勇者達の下に仲間が集うようです その①
378名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/07(土)18:00:00.00 ID:1399336
【アロスティ城下町】
(ФωФ )「高弟様、祭司様!それではいってきます!」
(.゜∀゜)「うむ!頼んだぞ!」
| ´ω`|「あぁ、いってらっしゃい」
| ´ω`|「そうだ。コレを託さねばな」
祭司は懐から取り出したお守りを修道女に渡した。そのお守りは、ほつれが見事に補修され、まるで新品のようだった。
(.゜∀゜)「ん?」
(ФωФ )「わ、ありがとうございます!これは……」
| ´ω`|「私が頼んで、リナイ神社の神主がやってもらったのだ」
次の言葉を遮るように祭司が早口に答えた、その時である。どこか懐かしさを覚える声が通りに響いた。
从*・⊿・从「その通りじゃあ!いやぁ骨が折れたわい!」
(;.゜∀゜)「この声は……ババ様か」
从*・⊿・从「おや。坊主もおるのか!久しぶりじゃの、元気じゃったか?」
(゜∀゜.;)「『はい』と答えられる状況ではありませんよ……」
(ФωФ )「おや、お二人はお知り合いだったのですか?」
从*・⊿・从「そりゃあ取引先みたいなモンじゃからな。コイツがオムツしとった時からの知り合いじゃ!」
(;.゜∀゜)「信徒の前で止めて下さいよ」
从*・⊿・从「祭司と、わしからも魔除けの祈りを込めといた!きっと魔王にも効果があるぞ!」
(ФωФ )「あ、ありがとうございます!」
| ´ω`|「いやいや、私にできるのはこれくらいだからな……」
そういう祭司に、高弟ドナドが耳打ちをする。
(゜∀゜.)「なにを考えている?聖女はもう"聖なる装束"を身につけているだぞ?」
(゜∀゜.)「それに、協力関係とは言え他宗の護符など……」
| ´ω`|「問題ありません。神主に頼んだのは、彼女が私とも修道女とも付き合いがあったからであって他意はありませんし、あれには純粋な願いしか込められておりません。魔力などは感じないでしょう?」
(゜∀゜.)「ふむ……」
高弟ドナドは、周囲に気づかれぬように修道女のお守りに魔力を這わせる。しかし祭司の言う通り、自身の魔力以外、なにも感じることはなかった。
(.゜∀゜)「たしかに、その通りだな」
| ´ω`|「ならば問題はなにもないハズです。それに魔王討伐は我々だけでなく世界中の人々の願いでもありますゆえ」
| ´ω`|「高弟様も知っての通り、彼女は私の娘のようなものです。せめてこれくらいの勝手はお許しください」
(.゜∀゜)「そうだったな……そのような事情であれば、なにも言うまい。他宗との団結を示すものと納得しておこうか」
从*・⊿・从「おい坊主!なにをコソコソ話しておるのじゃ!?」
(.゜∀゜)「ああいえ、この後の段取りを……兄上が魔王に囚われてしまったゆえ、私が聖アガメマス教会の聖伐軍に指示を出さねばなりませんから」
从*・⊿・从「そうかそうか、お主も大変じゃのう!」
(.゜∀゜)「ええ、本当に……」
从*・⊿・从「そんなお主に朗報じゃ!祭司も聞け!」
从*・⊿・从「わしも勇者について行くぞい!」
(;.゜∀゜)「……は?」|´ω`;|
379名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/07(土)18:00:00.00 ID:1399336
【アロスティ城下町】
( ФωФ)「えー……ということで」
( ФωФ)「神主様もパーティに加入しました」
从*・⊿・从「よろしくなのじゃ!」
(・∀・ )「なんで?」
(^ω^ )「ババア無理すんな」
(’A` )「馬車旅とか腰にクるけど大丈夫か?」
从*・⊿・从「バカにするでない!馬車くらい平気じゃ!」
(゜、゜*)「でも、なんでこのタイミングで手伝ってくれる気になったの?」
从*・⊿・从「いや、なに。祭司からお前さん達の旅の話は度々聞いとったんじゃが……」
从*・⊿・从「なんとなんと!獣王の正体が、人狼族のじゃじゃ馬と知っての」
从#・⊿・从「あのバカ娘にゃ、いま一度お灸を据えたらんと思うてのう!」
(^ω^ )「ババアは鍼灸される側だろ」
(゜、゜*)「知り合いだったのは分ったけど……相手は魔王四天王だけど大丈夫なの?」
( ・∀・)「いや、そこはむしろ問題ないと思う」
( ’A`)「古今東西、戦うババアってのは最強の存在だからな」
从*・⊿・从「大船に乗ったつもりでいろぃ!」
(゜、゜*)「……大丈夫かしら?」
380名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/07(土)18:00:00.00 ID:1399336
【アロスティ城下町】
( ^ω^)「それじゃあそろそろ出発……」
(゜、゜*)「そういや移動ってやっぱり普通の馬車なの?」
( ・∀・)「残念ながら」
(’A`;)「あれ嫌なんだよなぁ、サスペンションがないから腰に振動が直撃するし……」
勇者達がアロスティを後にしようとした、その時であった。背後から彼らを呼ぶ声が聞こえた。
(;ノ∀`)「皆さん!待って待って!僕を忘れてます!」
(^ω^ )「あ、えっとアンタは……」
(^ω^ )「……」
(^ω^ )「キュミノー君!」
(;ノ∀`)「なんですかその間は!」
(;ノ∀`)「何ヶ月も一緒に過ごしてるのに!」
(^ω^ )「最近影が薄かったから……」
(;ノ∀`)「ひどい!!」
(・∀・ )「まぁ、キュミノー君って真面目で頑張り屋な性格で、あんまり目立つタイプじゃないしね」
(’A` )「真面目で頑張り屋な性格が目立てない社会は間違ってると思う」
(・∀・ )「仕方ないけど社会はいつだってプラスαを求めているんだ」
(・∀・ )「それでキュミノー君はどうしてここへ?」
(;ノ∀`)「どうしてって……皆さんと一緒に行くためですよ!」
(ФωФ;)「えっ!?行き先は魔王城ですよ!?」
(・∀・ )「故郷でゆっくりしときなよ」
(゜、゜*)「アナタは戦えないでしょう。止めておきなさいよ」
( ノ∀`)「い、いえ!僕の目的は誘拐されたフィオレお嬢様を助け出すこと!それを終えるまで勇者達と分かれる気はありませんよ!魔王城までついてきます!」
(#ノ∀`)「なんなら魔王とだって戦ってやります!」
(^ω^ )「キュミノー君……その心意気、ナイスだね」
(’A` )「アンタ、漢だぜ」
(・∀・ )「プラスαを持つ男、キュミノー」
(゜、゜*)「いやいや、それでも戦うこともできない人を死地に向かわせるなんてできないわ」
(゜、゜*)「キュミノー、あなたには何ができるの?」
( ノ∀`)「馬車を出します!」
( ノ∀`)「高性能サスペンション付き魔導馬車です!」
(゜、゜*)「採用!」
(^ω^ )「我らの腰の救世主」
(’A` )「一度あれを体験したらな、もう他の馬車に乗る気にならねぇもんな」
(・∀・ )「やはりキュミノー、プラスαを持つ男」
381名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/07(土)18:00:00.00 ID:1399336
【アロスティ城下町】
( ФωФ)「それでは改めまして……出発です!」
こうしてヨイノマの巫女、考古学者キュミノーの二人を加えた勇者達7人を乗せた馬車は、崩壊した帝都ドナドに向けて走り出した!
だがしかし、問題は思ったよりも遥かにはやく勇者達を待ち構えていた!
从;・Д・从「あがっ!あががががが!腰がっ!振動が!」
(^ω^ )「腰がクソ雑魚じゃねぇかババア」
(’A` )「だから言ったじゃねぇかババア」
从;・Д・从「うるさい!わしは平気じゃ、こんな振動には負け……っ!」
馬車が小石を蹴る。
从;・Д・从「ぬぅぅぅふぅっん!!」
(^ω^;)「ババアの喘ぎはキツイって」
(・∀・;)「俺の座布団やるよババア」
(゜、゜*)「全く大丈夫じゃなかったわね」




