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第41話 鍵の守り神

 街は炎に燃え、混乱が包んでいた。

 空を巨大な怪鳥が飛んでいた。また配下のファイヤーバードが何十匹か空を舞っている。


「我が名は魔王軍四天王ファイアーフェニックスのザクス! ドワーフの王国は今日でお終いだ」

 

 ……まずい、まさか街中で四天王と遭遇するなんて。

 キィも連れてくるべきだった、マスターキィソードが使えない。

 しかも、今アリシアのミスリルソードは鍛冶屋だ。


「鍵の勇者も来ているという情報も得ているぞ」

 ザクスはそう告げた。

 まずい、俺達の情報も漏れているらしい。


「とにかく、剣を取り戻さなきゃ、さっきの鍛冶屋に戻ろう!」

 俺はアリシアに提案した。


 


 鍛冶屋の店長は俺達の戻るのを待っていたみたいだった。

「ほいよ、大急ぎでミスリルソードは鍛えておいた」

 アリシアにミスリルソードを渡す。


「それに兄ちゃん、本当に鍵の勇者なんだな」

 店長のドワーフの問いにロングソードを受け取りながら俺は頷く。


「だったら、王城へ向かってくれ。このドワーフの王国には鍵の守り神がいるんだ! その封印を解放できるのは鍵の勇者だけだって話だ」


 俺達はその話を聞いて

「わかりました!」

 と店の外に出る。


「どうしよう。とりあえずキィちゃんと合流しなきゃ」


「じゃあ、ひとまず俺は王城へ向かう! キィとステラを連れてきてくれ!」


 そう言い、俺はアリシアと二手に分かれる。




 王城では、空中のザクスに向けて魔法や弓が放たれていた。

 が、なかなかダメージを与えることが出来ない。


 俺は王城を守るドワーフの衛兵に告げた。

「俺は鍵の勇者ジョウ・ローレットです。ドワーフ王国の鍵の守り神を解放するために来ました!」


 そう言うが衛兵は本当なのかと訝し気にこちらを見るだけだった。


 そのとき、炎がザクスから王城に向けて放たれた。

 俺はすかさず

遠隔施錠リモートロック!」

 と唱え、炎の攻撃を空中で止めた。そしてしばらく炎は燃え盛っていたがやがて消えていく。


 それを見て、衛兵もようやく納得してくれたようだ。

「鍵の勇者殿、こちらへ!」

 と案内してくれた。


 案内された城の奥では、豪勢な椅子に座ってドワーフ王が待ち構えていた。

 ドワーフの王だけあって精悍な顔立ちで、またドワーフにしては身長も高い。 

 だが、その表情には焦りが見える。


「我が名はドワーフ王ゴルドバ、そなたが鍵の守り神を解放できるという鍵の勇者か?」


 俺は

「はい!」

 と答える。


「うむ、そなたからは確かに得体のしれない不思議な力を感じる。それが本物ならば扉を開くことが出来るはず」


 ゴルドバ王は立ち上がって言った。


「案内しよう。守り神が封印されし扉へ」


 そう言い、ゴルドバ王は王の間の奥の扉を開け、近衛兵と共に狭い通路を進んでいった。

 王の間の先は岩山に通じていて俺達はその道をのぼっていく。


 進んでいった先には切り立った岩山に囲まれた山のように巨大な扉があった。

 これだけ大きな扉はさすがに俺も見たことがない。


「おまえが真に鍵の勇者だと言うなら、この扉を開けて封印を解放してみよ!」

 そうゴルドバ王が言う。

 

「はい……、証明して見せます」

 

 俺は少し緊張しながら、扉に両手を着ける。


「…………施錠解除アンロック!」


 唱えるとその瞬間巨大な光が当たりを包む。


施錠解除アンロック!」

 どこかでまた以前聞いた鍵の女神の声がして、カチャリとどこかで音がした。


 と同時に巨大な扉がゴゴゴゴゴゴゴゴ……という音がして開いていく。

 それを見てゴルドバ王と近衛兵が

「おお!扉が開くぞ」

 と叫ぶ。


 ――――そして扉が開かれそこには。


 圧倒的な重圧を感じる、空気が振動している感じがした。

 巨大な牙と爪、大きな両翼、鋭い眼光、金に光る鱗。


 現れたのは巨大な一匹の金色こんじきのドラゴンだった。

・面白い!


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