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第72話 水の牢獄

 俺達は魔王城の奥深くへ進んでいた。


 鍵のついた扉を見つける。

「かなり奥へと進んできたはずだけど、まだなのか魔王の間は?」


「瘴気が色濃くなってきたわ。確かに魔王に近づているはずよ」

 アリシアが言う。


「よし、扉を開けるぞ。施錠解除アンロック!」


 扉を開けた先は長方形の何もない部屋だった。


「待って、扉が消えていくわ」

 アリシアが今入ってきた扉を指して言う。


「なんちゅーこった、閉じ込められたんと違うか?」


 俺達は四角い部屋の中に閉じ込められてしまった。


「ハーハッハッハ。罠にかかったな」


「その声はリュウセイ、汚いぞ、正面から勝負しろ」

 俺はその声がするほうに向かって言う。


「ハハハハ、それは御免だ! おまえたちには溺れ死んでもらう」


 そう言うと、部屋の上部に給水口が現れ、水がドドドと勢いよく流れてきた。

 

「しまった、俺達を溺死させるつもりだ!」


 俺は天井の給水口に向かって唱える。


遠隔施錠リモートロック!」


 が、水の勢いは激しく一旦止まったかと思うと後から後から水が落ちてくる。


「まずいわ、水かさがどんどん増している!」

 アリシアが慌てる。


「キィ!」

 俺はキィを抱きかかえる。


 キィの顔の部分にまで水かさがあがってきていたからだ。


「なんとかならないのか? ステラ」


「あかん、何の呪文も思いつかへん!」


 そうこうしているうちにも腰のあたりまで水が迫ってくる。

 

「ジョウ君、どいていて、オリハルコンソードで道を作る!」

 アリシアがオリハルコンソードで壁に向かって切りつける。


 しかし、オリハルコンソードで切った壁はすぐに元に戻ってしまう。


「なんてこと、壁が柔らかすぎて逆にオリハルコンソードが効かない!?」

 アリシアがオリハルコンソードを手にして叫んだ。


「扉がないから施錠解除アンロックも出来まい。これは私が考えた鍵の勇者のための罠、いわば水の牢獄なのだ、ハーハッハッハ!」

 リュウセイの声がとどろく。


「くそっ、やり方が汚いぞっ! 戦士としての誇りはないのか?」

 その声に向かって俺は叫ぶ。


「戦士としての誇り? そんなものが何になる? 要は勝てばいいのだ。ブゲンの奴はそのつまらない戦士としての誇りとやらのために敗れたのだ」

 リュウセイの声が響く。


「くそっ、こうなったらマスターキィソードを使って強引に突破するしかない」


 俺は、キィを抱き寄せ唱える。

施錠解除アンロック


 光と共に鍵の剣が現れる。


「扉がなければ、扉を作ればいいんだ!」


 俺は壁にマスターキィソードをつけて叫ぶ。

創造施錠解除クリエイトアンロック!」


 その瞬間壁は光に包まれた。


 そして縦に長方形の扉の形がかたどられる。


 そうして作られた扉はかなりの厚みがあったが奥に向かって開いていく。


「アリシア、キィ、ステラ脱出だ!」

 俺は皆を水の牢獄から脱出させるのだった。

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