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第43話 その頃のスライドのパーティ(6)

 ……一方、その頃スライドのパーティは。


 ボロ船でなんとか岸へ辿り着いていた。

「なんとか北の大地へ辿り着いたぞ、あのまま船が沈むんじゃないかと思ったぞ」

 スライドは両ひざをついて砂浜に倒れこむ。


「あの大渦が消えてくれたおかげね」

 僧侶のミレイも尻もちをつく。


「大渦はどうやら魔法の力で作られたようじゃ、魔法の効果が切れたので消えたのじゃろう」

 魔法使いのメルビルが確かめるように言う。


「しかし、はねた海水で鎧が塩水につかっちまった、このままじゃ錆びちまう」

 戦士のエドガーが心配する。


「ここはドワーフの王国で一休みしましょう」

 シーフのモラドが提案した。


「そうだなとりあえず、ドワーフの王国に向かうぞ、そこで態勢を立て直すんだ」

 一行はドワーフの王国へ旅立ったのだった。




「なにー、入れない?」

ドワーフ王国の城門でスライド達は検問で通せんぼされていた。


「魔王軍の四天王が現れたのを鍵の勇者が撃退したのだ、しかしまだ安心はできん。警備を強化しているのだ」

衛兵がにべもなく言う。


「鍵の勇者だとォ……?」


「そう、鍵の勇者ジョウ殿が撃退してくれたのだ」


「また、ジョウの名前か……」


(くそっ、王都でジョウを追放してからロクなことがねえ。まさか鍵の勇者とはほんとにジョウの野郎のことなのか?)

 スライドは心の中で思う。


「ねぇ、ジョウってほんとにあのジョウのことなんじゃない?あいつ鍵師だったし、ほんとに鍵の勇者になったのかも」

 ミレイが疑問を口にする。


「そんなことあるはず、あるはずねぇ……」


「ねぇ、お兄さん。私たちその鍵の勇者のジョウ君の友達なんです、せめてよろずの扉の迷宮ダンジョンの行き方だけでも教えてくれない?」

 ミレイが猫なで声で色仕掛けをする。


「何、友達だと?お前たちのようなみすぼらしい奴らが勇者殿の友達のはずないだろう」

 

「みすぼらしい、だと。俺達だって一応勇者パーティだぞ」

 しかし塩水に使ってボロボロの姿では説得力がない。


「その鍵の勇者のジョウって黒髪のこのぐらいの身長の少年じゃありませんでしたぁ?」

 ミレイは自分より頭一つ分の高さを指さして言う。 


「む、確かにそうであったが……。しかもよろずの扉の迷宮ダンジョンに向かうとも言っていた」

 

「ほら、あのジョウなんじゃない?鍵の勇者って!」

 ミレイはスライドに耳打ちする。

 

「そんなはずは、そんなはずはねえ……俺は自分の目で見るまで信じねえぞ」

 スライドは必死に否定する。


 だが、どこかでもしかしたらという懸念が拭えない。


よろずの扉の迷宮ダンジョンへの行き方ぐらいなら教えてやろう」

 衛兵は言う。


「鍵の勇者がよろずの扉の迷宮ダンジョンに向かったというならちょうどいい、確かめてやる」

 

 こうしてスライド達はよろずの扉の迷宮ダンジョンへと向かうのだった。

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