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第57話 鍵の扉の迷宮(1)

 俺達は王都の南に突如として現れた鍵の扉の迷宮ダンジョンに来ていた。

 四角い、鉄とも粘土ともつかない素材でできている城のような大きさの迷宮ダンジョンだ。


「鍵って名前がつくぐらいだから鍵の力と何か関係があるに違いない」


 俺がそう言うとアリシアは言った。

「前にブレイブ王城の禁書庫で見つけた鍵の本によると、三百年前に魔王が復活した折に魔王の居城がある島へと導くアイテムがあったと書かれていたわ」


「だとすると魔王がとうとう復活したということになるな。それに確かに東の果ての絶海の孤島に魔王が封印されているとクリューチは言っていたけど島の詳しい場所まではわからないものな」


「魔王の居城がある島へと導くアイテム……。転移石のようなものかしら?」

 アリシアが疑問を口にする。


「だとしたら欲の皮が突っ張った冒険者が宝島へ連れて行ってくれるアイテムだと勘違いして横取りする可能性もあるな。さっさと行かな」

 ステラが言う。


「うん、けれどもこの迷宮ダンジョンいくつか入口らしきものがあるんだよな」


「そんなん男なら裏口なんて使わんで正面突破や」

 ステラがはっぱをかける。


「そうだな、じゃあ正面の一番大きな扉を開けよう」

 そう言って俺は正面の扉に手を着け唱える。


施錠解除アンロック!!」

 そうすると鍵の扉の迷宮ダンジョンの入り口はギイイイイと中へ開いた。


「どんな魔物モンスターや罠がしかけられているかわからない、気を付けていくぞ!」

 俺はアリシア、ステラ、キィに号令をかけた。




 中は魔法の灯りに照らされた大きめの通路が続いていた。

 

 俺達は慎重に歩を進める。

 しばらく進んだところに鍵のかけられた扉があった。


 罠がないか、慎重に探りながら解錠する。

施錠解除アンロック!!」

 

 扉を開いた先には広間があった。

 冷たい嫌な空気が流れている。


 するとしばらくするとウーウーという警告音が聞こえてくる。

 前にもこんなことがあった、あれは……。


 地面に魔法陣が描かれ、何かがせり出してくる。


「アイアンゴーレムだわ、しかも十体も!」

 アリシアが叫ぶ。


 俺はとっさに開かずの扉の迷宮ダンジョンでアリシアとアイアンゴーレムに出会ったあの出来事を思い出す。

 ――あの頃の俺とは違う。


「キィ、後ろに下がってるんだ。ステラは支援魔法を、俺は鍵の力で止めるからアリシアは攻撃を!」


「わかったわ!」


 俺は両手を開き、握る。

複数遠隔施錠マルチリモートロック」 

 

 光が宙に放たれアイアンゴーレムどもに降り注ぐ。


 その瞬間、アイアンゴーレムの動きは止まる。


 そこをステラの電撃呪文ライトニングがダメージを与える。

 そして突っ込んだアリシアはオリハルコンソードで一体、また一体とアイアンゴーレムを倒していく。


 瞬く間に、勝負はついた。


 アイアンゴーレムは十体は鉄くずと化した。


「さすがアリシア、ステラもありがとう」


「ジョウ君のおかげよ、鍵の力が強まってるわ」


「あたいの活躍も忘れんといてやー」


「マスター、キィの出番なかった」

 キィが不満そうに言う。


 俺はキィの頭の毛をくしゃっと撫でながら。

「キィにはもっと強い敵が現れたときのために力を温存しておいて欲しいんだ」

 と言った。


 それにしても、以前はあんなに苦戦したアイアンゴーレムなのに……と俺は自分の力がレベルアップしていることに興奮を覚えたのだった。

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