勇者達は魔王との決戦に備えるようです
369名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/05(木)18:00:00.00 ID:1399336
【西ゼリヤ王国 アロスティ城下町】
( ^ω^)「世界を一周して戻ってまいりました」
(’A` )「変わってねぇなぁ……この街も……」
(゜、゜*)「いや、けっこう雰囲気は変わったわよ」
見回すと大通りの路肩には粗末なテントが並び、ボロ着の人々が身を寄せ合っていた。
(´・ω・)「ドナドからの避難民だね。道中で情報は手に入れていたけど、やっぱり帝都は陥落したようだ」
(;ФωФ)「こんなことになっているとは……やはり魔王は早急に討つべき存在です!」
( ・∀・)「そうだね。とにかく今は状況を正確に把握したい。西ゼリヤの王様の所に行こう」
370名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/05(木)18:00:00.00 ID:1399336
【西ゼリヤ王国 アロスティ城】
(;王・ハ・)「おお、勇者達よ。戻ってきたか!今か今かと待っておったぞ!」
(^ω^ )「俺達が来たからにはもう安心だ!任せろぉい!」
(ノ∀`;)「せ、戦士さん……王様にそのような言葉遣いは……」
(王・ハ・)「よい。パルマフ家の倅よ。勇者は女神様の使いであって、朕の家臣ではないのだから」
(ノ∀`;)「は、はい!」
(王・ハ・)「さて勇者達よ、事態は深刻だ。帝都ドナドが魔王軍に占拠され、ここ西ゼリヤ王国にも大量の難民が押し寄せている。幸い、魔王はまだ帝都以西には進軍してくる様子はないが、状況はどう変わるか分からぬ」
(王・ハ・)「故にお主達には、いよいよ魔王の討伐に出向いてもらう!」
(ФωФ )「はいっ!」
(・∀・ )「えっと……いちおうお聞きしますが……」
(・∀・ )「やっぱり私達5人で?」
(;王・ハ・)「申し訳ない……朕の騎士団は国境の守りについておるので、兵を貸すことはできぬ」
(’A`;)「まぁこんなことだろうとは思ってたけどな、5人で大軍団相手に戦えんのか?」
( ^ω^)「ゴブリンは倒せたじゃん」
(’A`;)「そりゃあんな指揮も作戦もない獣の大群みたいな相手だったからなんとかなったが、こんどは人間の軍隊なんだぞ?普通にムリだ」
(・∀・ )「スパルタ軍でも300人はいるしな」
( ’A`)「それも結局は負けただろ」
(゜、゜*)「まぁ……魔王の暗殺だけなら、なんとかなるかもしれないけどねぇ」
(゜、゜*)「それって効果あるのかしら?」
( ФωФ)「魔王を倒せば魔王軍など瓦解するのでは?」
(゜、゜;)「それくらい単純だったらありがたいけどね」
「心配は無用だ!策はある!」
(;ФωФ)「こ、この声は……!」
|´ω` |「私だ!」
( ^ω^)「誰だっけ?」
( ・∀・)「祭司さんだよ。修道女の上司的な」
371名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/05(木)18:00:00.00 ID:1399336
【西ゼリヤ王国 アロスティ城】
|´ω` |「魔王を倒せば我らの勝利は揺るぎない!」
(王・ハ・)「祭司殿。ということは、準備は整ったということですかな?」
|´ω` |「はい!高弟ドナド様は既に神殿にて待っております」
(゜、゜*)「準備?なんの?」
|´ω` |「女神様の"復活"だ!」
|´ω` |「女神様が復活すれば、魔王という頭目を失くした軍など、たちまち壊滅させ、再び世界に平和が訪れるだろう!」
(’A` )「……えっ?女神サマ復活できるの?」
(’A` )「そんだったら俺ら要らなくない?」
|;´ω`|「いや、女神様復活の為に魔王を倒さねばならない。なぜなら"聖地の証"という女神様の降臨に必要な宝具が、魔王の手に落ちてしまったからだ」
|;´ω`|「女神様の復活計画は聖アガメマス教会が以前から秘密裏に進めていたのだが、魔王め……どこから嗅ぎつけたのか知らぬが、"聖地の証"を教会総本山から盗み出し、復活を阻止しているのだ!」
(ФωФ;)「なんと卑劣な……っ!許せません!」
| ´ω`|「うむ。そこでだ。勇者が魔王を倒した後……鎹、君が女神様を復活させるのだ!」
(ФωФ;)「ぼ、僕が!?」
| ´ω`|「大丈夫だ!勇者と共に世界を旅し、沢山の経験をして、強くなった今の君になら、きっとできる!」
(ФωФ;)「……」ゴクリ
(ФωФ )「……わかりました。その大役、僕が引き受けます!」
|*´ω`|「おおっなんと勇敢な!立派に成長したのだな、鎹!」
(ФωФ*)「はいっ祭司様!」
(;・∀・)「あの……二人の間に割って入って悪いんだけど、結局それなら何の準備が整ってるの?」
|´ω` |「女神様復活の儀式に必要な"聖なる装束"の仕立てだ」
|´ω` |「ただいま高弟ドナド様が、法力を込めてくださっている。さぁ修道女。神殿へくるのだ。君に"聖なる装束"を託そう!」
( ФωФ)「分かりました!」
そう言うと、修道女は祭司に連れられてアロスティ城を後にした。
( ’A`)「聖なる装備か。いよいよラスダン前っぽいな」
( ・∀・)「HPと精神力が上がりそう」
( ^ω^)「俺達も今のうちに装備を整えておくか」
(゜、゜*)「あら、久々に賢いわね」
(王・ハ・)「……むっそうだ!」
(王・ハ・)「勇者達よ!"聖なる装束"には及ばぬが、そなた達にも特別な装備を授けようではないか!」
(^ω^ )「えっ!?マジで!?」
(’A` )「メチャクチャありがたいッス!」
(・∀・ )「王家の装備とかですか!?」
372名前:以下、名無しにかわりまして日曜日夕がお送りします[sage]:2025/06/05(木)18:00:00.00 ID:1399336
【アロスティ城下町 武具屋・スミスクラブ】
( ^ω^)「"勇者のコルカリオ・アーマー"!」
【勇者のコルカリオ・アーマー】
スミス・クラブの最上級プレートアーマー"勇者"シリーズ最新作。硬いが軽い貴重なコルカリオ鉱石を素材とした超高級品。その鎧はドラゴンの如何なるブレスをも防ぎ、どんな衝撃をも吸収する。甲冑技術としては最新鋭のスミス製法を採用。まるで裸と紛うような可動域の広さを実現。
(’A` )「"賢者のセリカ・ローブ"!」
【賢者のセリカ・ローブ】
スミス・クラブの最上級ローブ"賢者"シリーズ最新作。世界一滑らかな繊維と評されるセリカ絹をふんだんに用いた超高級品。セリカ絹は非常に魔力伝導性が高く、装備している者の魔力消費を軽減。通気性や速乾性にも優れ、暑いダンジョンも苦ではない。
( ・∀・)「"アオヤマの背広"!」
【アオヤマの背広】
上質なウールを使用してプレミア感とスマート感を待たせたオーダーメイドスーツ。ビジネスでもカジュアルでもシーンを問わずオールシーズン使えます。防シワ加工。
( ・∀・)「……俺だけ変わってなくね?」
( ^ω^)「綺麗になったじゃん。オーダーメイドだし」
(;・∀・)「結局最後まで背広かよ」
(王・ハ・)「スミス・クラブでは道化師の装備は取り扱ってないようだな」
(’A` )「つーか全部既製品なんだけど」
(王・ハ・)「一点モノの装備より、こういった世界企業の最高級モデルの方が性能が良かったりするものだ」
( ・∀・)「それはありそう」
(゜、゜;)「ちょっちょっと待ちなさいよアンタら!なによ、私のこの装備!」
試着室から飛び出してきた盗賊が装備していたのは……
(゜、゜;)「ほとんど紐じゃない!」
【夢想のビキニ・アーマー】
スミス・クラブの限定プレミアム"職人の遊び心"シリーズ最新作。男ならば多くは語らぬ夢想を具現化した一品。甲冑部分にはコルカリオ鉱石、ビキニ紐部分には丈夫で伸縮性がよく、お肌に優しいアミシカ糸を使用。ほぼ裸なので軽く、可動域が広い。なお、実戦での使用は想定されていない。
(゜、゜;)「こんなので戦えるワケ無いじゃない!」
(;’A`)「ビキニ・アーマー……まさか存在しているとは」
(;・∀・)「恐れ入ったぜ異世界……」
( ’A`)「……あれ、でもビキニ・アーマーって女戦士の装備じゃね?」
( ^ω^)「じゃあ俺が着てやろうか?」
( ・∀・)「殺すぞ」