番外話 その後のスライドのパーティ
……一方、その後のスライドのパーティは。
いつもの冒険者の宿でたむろしていた。
「王都に戻って来てから半年、借金は減るどころか増える一方じゃねえか」
スライドはすっかりげっそりしていた。
「それにしても今日はどうも王都が騒がしいな」
エドガ―が賑やかな街の様子を見て言う。
「どうやら、鍵の勇者と鍵の戦士の婚礼の儀が行われるそうよ」
ミレイが言う。
「けっ、ジョウの野郎上手くやりやがって、貴族のお嬢様と結婚かよ」
スライドは舌打ちする。
「鍵の勇者を支えた鍵の戦士以外の三人の女性も出席するそうですぜ」
モラドが情報を伝える。
「けっ、ハーレムかっての、三人の女性かよ」
スライドは今聞いた情報を繰り返す。
「鍵の戦士以外の三人か、ほんとハーレムよね、揉めなかったのかしら」
「いや、本当は一人とずいぶん揉めたという話じゃよ。でも、その娘はジョウのために身を引くことにしたらしい」
メルビルが確かめるように言う。
その時だった。
「あ――! おまえたち、またサボってるな、とっととクエストをこなしてこい」
そこに現れたのはいかにも金にうるさそうな中年の男だった。
「げっ、借金取りの野郎がまた現れたぜ、ずらかろう」
スライドは急いで荷物をまとめる。
「こらー、はやくホブゴブリン退治のクエストを果たしてこい!」
「やなこった――!!」
逃げるスライド達のパーティだった。
空は雲一つない青い空で、婚礼の儀にふさわしい。
晴天がどこまでも続いていた。
(終わり)
これにてアンロック完結です。ここまでお読みくださりありがとうございました。
お手数ですが作品が面白かったという方は広告下の☆☆☆☆☆からの評価、またはブックマークの登録をお願いいたします。また、出来れば感想をください。
それでは、また会う日まで!