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第56話 その頃のスライドのパーティ(9)

 スライド達は今度こそジョウに先んじて鍵の扉の迷宮ダンジョンにたどり着いていた。

 

 そこはブレイブ王都の南の荒野に現れた巨大な四角い建造物だった。

 大きさはブレイブ王城ほどある。

 無機質な鉄とも粘土とも言えない素材でできている。


「こんなでけえ建造物が一夜にしてせりあがってきたって言うんだから驚きだよなあ……」

 スライドはしみじみ言う。

 

「スライドの旦那、いくつか入り口がありましたが入れそうな入口がありましたよ!」

 モラドがそう言い、ここだと手を振る。


「今度こそ、そのお宝があるという島にたどり着いてやる」

 スライドはモラドの案内に従って入口らしき場所にやって来た。


「では、鍵を開けます」

 そう言ってモラドは解錠の作業に入った。


「ちっ、また時間かけやがって……」

 スライドは舌打ちする。


「ジョウなら一発なのにね」

 ミレイがスライドの心を見透かすように言う。


「奴の話題を出すな、胸糞悪ぃ」

 そうは言っても、全てが上手くいかなくなったのはジョウがパーティメンバーを外れてからだ。

(いまいましいぜ、ジョウの野郎……)

 スライドの心の中でジョウへの嫉妬と執着心が燃えていた。


「本当に奴が鍵の勇者だと思うか、ミレイ?」


「わからないけど……あれから姿を見ないわね。どうする? また会ったらパーティに戻るように言う?」


「ふざけたこと言うな!名前付き(ネームド)の勇者になったか知らねえが、鍵の開け閉めしかできないような奴に戻ってきてもらっても仕方ないだろ」


「でも、鍵の勇者は鍵の開け閉め以上の力を持っているっていう噂よ」


「そんなことは知らねえ、とにかく俺は奴が気に食わねえ」

 スライドは憎しみの表情を浮かべた。


 ――その時。

「開きましたぜ、スライドの旦那!」

 モラドが合図する。 


「ようやく鍵が開いたか。今度こそ、中に入ってお宝がもう奪われた後なんてことはないだろうな」 

 

「大丈夫です、情報屋によると三百年前に魔王復活の折に現れた鍵の扉の迷宮ダンジョンの記録が残った裏ルートがあるらしいんです」


「それがこの扉を進んだ道ってわけか……まゆつばくさいな」


魔物モンスターや罠も少ないらしいんですよ、進んでみりゃわかります。行きましょうスライドの旦那!」


 そうしてスライド達は鍵の扉の迷宮ダンジョンの扉を開け、扉を閉めて奥へと進んでいくのだった。

・面白い!


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