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第40話 ドワーフの王国

俺達は船旅を終え、徒歩でドワーフの王国へ向かっていた。

ドワーフの王国は北の山脈の麓にある切り立った岩山にある王国だ。


入口で身体検査があったが、アリシアが貴族である証の紋章を見せたところ問題なく入ることが出来た。


「ドワーフと言えば、鍛冶屋さんね。私のミスリルソードもだいぶ使い込んであるから鍛えてもらおうかしら」

 アリシアが言う。


「ああ、いいね。俺のロングソードも鍛えてもらった方が良さそうだな」


「じゃあ、一緒に行きましょ」


「わかった、ほなあたいとキィは宿で待ってるな。たまには二人でデートを楽しんできーや」


「「デートじゃないっ!」」

 俺とアリシアは同時に叫んだ。


「マスター、キィも一緒に行く」


「キィ、二人の邪魔したらあかんで」


「う――――」

 キィには悪いが、鍛冶屋に連れて行っても仕方ないのでキィをステラにまかせて俺達は鍛冶屋のある方へ向かった。




「ほうミスリルソードか、いい剣を使っているのう」

 店の主のドワーフはミスリルソードを見て言う。


「剣を見ればその持ち主の実力も図れるってもんだ。姉ちゃん、なかなかの達人だな」

 ドワーフは剣をとアリシアを交互に見て言った。


「それに比べて彼氏の剣は、ずいぶん雑な使い方をしているのう」


「だから彼氏じゃ……」

 と言おうとしたが面倒くさくなってやめた。


「そんなこと言わないで、彼は鍵の勇者なのよ!」


「はぁ、鍵の勇者ねえ。まあわかりました。しばらく剣は預からせてもらいますぞい」

 ドワーフの店長は半信半疑で俺達を送り出した。


 俺達は代理のロングソードを貸してもらい店を出た。

 剣を鍛えるのを待つ間、大通りの道を当てもなくしばらくぶらつく。 


「ジョウ君。私たちみんなにはどう見えてるのかな?」


「さぁね、貴族とその従者じゃないか?」


「もう、そんなことばかり言って。勇者様はもっと自信を持った方がいいと思うわ」

 アリシアは不満げに頬を膨らませる。


「でも、不思議ね。ブレイブ王都でジョウ君に会ってからすごいことばかり」


「確かに、俺もこんなことになるとは思ってなかったよ」


「ねえ、ジョウ君」

 アリシアが少し真剣な表情をして言う。


「キィちゃんのことどう思ってる?」


「キィのことか? 鍵の姫だし俺たちの大事な戦力だろ」


「そういうことじゃなくて、女の子として」

 

「ええ?」

 アリシアの質問の意図がつかめない。


「キィは可愛い妹みたいな存在だよ」

 俺はとりあえずそう答えた。


「ステラは、どう思う? きれいだしスタイルいいわよね」

 俺はなんでそんなことを聞くのかと思いつつ答える。


「ステラは大切な仲間だよ。確かにきれいだけどその」

 俺は言葉を区切る。


 ――アリシアの方が綺麗だ。


 という言葉を飲み込む。

 

 アリシアはその様子を不思議そうに見つめる。

 

 俺は覚悟を決めて、飲み込んだ言葉をもう一度口にしようとした。


「俺はっ……、アリシアのほうが……」

 と口にしたとき。


「大変だ!魔王軍が攻めてきた」

 という声が聞こえてきたのだった。

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