乾杯
こがねいろ
弾ける泡に
棹させば
黄昏の海へ
漕ぎてぞゆかん
水平線はどこ?
私はこちら
海の中
こがねいろした
泡の夢
夢の泡立ち
乗り越えて
いざやゆかん
波の江はここ?
あなたはそちら
川の底
あかがねいろ
空の彼方の
雲と星
染めたぞ
染めたぞ
しゃくどうに
そらいろはどこ?
空にもないの
海にもないの
川底の
まあるい石も
どけたのに
ぎんのいろ
星がそろそろやってくる
赤く青く瞬いて
それから銀に散らばって
私は進む
波頭
砕けて消えて
波の下
あなたは川の
底にいて
わたしは海の
中にいる
ゆらめく光と
海藻と
差し込む光と
浮草と
雲は走るよ
きんいろに
風も走るよ
あかがねに
あなたは います
川の底
滑らかな石に
横たわり
じっと空を
見つめている
きんよ
ぎんよ
逆巻く波の
縁取りよ
こがねいろ
こがねいろ
赤に浸され
夜の夢
お読みいただきありがとうございました