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第70話 スライドの刃

 空中ではキアーヴェとザクスの猛烈な死闘が続いていた。

 

 また配下のファイヤーバードも出てきて、キアーヴェが押され気味だ。


 俺はキィに叫ぶ。

「マスターキィソードを!」


 キィは走り寄ってきて俺に抱き着く。

 俺はキィの胸元に手をかざす。


施錠解除アンロック!」


 鍵の形をした剣をキィの体から引き抜く。

 そして、上方のザクスに向けて叫ぶ。


遠隔施錠リモートロック!」

 光が迸り遠方のザクスに向かっていく。


 ――瞬間、ザクスの動きが止まる。


 その隙をキアーヴェは逃さない。

 一気に、魔王の島へとザクスを払い落とす。


 ザクスはかなりのダメージを受けたようだった。動けない。


「結界を解いたのか」

 キアーヴェは俺たちに向かって飛んでくる。


「今のうちに魔王の居城へ」

 俺達は、キアーヴェの背中に乗り鱗に捕まる。


 キアーヴェは飛び上がり、魔王の島の城へと向かっていく。

「あとはまかせたぞ、ジョウ」


「俺の助力は必要ないのか、キアーヴェ!?」

 俺はキアーヴェを気遣う。


「問題ない、鍵の力は中の敵を倒すため温存するべきだ」

 

 そう言って、キアーヴェは再びとどめを刺すべくザクスに向かっていく。


 アリシア、ステラ、キィは走って俺についてくる。

 キィにはマスターキィソードを戻しておいた。

 消耗は少しでも避けたい。


 俺達はついに魔王城の門へと辿り着いた。


 結界が消えたことで魔王城も慌ただしくなっている。

 

 俺は両手を門に着けて叫ぶ。

施錠解除アンロック!」


 門はギイィと中に開いていく。


 そこには魔物どもの群れが待機していた。

 ステラは超火力の魔法を放つ。


超火球スーパーファイヤーボール!」

 城の中に向けて放たれたそれは、門の入り口に待機していた魔物どもを焼き尽くしていく。


 俺達は城の中へと入り込むのだった。


 アリシアがオリハルコンソードを手にし先頭を走っていった。

「たああああああっ!」

 火球から逃れた魔物を一瞬のうちに切り裂いていく。

 

 アリシアの攻撃力はもうA級を超えて、S級のそれだと俺は思った。

 

 そうして俺達は魔王城の奥深くへと歩を進めるのだった。



 

 どれだけ奥へ潜っただろうか。

 魔王城の中は魔法の明かりがついた、瘴気の漂う迷宮ダンジョンとなっていた。

 近づく敵は俺の鍵の力とアリシアのオリハルコンソード、ステラの魔法の前に朽ちていった。


「まだ四天王のアクアドラゴン、リュウセイがいるはず、あいつは卑怯な奴だからどんな汚い手を使ってくるかわからないぞ」

 俺は走りながら叫ぶ。

 

「そやけど、この迷宮ダンジョンで魔王のいる場所にちゃんと辿り着けるんかいな」


「心配ない、どうやら鍵の羅針盤は魔王の瘴気を辿っているみたいだ。羅針盤が指し示す方向を辿っていけば行けるはずだ、キィ、案内を頼む」


 鍵の羅針盤はキィに持たせていた。


「マスター、こっちの方角だよ」


 キィが指し示す。

 俺達はキィが言った方向へと走っていくのだった。


 そして、俺たちが足を踏み入れたのは牢屋のある部屋だった。

「牢屋にたどり着いたか、方向は間違っていないはずだけど……捕まっている冒険者がいるかもしれない、助けよう」


 そう言って、俺達は牢屋に近づく。

 しかし、俺はそこでよく知った声を聞くのだった。


「鍵が開かないよ~!」

 その声はなんとスライドの勇者パーティのものだった。


「鍵が開かない~!!」

 スライド達は奥の牢屋でうめいていた。

 新しく入ったのだろうシーフらしき男が必死に鍵を開けようとしているが一向に開かないらしい。


「なんや、こいつら黒の転移石を勝手に使った奴らやないか、まだ生きてたんかいな」

 ステラが呆れた声で言う。


「ジョウ君、どうするの?」

 アリシアが聞いてくる。


「今さら鍵が開かないと言っても知りません! とはいかないだろ。助けよう」


 俺はスライド達が閉じ込められている牢屋の鍵に手をやる。


施錠解除アンロック

 光と共にスライドの牢屋の錠は開いた。


 スライド達は牢屋の中から出てくる。

「すまねえ、面目ねえ、ジョウ……」


 スライドはすごすごと牢屋の中から出てくる。


「ありがとう、ありがとうジョウ」

 そう言って、スライドは俺を抱きしめてきた。


 はっきり言って、気持ち悪い。

 俺はスライドを引き離そうとしたがその時、

 ――スライドが握った短刀が俺の脇腹に突き刺さるのだった。

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