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第71話 対決!スライドのパーティ

「ジョウ君!?」


 俺はスライドから離れて座り込む。

 脇腹から血がにじんでいく。


「ちっ、仕留めそこなったか」

 スライドが短刀を手に見下ろすように言う。


 アリシアが傷跡に治癒魔法ヒールをかけてくれる。

「大丈夫、ジョウ君?」


「どういうつもりだ。スライド!?」


「決まってるだろう、気に入らねえお前を殺してやろうってんだよォ」


 スライドの瞳が憎しみで狂気の色を帯びていた。


「てめえが名前付き(ネームド)の勇者なんて許せねえ、殺してやる、アクアドラゴンのリュウセイ様のためにもな」


「リュウセイ!? おまえ魂まで魔王に売ってしまったのか?」

 俺は叫ぶ。


「違うわ、リュウセイに洗脳されているのよ」


「ククク……、何も違ってなどいない。私はその者の憎しみの力を利用しただけだ」

 氷のように冷たい声がその場に響き渡る。


「我が名は魔王軍四天王リュウセイ、人型でおまえの前に現れるのははじめてだな、鍵の勇者!」

 

 リュウセイと名乗った水色の体をした男は奥の通路から現れた。


「クククク……おまえに殺せるかな、その者たちを、かっては仲間だった者たちを」


 それだけ言ってリュウセイは闇の中に消えていった。


「ジョウ、殺す……」

 スライドは剣を手にし、こちらに向かってくる。


 ミレイ、エドガー、メルビル、そしてシーフの男も思い思いの武器を手にしこちらに近づいてくる。


 メルビルがマジックアローの呪文を唱える。

 

 魔法の矢がまっすぐこちらに向かって飛んできた。


遠隔施錠リモートロック

 俺はとっさにその魔法の矢を防ぐ。


 しかし、その矢の威力は思った以上に大きく、俺の目の前にまで迫り消えていった。


「リュウセイ様の力でわしらはパワーアップしてるぞ、お前に勝てるかな」

 メルビルが笑う。


「大変、昔の仲間を攻撃するなんてジョウ君にはきっとできないわ」

 アリシアが言う。


 そうだ。

 かっての仲間。

 ……仲間。


 仲間、だっけ?


 俺はスライド達にされた仕打ちを思い出していた。

 鍵の開け閉めしかできない無能とののしられ、金は少ししか貰えず、あげくパーティを追い出された。


「仲間……か」


 そう言って、俺は両手を前に出し、開き、握る。


複数遠隔施錠マルチリモートロック!」


 光は弾け飛び、スライド達のパーティを包んだ。


「な……なんだ、動けねえ」

 スライド達はうめく。 

 

「仲間……なんかじゃないっ――――――!! 俺の仲間は今の仲間達だけだ!」


 俺はそう言ってスライド達を包んだ光を思いっきり左の壁にぶつける。


「ぐは――――っ!」

 壁に強く叩きつけられて、スライド達は目を白く見開いて気絶した。


 アリシアやキィやステラはあんぐりと口を開いてその光景を見ている。


「ふぅ、これで少しは気が晴れたぞ」


 俺はそう言って額の汗を拭うのだった。

 

 その後、俺はスライドパーティに施錠解除アンロックをかけてやり洗脳を解いてやるのだった。

 

「ど、どうするのこの人達……?」

 アリシアが少し動揺しながら聞いてくる。


「放っておこう、じきに目が覚めるさ」

 俺はそんなアリシアを見ながら言った。


「それより先を急ごう、魔王の元へ!」

 そう言って俺達はその場を後にするのだった。

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