勇者達の下に仲間が集うようです その②
382名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/08(日)18:00:00.00 ID:1399336
【蒸気都市ラクシズ】
西ゼリヤ王国を発った勇者達は山越え野を越え、最後の補給地ラクシズにやってきたのだった。
( ノ∀`)「ラクシズはいまや魔王軍との最前線だと聞いています。避難民らしき方も結構見かけますね」
从*・⊿・从「わしは久しぶりに来たのう。タービンタワーは停止しとるらしいが大丈夫かや?」
(ФωФ )「いまは復旧の為の工事中らしいですが……魔王のせいで工事も中断しているでしょうね」
从*ー⊿ー从「まったく、魔王も困ったもんじゃな。タービンタワーが回っとらんせいで、こっちの物価は上がりっぱなしだというに」
(゜、゜*)「そういえば、魔王はラクシズには攻めて来る気配がないみたいだけど、タービンタワーには興味ないのかしら……」
(゜、゜*)「こんな巨大なエネルギー炉みたいなの、私が侵略者だったら特に狙いたいと思うんだけど」
( 十AФ)「手を出しあぐねているだけではないのか?」
(ФωФ )「!……あなたは!」
(^ω^ )「"赤毛の戦士"さんじゃないスか、チィース!」
( 十AФ)「久しぶりだな、勇者達。今日はいったいどういった用事だ?」
(ФωФ*)「これから魔王をぶっ殺しに行くんです!」
(;十AФ)「あ、ああ……そうか。雰囲気は変わったが、中身は相変わらずだな君は……」
(’A` )「アンタは何をやってるんだ?」
( 十AФ)「いやなに。いまラクシズは聖アガメマス教会の聖伐軍が守ってくれているのだが、我々コボルト族も一時的だが協力しているのだ。今日はその会合があってな」
( 十AФ)「その打ち合わせの帰りに、君達を見かけたわけだ」
从*・⊿・从「お~、コボルトもいよいよ人間との共生を始めたか。善きかな善きかな」
(十AФ;)「バ、ババ様!?」
从*・⊿・从「当代の"赤毛"よ。代替わりしてから会うのは初めてじゃな?ジジィは元気か?」
(十AФ;)「え、えぇ。まだ毎日鍛錬は続けているようで」
(・∀・ )「二人は知り合いだったんだ?」
( 十AФ)「ああ。というより西ゼリヤ王国の獣人でババ様を知らぬ者はいないだろう。まとめ役、相談役みたいなものだ」
(^ω^ )「そんなに偉いババアだったの?」
(;ノ∀`)「まぁ王様や高弟様とも対等に以上に話せる唯一の獣人ですね……」
从*ー⊿ー从「なに、時たま皆でお茶を啜う会を開いて、愚痴を聞いてやっとるだけよ。大したことはしとらん」
从*・⊿・从「それより"赤毛"よ。魔王がラクシズに手を出しあぐねているというのは、どういうことじゃ?」
(十AФ )「一度は近くまで魔王軍が攻めてきたのですよ。しかし、ラクシズの征伐軍とコボルトの連合と戦ってすぐ、奴らは逃げるように引き返していったんです。そこから目立った動きはありません」
(十AФ )「おそらく、コボルトが手を貸しているとは思ってもおらず、想定外の強さに恐れをなしたのでしょうな」
从*・⊿・从「ふむ……」
从*ー⊿ー从「慢心じゃな」
(十AФ;)「なっ!?」
从*・⊿・从「コボルトも聖伐軍も精鋭とは言え、あの魔王軍が何の戦略もなしにむざむざ撤退するワケがない。なにか別の狙いがあると考えるべきじゃ。もちろんお前らも善戦したのじゃろうがな」
从*・⊿・从「それを自らの強さだけが理由とするのは、かなり手前で議論が止まっとる」
(十AФ;)「それは……」
从*・⊿・从「もちろんわしも魔王の考えは分からんがな。だが、だからこそ、こちらから動かねばならぬのだ」
(十AФ;)「というと?」
从*・⊿・从「わしらはこれから帝都に突撃する。お前も来い」
(十AФ )「は?」
(^ω^ )「え?」
(・∀・ )「俺達の意見も聞いてくれよババア」
从*・⊿・从「仲間が増える分には問題ないじゃろ」
(’A` )「いやまぁ、この人がいれば百人力だけどさ……急にはムリだろ」
从*・⊿・从「そこら辺はわしが話をつけてやろう。ババアの政治力をナメるでない」
(十AФ;)「いや、ちょっと私の意志は……?」
从*・⊿・从「実は獣王ガッデムの正体はな……」
赤毛の戦士にババアが耳打ちをする。
(十AФ )「!」
(十AФ )「……なるほど、そういう話であれば私も行きましょう」
(゜、゜*)「なにか因縁でもあるの?」
( 十AФ)「うむ。つまらぬ腐れ縁だがな」
383名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/08(日)18:00:00.00 ID:1399336
( ФωФ)「あれ?そういえば諜報員(´・ω・)さんは?」
( ・∀・)「いまごろ気がついたのか」
( ^ω^)「アイツに興味なさすぎだろ」
(;ФωФ)「すみません……魔王との戦いで頭がいっぱいで」
(’A` )「でもたしかにアイツ、アロスティ城までは一緒だったけど、そのあと姿を消したよな」
(゜、゜*)「王様から言われて、別の任務でもやってるんじゃないの?」
( ^ω^)「あ、いや。たぶん違うと思う」
(゜、゜*)「なに?アンタ理由知ってんの?」
( ^ω^)「まぁ、それが原因かは分からんけど」
( ^ω^)「トレジャーハンター( ´W`)にアイツのこと、ちゃんと全部話してあげただけだよ」
( ・∀・)「殺人教唆?」
( ^ω^)「いやぁ?そんなつもりはなかったけどなぁ?」
(’A` )「白々しすぎる」
384名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/08(日)18:00:00.00 ID:1399336
【どっかの森】
(#゜W゜)「キェェェェッ!!殺ェェェェッ!」
(;´・ω・)「クソっなんでこんなことに!こんなことしてる暇ないのに!」
(・ω・`;)「爺さん、話せば分かる!落ち着いてくれ!」
(#゜W゜)「話はお前を殺してからじゃ!」
(・ω・`;)「聞けよボケジジイ!」