんでね。さっさと賢者の石を渡してもらおう。大人しく言うことに従ってくれるんなら、僕はそれでいいんだから」
(;´W`)「……嫌だと言うなら?」
(・ω・`)「駆け引きなんて時間の無駄だよ」
謎の男はそう言うと、突如として姿をくらました。
(;^ω^)「消えたッ!?」
(・∀・;)「魔法か?」
(´・ω・)(;´W`)「一体どこへ……」
「あまり手荒な真似はしたくないんだ。僕は平和主義でね」
再び現れた時、その男はトレジャーハンターの背後をとっていた。
(´・ω・)(゜W`;)「っ!?」
「護衛にする冒険者は吟味した方がいい。僕程度にさえ遅れをとる役立たずを雇うなんて金の無駄だ」
(・∀・;)「な……っ!いつの間に!?」
(´・ω・)(´W`;)「ぐ……っ」
「さあ、"賢者の石"を渡すんだ。死ぬならベッドの方がいいだろう?」
(´W`;)「……」
(´W`;)「ふふ……ふふ……」
(´・ω・)「なにがおかしい?」
(´W` )「貴様、よもや"賢者の石"の力を知らぬではあるまい?」
(´・ω・)「……」
(;´・ω・)「!!」
(^ω^;)「"賢者の石"の力……?」
(´W`#)「"塵埃衆生悉く……"」
合掌し、全霊を込めた呪文を詠唱するトレジャーハンター。その"脅威"を感じ取った謎の男は、慌てて距離を取る。
(;´・ω・)(!ッ……コレはまずい)
(´W`#)「"……憤怒怨嗟を結集し、無量の徒花求めて曰く"」
(゜W゜#)「"十万億土一切焦土"ッッ!!!」
荒ぶる彼の周囲に炎の華が咲き乱れる!!
(゜W゜#)「『獄炎魔法:千紫万紅』!」
それは触れたモノを瞬く間に灰にする、極高温の炎ッ!!
(^ω^;)「うわぁ!熱ッ!!」
(;・∀・)「な、なんて魔法だ……俺達のとケタが違う!」
(´W`;)「じっとしておれ、若人よ!久しぶりの本気だ、あまり細かい動きはできん!」
(;´・ω・)「く、くく。超高等呪文を詠みきるか……噂には聞いていたが、これほどとはね」
(;´・ω・)「腐っても元S級冒険者だね……クソが」
(^ω^;)「え、マジ?」
(´W` )「昔の話じゃ!ほれ、幾千万の炎の華が貴様を狙うぞ!?」
(´W` )「避けられるものなら、避けてみよ!」
(´・ω・)「!!」